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こんにちは、SEの川崎です。
前回に引き続き、『新卒2年目 SE 社員が贈る 仮想デスクトップのキソ!』シリーズ、スピンオフ版の第2段として、VMware App Volumes ™ (App Volumes)に関する記事をお届けいたします。まだ”その1”をご覧になっていない方はこちらよりご確認ください。
前回は App Volumes がどのような課題を解決するのか、リンククローン×流動割り当ての課題を確認するところからはじめ、App Volumes の全体像、構成要素、おおまかな導入の流れをご紹介しました。今回は、App Volumes の中でも鍵となる AppStack、Writable Volumes という2つの要素に着目しながら、それらが結局どう役立ってくれるのか、というところまでを見ていきます。

§3.AppStack と Writable Volumes とは? – 作成から運用まで –

§3-1.AppStack

この節では AppStack について、もう少し深く見ていきます。内容は次の通りです。

  • テンプレート
  • Provision(AppStackへのアプリケーションインストール)
  • Assign(ユーザとの紐付け)
  • バックアップの方法
  • RDSHでの利用

テンプレートについて

初期構成で設定したデータストア内の指定のパスに AppStack のテンプレートがあります。
AppStack の作成時には、このテンプレートを指定して作成します

図1.AppStack 作成時の画面イメージ、テンプレートを指定

図1.AppStack 作成時の画面イメージ、テンプレートを指定


デフォルトでは 20GB のサイズで作成されますが、容量は手順に従いカスタマイズすることも可能です。

Provision について

AppStack にアプリケーションをインストールする作業を Provision と呼びます。App Volumes Managerの管理コンソールから “Provisioning Computer” を指定して Provision を開始し、いくつかのアプリケーションをインストールします。

図2.provision 開始後の provisioning computer の画面イメージ

図2.provision 開始後の provisioning computer の画面イメージ


なお、一度作成した AppStack を修正したい場合には、Update 作業を行うことにより、一度既存AppStack の複製を作成した上で再度 Provision 作業を行うことが可能です。

Assign について

ユーザ、グループ、またはコンピュータに対して AppStack を Assign (AppStack との紐付け)します。即時または次回のログオンか再起動後にアタッチするよう、指定することが可能です。

図3.AppStack の assign 時の画面イメージ

図3.AppStack の Assign 時の画面イメージ

バックアップについて

Storage Group を構成することにより、複数のデータストア間で AppStack を複製して配置しておくことで冗長化が可能です。また、AppStack は読み取り専用で、管理者が新規に作成したり Update 作業を行ったりした際にしか変更は加わりませんので、変更が入ったタイミングで都度バックアップしておくことを推奨します。バックアップには、AppStack の格納されたデータストアを LUN ごとバックアップする方法や、vSphere Client などで個別にコピーする方法 などが挙げられます。AppStack の種類の数だけバックアップをとればよいので、規模が大きくなければ個別のコピーでもそれほど工数はかかりませんね。

図4.Storage Group を表示。"iSCSI-01", "iSCSI-02", "iSCSI-03" を要素として "iSCSIs" という Storage Group を構成。

図4.Storage Group を表示。”iSCSI-01″, “iSCSI-02”, “iSCSI-03” を要素として “iSCSIs” という Storage Group を構成。


図5.各データストア内に配置された AppStack

図5.各データストア内に配置された AppStack

RDSH 環境での利用

RDSH に対しても AppStack は利用可能ですが、Writable Volumes は利用できません。要件など詳細はドキュメントをご参照ください。(FAQも参考になります)

§3-2.Writable Volumes

この節ではWritable Volumesについて、少し深く見ていきます。内容は次の通りです。

  • テンプレート
  • 作成と割り当て
  • バックアップ

テンプレートについて

初期構成で設定したデータストア内の指定のパスにテンプレートがあります。Writable Volumes については、App Volumes 2.10では下記2通りのプロファイルが提供されています。

  • uia_only (user-installed application)
  • uia_plus_profile (user-installed application plus profile)

作成と割り当て

割り当てるユーザを指定し、テンプレートを選択して作成します。

図6.Writable Volumes の作成。テンプレートを選択。

図6.Writable Volumes の作成。テンプレートを選択。


Writable Volumes のサイズはデフォルトでは 10GB ですが、”Expand” が可能です。
図7.作成された Writable Volumes の一覧。"Expand" も可能。

