vSphere+ VMware Cloud

VMware vSphere+ のご紹介 その③

みなさん、こんにちは。VMwareでパートナー様を担当させて頂いております Partner Readiness Specialist の北村です。

前々回 (VMware vSphere+ の概要)、前回 (vSphere+ のオンボーディング) に引き続き、今回も vSphere+ ネタの投稿になります。

今回で 3 回目と言う事で、これからも続くかもしれないので、バックナンバーとしても記載しておきます。

ーーー バックナンバー ーーー
VMware vSphere+ のご紹介 その① (概要)
VMware vSphere+ のご紹介 その② (オンボーディング)
VMware vSphere+ のご紹介 その③ (vCenter Server のアップデート)
ーーーーーーーーーーーーーーー

 

今回は、vSphere+ の機能の 1 つである「vCenter Server のアップデート」の「有効化」と「アップデートの実行」についてです。

注:それぞれの製品ドキュメントの参照先は以下になりますが、英語以外の言語のドキュメント更新にはタイムラグが発生するため、以下のハイパーリンク先は英語版の製品ドキュメントです。

この「vCenter Server のアップデート」機能ですが、2023 年 4 月 20 日 (米国時間) から vSphere+ のフリートライアル (無償評価版) 期間中に利用可能となりました (リリースノートはこちら)。裏を返せば、それ以前はサブスクライブした環境でしか利用出来ない機能でした。そこで、既にサブスクリプションを購入頂いていた弊社認定ディストリビュータである SB C&S 株式会社様の環境にて共同で検証させて頂いた内容を今回はブログにまとめています。

検証を始めたのは 4 月の頭からでしたので、まさに検証途中でフリートライアル (無償評価版) でも試せるようになったわけですが、vSphere+ に興味をお持ち頂き、これから vSphere+ のフリートライアル (無償評価版) で、「vCenter Server のアップデート」を試してみたいという方は、製品ドキュメントと合わせて、今回のブログも参考にして頂けると幸いです。

注:今回のブログの環境は、前回のブログとは別の vSphere 環境を VMware Cloud に接続していますので、画像にある vCenter や ESXi などの名前は前回のブログとは異なります。

 

 

vCenter Server のアップデート

vCenter Server のアップデートの検証構成

  • vCenter Server 8.0.0 build 20519528 (アップデート前)
  • vCenter Server 8.0.1 build 21560480 (アップデート後)
  • ESXi 8.0.0 build 20513097
  • vCenter Cloud Gateway 8.0.1 21358274

 

 

 

vCenter Server のアップデートの有効化

vCenter Server のアップデートを利用するには、VMware Cloud Console から有効化を行う必要があります。vCenter Server が複数接続されている環境では、vCenter Server ごとに有効化を行う必要があります。有効化では vCenter Server のネットワーク構成の詳細を設定していきますので、前々回のブログの「vCenter Server のアップデートの有効化 (要件)」を参照して必要な準備は事前に実施しておいてください。

 

https://vmc.vmware.com から VMware Cloud Console にアクセスして、[インベントリ] > vCenter Server を選択  > [メンテナンス] をクリックします。

注:製品ドキュメントには、VMware Cloud Console の通知から [vCenter Server のアップデートの有効化] で [アップデートの有効化] をクリックして、[メンテナンス] タブへ移動する方法も記載しています。

 

以下は、vSphere Client から見た vSphere 環境のインベントリです。

 

もし、前々回のブログにある「vCenter Server のアップデートの有効化 (要件)」の「vCenter Server の展開トポロジー」に準じていないと、以下のエラーが表示されますので、該当する箇所を改善してから再度試してください。

 

[vCenter Server のネットワーク設定の構成] > [管理クラスタ] で、vCenter Server と vCenter Cloud Gateway がデプロイされているクラスタを選択します。

 

[vCenter Server のネットワーク設定の構成] > [一時的なネットワーク] で、ネットワーク構成の詳細を入力します。

 

