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vROps 8.0 はオンプレミスからクラウドまで Part2

Part2:vROps バージョン 8.0でできること②
日本ヒューレット・パッカード株式会社の中川明美です。
今回はアプリケーションの管理と新たなトラブルシューティング機能についてご紹介します。
アプリケーションの管理機能として、vRealize Operations 7.5で「アプリケーションの監視」、vRealize Operations 8.0で「サービスの検出」が追加されました。トラブルシューティング機能として、トラブルの原因を分析するための情報を1つのダッシュボードで提示する「Workbench」が8.0で提供されています。
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#1:vROps バージョン 8.0でできること①
#2:vROps バージョン 8.0でできること②
#3:ユーザーインターフェースの変更いろいろ
#4:スーパーメトリックもウィザードを強化
#5:アプリケーションの管理①
#6:アプリケーションの管理②
#7:Workbenchによるトラブルシューティング
#8:vROps 8.0のvSANダッシュボード/SDDCコンプライアンス
このパートで、3つの機能を簡単にご紹介します。詳細な内容は後続のパートで!
◆アプリケーションの監視◆
「アプリケーションの監視」では、vRealize Application Remote Collectorでサポートされるオペレーティングシステムおよびアプリケーションサービスを監視します。
関連するアプリケーションのメトリックを確認しながら、仮想インフラのトラブルシューティングを行ったり、アプリケーションの管理者と収集した情報を共有することができます。
Advanced エディションではオペレーティングシステムを、Enterprise エディションではオペレーティングシステムおよびアプリケーションサービスの監視を行うことができます。
ホームの「アプリケーションの監視」の画面です。
この画面から、「検出された」「サポートされている」、オペレーティングシステムおよびアプリケーションサービスを確認することができます。
vROps 8.0で、NTPD、Java、Websphereが追加されています。

サポートされているオペレーティングシステムおよびアプリケーションサービスの詳細は次のドキュメントをご確認ください。
▼サポートされるオペレーティングシステムおよびバージョン
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-E2BBA2B8-A03A-4FB3-B408-E7D67C7B1C60.html
▼サポートされるアプリケーションサービスおよびバージョン
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-EBDE39E0-027F-4A41-A596-08E52E2D17EE.html
Microsoft IISの「Web Services」のメトリックを表示した画面です。
vROpsを使用して、アプリケーションサービス、サービスが稼働するゲストOS、仮想マシン、ESXiホストのメトリックを並べて表示できますから、どこに問題が発生しているかを特定する際、煩雑さの軽減や時間短縮ができそうですね。

◆サービスの検出◆
「サービスの検出」では、各仮想マシンで実行されているサービスを検出し、異なる仮想マシンのサービス間の関係または依存関係を監視するのに役立ちます。サービスの検出で得た情報から、サービスの一部である仮想マシン、仮想マシンのシャットダウンまたは移動の影響、インシデントの影響を確認できます。
Advancedエディション以上で、サービスの検出および監視を行うことができます。
ホームの「サービスの検出」の画面です。
この画面から、「検出された」「既知の」サービスを確認することができます。

サポートされる製品バージョンやオペレーティングシステムバージョンの詳細は次のドキュメントをご確認ください
▼サービス検出がサポートしているプラットフォームと製品
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-81922676-399B-4A05-A3AF-723CC804D197.html
ホーム-「サービスの検出」で、検出されたサービスの「仮想マシン」リンク文字列をクリックすると、管理-「インベントリ」-「サービスの管理」画面が表示されます。この画面から該当のサービスが稼働している仮想マシンを調べることができます。

アプリケーションの監視と同様に、検出されたサービスのメトリックも表示することができます。IISサービスは「パフォーマンス」のメトリックが準備されています。

◆Workbench◆
「Workbenchトラブルシューティング」では、「潜在的な証拠」が特長的です。ここから、既知の問題と未知の問題の両方を調査することができます。
「潜在的な証拠」タブでは、「イベント」「プロパティの変更」「アノマリのメトリック」が表示されます。ある時間(デフォルト2時間半)にどのような操作が実行され、どのような変更がなされ、また大幅に変化したメトリックがあるかを確認できます。トラブル予防としても活用できそうです。

画面左上の「選択されたスコープ」も役立つ機能かと思います。レベルを変更し、監視するオブジェクトの範囲を広げたり、狭めたりし、関連オブジェクトを表示します。
下図は、スコープをレベル1からレベル4に変更した後の関連オブジェクトです。警告 (赤い●) が表示されているのはESXiホストですが、広い範囲で分析したい時は、スコープを変更し、該当オブジェクトの詳細画面へ遷移することもできます。

◆まとめ◆
vROps 8.0で提供される「サービスの検知」を使用すると、仮想マシン上でどんなサービスが稼働しているかを知ることができるのはよいですね。インフラチームとアプリケーションチームが異なる場合、事前に情報共有が徹底されるのがベストですが、難しい場合もありますよね。
vROps 7.5から提供されている「アプリケーションの監視」は、アプリケーション固有のメトリックが準備されていますから、アプリケーションチームが必要な情報を提供できますね。
「Workbench」も活用できそうです。私はLab環境の運用管理も担当していますから、Workbenchを使ってトラブルシューティングをしてみました。表示された情報から、vSphere 6.7 U3のKBを見つけました。vSphere Clientからは得られない情報でした。このKBを含め、後続のパートで事前に確認すべきことや必要な設定等をご紹介します。