図7.作成された Writable Volumes の一覧。”Expand” も可能。

バックアップについて

Writable Volumes はユーザがデスクトップ利用中は書き込みが発生している可能性があり、ユーザがログオフしているときがバックアップに望ましいタイミングになります。vmdk ファイルのバックアップは、ユーザログオフ中に LUN 単位でバックアップをとるか、AppStack 同様に個別にコピーする手法を用いることができます。サポートはされていませんが、Flings で提供されているツールが役に立つ場合もあります(弊社ブログでの紹介記事)。また、 Writable Volumes にユーザプロファイル、ユーザデータを保持せず、User-Installed Application のみの利用に絞ることによりバックアップを不要にする構成をとる設計もよく用いられます。その場合はユーザのデータやプロファイルはフォルダリダイレクトや移動ユーザプロファイル、User Environment Manager を利用して保持し、別途ファイルサーバ側をバックアップします。Writable Volumes のバックアップを取得しない場合は User-Installed Application は再構成時にユーザ側で再インストールが必要です。

§4.使い方とメリットを改めてみてみよう

全体像 – ある営業日と翌営業日の仮想デスクトップ利用状況

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図8.App Volumes を導入した環境での、ある2日間の仮想デスクトップ利用イメージ


 

§4-1.AppStack のメリット

営業系従業員向けのアプリケーション、技術系従業員向けのアプリケーションをそれぞれ AppStack 化しておくことにより(図9 – ①)、共通のデスクトッププールに接続していても、各ユーザの所属する部署に応じてデスクトップ内で利用できるアプリケーションを変えることが可能です。ユーザのログインに伴ってユーザに割り当てられた AppStack が仮想デスクトップに Attach され(図9 – ②)、ユーザはデスクトップ内でアプリケーションを利用することができます(図9 – ③)。
これにより、ユーザが自分の部署に応じたアプリケーションが利用できる状況を確保しつつ、デスクトッププールのマスターとなる仮想マシンイメージを一つに統一しておくことができます。管理者の方は、マスターのサービスパックアップデートや新しいアプリケーションの AppStack へのインストール作業は一度で済みますが、それにより全ユーザの環境をアップデートできます。

図9.AppStack が割り当て済みの環境での仮想デスクトップ利用イメージ

図9.AppStack が割り当て済みの環境での仮想デスクトップ利用イメージ


 

§4-2.Writable Volumes のメリット

各ユーザに Writable Volumes を割り当てておくことで(図10 – ①)、各ユーザは独自にインストールしたアプリケーションを別のデスクトップに接続しても使い続けることができます。ユーザがログインしたデスクトップには Writable Volumes が Attach され(図10 – ②)、ユーザが新規にインストールしたアプリケーションは Writable Volumes に保存されます(図10 – ③)。ユーザが別の仮想デスクトップにログインした際にも、そのユーザに割り当てられた Writable Volumes が Attach されることで、ユーザはアプリケーションを利用することができます。(図10 – ④)
ユーザには自由にアプリケーションをインストールできる環境が提供されますが、ユーザの総数と同数のデスクトップ用仮想マシンを確保しておく必要がありません。管理者は同時接続数を満たす数をベースにデスクトップの展開数を決定することができます。

図10.Writable Volumes が割り当て済みの環境での仮想デスクトップ利用イメージ

図10.Writable Volumes が割り当て済みの環境での仮想デスクトップ利用イメージ


 

§5.関連動画リンク

  • AppStack の Attach 時の動作イメージ動画


https://www.youtube.com/watch?v=Csn5eT93EFo

  • 構築の流れの動画


https://www.youtube.com/watch?v=yL7Zx2IAEes

おわりに

2回にわたり App Volumes についてお届けして参りましたが、いかがでしたでしょうか。この記事をきっかけに App Volumes について、少しでもイメージを持っていただけたなら幸いです。
新卒2年目社員が贈る 仮想デスクトップのキソ!
第1回 仮想デスクトップと Horizon 6 ( with View)
第2回 仮想デスクトップの基本構成
第3回 プール作成と割り当て
第3.5回 View Composer の仕組み
第4回 接続方法と接続元端末
第5回 公開アプリケーションのキソ
第5.5回 ThinAppによるアプリケーション仮想化のキソ
第6回 スケールアウト対応
第7回 完結編、仮想デスクトップと関連ソリューション総まとめ
第 8.1 回 App Volumes を使ってみよう その1
第 8.2 回 App Volumes を使ってみよう その2