[vCenter Server のネットワーク設定の構成] > [ネットワークのトラブルシューティング] > [ネットワーク] で、トラブルシューティング ネットワーク用のポートグループを選択します。

注:このポートグループは事前に作成しておく必要があります。

 

[vCenter Server のネットワーク設定の構成] > [ネットワークのトラブルシューティング] で、ネットワーク構成の詳細を入力して、[適用] をクリックします。

 

ネットワーク設定の適用が開始します。

 

以下は、ネットワーク設定の適用が完了したVMware Cloud Console の表示です。

 

また、ネットワーク設定の適用の処理の中で、オンプレミスの vSphere 環境に管理用のリソース プール (Mgmt-ResourcePool) が作成されます。このリソース プールには、vCenter Server のアップデートに必要な CPU とメモリの予約設定がされ、最終的に、vCenter Server と vCenter Cloud Gateway は、このリソース プールに移動されます。

注:このリソース プールの構成変更や、このクラスタから vCenter Server を移動しないでください。

これ以外にも、vCenter Server と vCenter Cloud Gateway の仮想アプライアンスに必要な CPU とメモリの予約が設定されます (将来のアップデートに備えるため)。そして、vCenter Server の仮想アプライアンスにはトラブルシューティング用のセカンダリ NIC が追加されます。

これで、 [vCenter Server のアップデートの有効化] は終了です。

 

 

vCenter Server のアップデート

続いて、「vCenter Server のアップデートの実行」です。

 

VMware Cloud Console にアクセスしていない場合は、https://vmc.vmware.com から VMware Cloud Console にアクセスして、[インベントリ] > vCenter Server を選択  > [メンテナンス] > [前提条件の確認] をクリックします。

 

[前提条件の確認] では、vCenter Server が全ての要件を満たしているかどうかを確認します。この処理は少し時間がかかりますが、この処理の進行中もvCenter Server は使用できます。

 

[前提条件の確認] の処理の中で、最新の vCenter Server のバージョンがダウンロードされます。

 

[前提条件の確認] の処理が完了すると、グレーアウトしていた [今すぐ更新] がクリック出来るようになりますので、[今すぐ更新] をクリックします。

 

[バックアップの確認] ポップアップが表示されるので、[バックアップを作成しました] にチェックをして、[続行] をクリックします。

注:vCenter Server のバックアップを取得していない場合は、[キャンセル] をクリックして、バックアップの取得後に再度実行してください。

 

vCenter Server のアップデートが開始します。

 

vCenter Server の構成が移行中です。

 

vCenter Server のアップデートは、ブルー グリーン アップデートで行われますので、以下の様に、ブルー (現バージョン) とグリーン (新バージョン) の vCenter Server 仮想アプライアンスの両方が vSphere Client のインベントリで確認できます。

 

vCenter Server のアップデートが完了すると、[履歴] に情報が表示されます。

 

以下は、vCenter Server のアップデート完了後の vSphere Client のインベントリ表示です。

新しい vCenter Server は、<古い vCenter Server 名>-<vCenter Server のバージョン>-<vCenter Server のビルド番号> と言う命名規則で作成されています。

古い vCenter Server は電源オフの状態で削除されずに残っています。しばらく新しい vCenter Server で運用して、問題なければ古い vCenter Server をディスクから削除してもいいかと思います。

ちなみに、今回検証した環境では、vCenter Server のアップデートが完了するまで約1時間半の時間を要しました。

 

 

今回は、vSphere+ の機能の 1 つである「vCenter Server のアップデート」の「有効化」と「アップデートの実行」についてご紹介させて頂きました。

 

今回は以上となります。

 

ーーー VMware vSphere+ のご紹介 シリーズ ーーー
VMware vSphere+ のご紹介 その① (概要)
VMware vSphere+ のご紹介 その② (オンボーディング)
VMware vSphere+ のご紹介 その③ (vCenter Server のアップデート)
VMware vSphere+ のご紹介 その④ (VMware Cloud Console の機能紹介とユースケース)
VMware vSphere+ のご紹介 その⑤ (vSphere+ の検証から得た TIPs の共有)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー