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vROps 8.0はオンプレミスからクラウドまで Part 5

Part5:アプリケーションの管理①
日本ヒューレット・パッカード株式会社の中川明美です。
今回は、「アプリケーションの管理①」です。


vRealize Operations (vROps) もアプリケーションやサービスの監視が強化されてきましたね。以前のパートでふれましたが、仮想基盤の知識を習得するために、私が実施するコースへアプリケーションエンジニアの方が受講されることが増えました。インフラとアプリケーション両方に見識がある方は比較的少ないように思われるため、インフラ視点でアプリケーションの監視視点も持てたら貴重な存在になりそうですね。仮想基盤とアプリケーションの監視が可能な vROps を活用して、適切な仮想基盤を運用いただけたらと思います。
ー Back Number ー
#1:vROps バージョン 8.0でできること①
#2:vROps バージョン 8.0でできること②
#3:ユーザーインターフェースの変更いろいろ
#4:スーパーメトリックもウィザードを強化
#5:アプリケーションの管理①
#6:アプリケーションの管理②
#7:Workbenchによるトラブルシューティング
#8:vROps 8.0のvSANダッシュボード/SDDCコンプライアンス
vROp 7.5 から「アプリケーションの監視」、8.0 から「サービスの検出」が提供されています。2つの機能は「ホーム」-「アプリケーションの管理」メニューの配下に表示されます。Part5 は、「アプリケーションの監視」の構成までをご紹介します。
◆アプリケーションの監視構成のプロセス◆
vROps でアプリケーションの監視を行うには、いくつかの事前準備があります。アプリケーションの監視が動作しない場合は、これらのステップが正しく行われたかを確認します。

「1」と「2」の手順は、次のドキュメントをご確認ください。
<VMware vRealize Application Management Pack のアクティベート>
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-978A9D73-3698-49E6-8E98-B4EC16D88D1B.html
<vRealize Application Remote Collectorのデプロイ>
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-7F1F910F-AFB9-493C-9CBF-DEFFF5E9BB69.html
◆vRealize Application Remote Collectorの構成◆
▼NTPの構成
「アプリケーションの監視」のポイントは「NTP 設定の構成」といってもよいかもしれません。
「vRealize Application Remote Collector」アプライアンスにログインし、/etc/ntp.conf にある ntp.conf ファイルへ NTP サーバーの情報を追加します。その後、NTPデーモンの起動 (systemctl start ntpd) および有効 (systemctl enable ntpd) を行います。
次に NTP が正しく構成されているかを「ntpstat」コマンドで確認します。正しく同期されている場合は、次のメッセージが表示されます。

同期されない場合は、「ntpdate」コマンドを実行するのも一つの方法です。
「エージェントのインストールに失敗する」「アダプタの構成に失敗する」場合の解決策として、「ntpdate」コマンドの実行があげられています。
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-98EC0EEA-337C-426A-9B5E-44C142F2A210.html
▼アプリケーションリモート コレクタの追加と構成
「管理」メニューの「アプリケーションリモートコレクタ」で、「アプリケーションリモート コレクタの追加と構成(緑色の十字アイコン)」をクリックします。

▼アプリケーションリモートコレクタの管理

1 アプリケーションリモートコレクタの構成
vRealize Application Remote Collector のインストール時に構成した vRealize Application Remote Collectorの完全修飾ドメイン名 (FQDN) と API 管理ユーザーのパスワードを入力します。
2 vCenter Server のマッピング
「vCenter Serverのマッピング」のドロップダウンメニューから、vCenter Server 名を選択します。vCenter Server 名が表示されたら、「テスト接続」をクリックします。vCenter Server 名の青色から緑色への変更は、vROpsが vRealize Application Remote Collector と通信できることを証します。
しばらく待つと(ステータスの取得までに最大5分)、アプリケーションリモートコレクタが追加表示されます。

◆エージェントのインストール◆
監視対象の仮想マシンにエージェントをインストールします。ここでは、Windows OSを対象とします。
<前提条件>

  • vRealize Application Remote Collector、vROps、ESXi ホスト、監視対象の Windows および Linux の仮想マシンの間の時刻同期
  • 仮想マシンにエージェントをインストールするためのゲスト操作権限
  • ユーザーアカウント権限の前提条件 ※ Windows は管理者権限
  • 仮想マシンの構成要件 ※ Windows は Visual C++ のバージョンが 14 以降であること

「管理」メニューの「インベントリ」-「エージェントの管理」で「インストール」アイコンをクリックします。ここでは、「VM19-1」仮想マシンにエージェントをインストールします。エージェントインストール後、再起動は発生しませんでした。

▼エージェントの管理

1 オプションの選択
すべての仮想マシンで共通のユーザー名とパスワードを使用している場合、「共通ユーザー名 & パスワード」を選択します。
すべての仮想マシンで異なるユーザー名とパスワードを使用している場合、「仮想マシンの認証情報を入力してください」を選択します。
2 認証上の提供
ユーザー名とパスワードを入力します。
すべての仮想マシンのユーザー名とパスワードが異なる場合、このページから CSV テンプレートをダウンロードし、そのファイルを適用します。
正常にインストールされると、「正常にインストールされました」と表示され、エージェントが実行されます。


◆アプリケーションサービスのアクティベーション◆
監視対象の仮想マシンで実行されているアプリケーションを監視するには、エージェントのインストール後に、対象仮想マシンで vRealize Application Remote Collector プラグインを構成(アプリケーションサービスのアクティベーション)する必要があります。
「管理」メニューの「インベントリ」-「エージェントの管理」で、対象の仮想マシンを選択し、「サービスの管理」アイコンをクリックします。ドロップダウンメニューからサービス名を選択します。ここでは、「msiis」を選択します。

「ステータス」を有効にし、表示名を入力後、保存をクリックします。
複数のインスタンスを追加する場合は、追加(緑色の十字アイコン)をクリックします。

正常に構成されたことを確認します。

<サポートされているアプリケーションサービスのバージョン>
https://docs.vmware.com/jp/vRealize-Operations-Manager/8.0/com.vmware.vcom.config.doc/GUID-EBDE39E0-027F-4A41-A596-08E52E2D17EE.html
◆まとめ◆
ゲスト OSおよびアプリケーションの監視は、構成の道のりが長いですね(笑)
私はLinux OS に触れる機会が少ないため、最初の山場は NTP の同期でした。こんなところで。。。と苦戦しておりました。また、ゲスト OS のメトリックは表示されるのに、サービスの管理でなぜアプリケーションサービスの「msiis」がメニューに表示されないのだろうと悪戦苦闘した結果、ライセンスエディションが Advanced だったという落ちです。
正常に稼働しない原因をさぐるために、久しぶりに Microsoft IIS の勉強をしてみたりと、よい機会だったと自分を慰めております(笑)
次回は、あらためてゲスト OS およびアプリケーション監視のメトリック画面とサービスの検出についてご紹介します。