2023 年の戦略:クラウドスマート アプローチによる「攻め」と「守り」
この記事はラグー・ラグラムが執筆した記事の翻訳版です。 最近、教育、銀行、医療などのさまざまな業界の CEO と話す機会がありましたが、そこでよく話題になったテーマが 2 つあります。1 つは、自社を革新的なデジタル企業にしようと、一世代に一度の変革の推進に専心している点です。この動きに乗り遅れると競争力を喪失しかねないため、多くのリーダーが自社の戦略でのこの側面を「攻めの戦略」と表現しています。クラウドへの移行を加速させ、成長に向けた取り組みへの投資により、顧客と新たな関わり方を構築し、自社の製品やサービスの差別化を目指しています。 同時に、多くのリーダーはすべての事業で取り巻くマクロ経済環境が大きく変化したと強く感じています。戦争が起こり、サプライチェーンに制約が生じ、オイル ショックやエネルギー不足やインフレも発生し、これまで実質的に自由に実施できていた成長に向けた投資にも、今では制限がかかっています。このような不確実性に直面したビジネス リーダーは今、スピードの最適化やコストの削減、レジリエンスの強化など、「守りの戦略」にも意識を集中し始めています。 最も重要な点は、機敏なリーダーはこの攻めと守りが同時に必要であると認識していることです。そしてリーダーが抱く重要な問いは「デジタル トランスフォーメーションにより売上を拡大し続け、コストの最適化を通じて収益性を向上させる方法」に他なりません。 この問いへの大半は、複数のクラウドを効果的に切り替えて利用することで解決できます。グローバル レベルで見ると今や約 7 割の企業が日々の業務をマルチクラウド環境で運用しており、その観点で考えると、私たちは 1 つの転換期を迎えていると言えます*1。私が会話をしたリーダーが、マルチクラウド環境の管理で成熟度と洗練度の向上に重点を置いていたのも当然と言えるでしょう。その成熟度と洗練度が、売上の伸びや利益の収益性に影響を及ぼすことを理解しているためです。 しかし現実問題として、多くの組織がクラウド全体のコストの管理と調整に頭を悩ませています。世界各国の約 6,000 の組織を対象に、市場調査会社の Vanson Bourne が行った当社の委託調査によると、ビジネスの成功にマルチクラウド アーキテクチャは不可欠であると...