Thought Leadership ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン

情熱と目的をもって、さらなる進歩へ

この記事はルイーズ・バニヤンが執筆したブログの翻訳版です。

毎年 3 月 8 日の国際女性デーには、女性の功績を称え、女性の不平等に対する認識を高め、ジェンダーパリティを提唱します。今年のテーマである「Break the Bias(バイアスを打ち破れ)」は、私が 12 歳のときから情熱を注いできたことです。母は私を、心理学者の Mary Pipher の講演に連れて行ってくれました。彼女は思春期の少女の自己イメージに悪影響を与える暗黙のバイアス(偏見)について書いている画期的な著書『Reviving Ophelia』の著者です。私は講演に耳を傾け、ジェンダーの不平等を理解したいという情熱を抱くようになりました。

 

イェール、スウェーデン、ロンドン、VMwomen

私はできるだけ多くのことを学びたいと思いました。イェール大学で政治学の学士号を取得するかたわら、スウェーデンでジェンダー バイアスについて研究し、その後ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでジェンダーと社会政策について修士号を取得しました。Catalyst、その後 Deloitte Consulting でキャリアをスタートし、インクルーシブな職場づくりについて企業にアドバイスをしていました。そして、2014 年に社内からの変革促進を依頼され、VMwareが当時、新たに立ち上げた女性支援の取り組み「VMwomen」を管理するようになったのです。

研究や経験を通じて、女性が抱える問題は一枚岩ではなく、ジェンダー平等をめぐる女性特有の経験があることを学びました。VMware では、女性の課題をインターセクショナルな(人種、エスニシティ、ネイション、ジェンダー、階級、セクシュアリティなど、さまざまな差別の軸が組み合わせがある)レンズを通して見るようにしています。また、女性が受けている影響やそれぞれの経験を組み合わせて考慮するために、幅広いフレームワークを適用しています。これには、性別だけでなく、民族的アイデンティティ、性指向、精神的/身体的能力、人種などの影響も含まれます。2014 年以来、私たちの女性支援の取り組みは、マイノリティのグループを幅広く含むように拡大しただけでなく、そこから得た教訓を継続的に適用する形で強化しています。

Amber Boyleは以下のように述べています。

「私たちが娘たちの名前にジェンダー ニュートラルなもの(Charley と Jaymes)を選んだのは、ジェンダー規範を打破したいからでもあります。ジェンダーを前提に期待されることが至る所にあるため、常にコミットメントが必要ですが、次世代に希望を与えてくれるものにしたかったのです」

 

障壁を取り払う

私たちは、世界中の従業員で構成される草の根活動の組織を通じて従業員の経験を理解し、制度的な障壁を取り除くことを目指して、これらのグループを POD(Power of Difference)コミュニティと呼んでいます。26 の POD はそれぞれ、自分たちの職場だけでなく、住んでいる地域のコミュニティにとって重要なイニシアチブを推進する権限を与えられています。POD の活動は、VMware にとっても「インターセクショナルなレンズ」の開発に役立つものです。たとえば、Women@VMware POD は、グローバルなジェンダー平等について、十分な情報を得た上でさまざまなニュアンスで対処するのに役立っています。

VMinculsion TaaraVMware India 

インドの IT 分野では、58 年で 50 近くの女性が退職し、そのまま職場に戻ってこないことが分かっています。

私たちが求める情報は、私たちのプログラムに大きなインスピレーションを与えてくれます。その好例が、インドの女性が技術職のキャリアに戻れるよう支援する「VMinclusion Taara」プログラムです。インドの IT 業界では、5〜8 年で 50% 近くの女性が退職し、そのまま職場に戻ってこないことが分かっています。のちに彼女たちが復帰を望んでも、技術革新が急速なスピードで進んでおり、スキルが時代遅れになっていることに気づくのです。

VMinclusion Taaraはこのギャップを解消するために、最新のデジタル トランスフォーメーション テクノロジーに関する講座を無料で提供しています。

Taara のプログラムに登録した女性は 16,000 人にのぼり、すでに 3,600 人の女性の VMware 認定プロフェッショナル(VCP)の資格取得と職場復帰を後押ししました。

 

VMware Women’s Leadership Innovation Lab(スタンフォード大学)

地域社会とのパートナーシップを通じて、障壁を取り除く取り組みも行っています。スタンフォード大学の VMware Women’s Leadership Innovation Lab は、私にとって思い入れのあるパートナーシップの 1 つです。このラボでは、女性のリーダーシップを向上させるための研究を行い、障壁や偏見を診断し、介入策を開発/評価して、研究に基づく解決策を広めています。私たちはこの研究を支援し、継続的に意見交換を行うことで、VMware の業務に反映させ、VMware 社内や地域社会の有意義な変化につながるようサポートしています。

 

Women Transforming Technology Conference WT2 

私たちは、コミュニティの力を信じています。Women Transforming Technology(WT2)は、企業、非営利団体、学術団体からなるコンソーシアムで、女性が技術分野で直面する最大の問題を解決するために設立されました。WT2 はコミュニティを構築し、テクノロジー分野の女性にとって最も重要な問題に取り組んでいます。さらに、テクノロジーのあらゆる分野、あらゆるレベルの女性への刺激、支援、コネクション提供を行っています。WT2 には毎年、学生から経営者まで、世界中から 5,000 人以上が参加しています。

 

さらに上を目指して

VMware では、私たちは常に目標を掲げています。。まず、2030 年に向けて積極的な目標を掲げています。たとえば女性およびノンバイナリー(自身の性自認・性表現に「男性」「女性」といった枠組みをあてはめようとしないセクシュアリティ)の人々を 50%、男性を 50% 雇用することを目指します。また、管理職の 50% を女性、またはマイノリティに属するグループ出身者にすることを目指しています。

 

DEI チェンジ エージェント

もう 1 つの大きな目標は、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の取り組みを私たちの活動すべてに完全に組み込むことです。そのために、私たちは DEI チェンジ エージェントのネットワークを立ち上げました。DEI チェンジ エージェントが組織内で DEI を推進するとともに、組織の業務が VMware が掲げる DEI の目標に合致していることを確認できるよう、説明責任と測定基準を重視していきます。これにより戦略的に DEI を拡大し、ビジネスのリズムに組み込んでいきます。リーダーも、従業員も、すべての行動は私たちのコミットメントを反映したものとなります。

 

職務内容の見直し

また、新しい働き方も取り入れています。どこで、どのように仕事をするかだけでなく、誰がその仕事をするかということです。狭義のスキルだけでなく、より幅広い経験や成果、能力を重視します。これは非常に興味深い研究です。職務内容を書き換えると、女性の応募者が 2 倍、マイノリティに属するコミュニティからの応募者が 3 倍になることがわかりました。この結果に基づき、各リーダーや採用担当者に、人材についてこれまでとは違う考え方をするよう促しています。

 

スポンサーシップ:躍進への鍵 

スポンサーシップを受けた人は、昇給を求め(そしてそれを実現)、より影響力のあるチームへの参加を要請し、キャリアへの満足度を大きく高める可能性が高くなります。

スポンサーシップ(後援)は躍進への鍵であり、女性やマイノリティに属するグループはスポンサーシップを得る機会が少ないことが分かっています。Coqual の調査によると、スポンサーシップは提供者と受益者の双方にメリットをもたらします。スポンサーシップを受けた人は、昇給を求め(そしてそれを実現)、より影響力のあるチームへの参加を要請し、キャリアへの満足度を大きく高める可能性が高くなります。

一方、スポンサー自身も、庇護者を育てることでキャリア アップの恩恵を受けていることがデータで示されています。VMware では、シニア リーダーの間で「スポンサーシップ マインドセット」を構築し、スポンサーになる可能性の高い人とそうでない人の間のギャップを埋めるのに役立つツールやリソースの提供に努めています。

 

これからも旅は続く

VMware では、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)を高めるために絶えず学習し、努力しています。私はこの取り組みを「変化のマラソン」と呼んでいます。その過程で何かを学び、それを他の人と共有することができれば、失敗しても構わないと考えています。業界を超え、世界中で協力し、学びを共有すればするほど、私たち全員がより早くゴールに到達することができるのです。

私はジェンダーの不平等を理解し、インクルーシブかつ公平な職場を作るという情熱を追求できることを光栄に思っています。VMware では 2014 年以降長い道のりを歩んできましたが、まだまだ謙虚であり続けなければなりません。これからも、やらなければならないことが幅広さ/深さともにあると実感しています。

私たちは社内だけでなく世界中のコミュニティで、女性が平等に機会を得られるよう、障壁を取り除くことで支援しています。このような進歩が、さらなる高みを目指す私たちのエネルギー源となっています。3 月は米国の女性史月間にあたるため、これまでの歩みを祝うとともに、新たなエネルギー、集中力、コミットメントをもって前進していきます。

 

 

ルイーズ・バニヤンLouise Bunyan

VMware Employment Brand チームの Talent Marketing Specialist で、コミュニケーション、マーケティング オンラインおよびオフライン マーケティングの分野で 15 年以上の経験があります。