みなさん、こんにちは。VMwareでパートナー様を担当させて頂いております Partner Readiness Specialist の北村です。
少し間が空いてしまいましたが、引き続き今回も vSphere+ ネタの投稿になります。
今回は、2023 年 7 月 10 日から開催している弊社パートナー様向けオンライン・イベントである EMPOWER ONLINE 2023 JAPAN で公開されていた「vSphere+ テクニカル アップデート」セッションの内容から「VMware Cloud Console の機能紹介とユースケース」をピックアップしてお伝えしたいと思います。
注:今回の内容は 2023 年 4 月から 5 月にかけて、vSphere+ を検証した際の情報を元に記載しています。
VMware Cloud Console とは
VMware Cloud Console はクラウドで提供されている vSphere+ の管理インターフェースで、https://vmc.vmware.com にアクセスして利用します。
VMware Cloud Console の画面は、左ペインに提供している機能のメニューを、右ペインにメニューで選択した項目に関する情報を表示します。
以下は、VMware Cloud Console の左ペインに表示されるメニューの項目です (2023 年 6 月 1 日時点)。以降、このメニューの各項目について説明していきます。
- 開始
- インベントリ
- サブスクリプション
- インフラストラクチャの運用
- 目的の状態構成
- 仮想マシン
VMware Cloud Console > 開始
以下は、VMware Cloud Console のメニューにある [開始] の画面です。このページは、最新の VMware Hybrid Cloud ソリューションとインフラストラクチャ製品についての学習が出来るように設計されたランディング・ページです。ここから VMware Cloud のポートフォリオを探索したり、技術ドキュメントや関連ツールにアクセスする事ができます。
VMware Cloud Console > インベントリ > Cloud Gateway > リスト表示
次は [インベントリ] です。インベントリの表示には “タイル表示” と “リスト表示” があります。こちらは vCenter Cloud Gateway のインベントリを “リスト表示” している画面になります。
VMware Cloud Console > インベントリ > SDDC > タイル表示
これは vCenter Server のインベントリをタイル表示” している画面です。vCenter Server と VMware Cloud は直接は接続していませんので、vCenter Server の情報は vCenter Cloud Gateway を経由して得ています。この環境では 2 台の vCenter Server が接続している事がわかります。
左側の vCenter Server には [サブスクライブ] ボタンが表示されているので、まだ、サブスクリプション・ライセンスを適用していない事がわかります。それに対して、右側の vCenter Server には [サブスクライブ] ボタンが表示されていませんので、サブスクリプション・ライセンスを適用済みである事がわかります。vSphere+ への [サブスクライブ] はここから行います。
ちなみに、上部にある黄色の背景で表示されているバナーは、左側の vCenter Server が、まだ、[サブスクライブ] していないため表示されています。
VMware Cloud Console > インベントリ > 特定の vCenter Server を選択
こちらは、[VMware Cloud Console > インベントリ > SDDC > タイル表示] で、右側のタイルに表示されていた vCenter Server (vlc-w01-vc01.vlc.test) の [詳細表示] ボタンをクリックした画面です。
この画面で、[サマリ]、[イベント]、[コンプライアンス]、[メンテナンス]、[スーパーバイザー] ボタンをクリックする事で、選択した vCenter Server のそれらの情報を確認する事ができます。それぞれについては下図の中にある要約を参照してください。
ここでは、[サマリ]、[イベント]、[コンプライアンス]、[メンテナンス]、[スーパーバイザー] といった項目から、[メンテナンス] にある「vCenter Server のアップデート」機能について説明します。
「vCenter Server のアップデート」は、それぞれの vCenter Server の [インベントリ] の [メンテナンス] から行います。「vCenter Server のアップデート」機能を利用する場合、最初に「vCenter Server のアップデート」の “有効化” を行う必要があります。“有効化” では vCenter Server のネットワークの設定を構成するので、物理環境も含め、事前の準備が必要になります。詳細については、製品ドキュメントやブログ等を参照してください。この画面は、「vCenter Server のアップデート」の “有効化” を実行する前の画面です。
そして、この画面は、「vCenter Server のアップデート」の ”有効化” を実行した後の画面です。このまま、「vCenter Server のアップデート」を実行する場合は、[前提条件の確認] ボタンをクリックします。前提条件に問題がなければ、[今すぐ実行] ボタンがグレーアウトしている状態からクリックできる状態にかわるので、[今すぐ実行] ボタンをクリックして、[vCenter Server のアップデート] を開始します。
「vCenter Server のアップデート」が完了すると、この画面の様に [履歴] に実行履歴が表示されます。
VMware Cloud Console > サブスクリプション > サブスクリプション
次は、[サブスクリプション] です。[サブスクリプション] では組織で購入したサブスクリプションの情報が表示されます。
VMware Cloud Console > サブスクリプション > サブスクリプションの使用 (サブスクライブ前)
[サブスクリプションの使用] では、現在のサブスクリプションの使用状況を確認できます。こちらはサブスクライブする前の画面なので、vSphere+ の使用状況は、0 コアになっています。
VMware Cloud Console > サブスクリプション > サブスクリプションの使用 (サブスクライブ後)
サブスクライブすると表示が下図のようになります。[使用量の概要] では、環境全体で使用しているコア数の情報や、未使用のコア数の情報、超過分を含む請求可能な使用量を表示します。
また、[展開別の使用量] では、vCenter Server ごとに使用しているコア数の情報を表示します。
VMware Cloud Console > インフラストラクチャーの運用 > 概要
次は、[インフラストラクチャーの運用] です。[概要] では、vCenter Cloud Gateway に接続している全ての vCenter Server の [イベント]、[容量]、[セキュリティ] といった情報のサマリーを 1 画面で表示しています。
ユースケースとしては、vSphere+ に接続された異なる地域に分散した仮想インフラ全体を俯瞰し、[イベント]、[容量]、[セキュリティ] のページで詳細情報を確認、および、状態を把握して、必要に応じて対処を行う、といった操作が可能なことです。
VMware Cloud Console > インフラストラクチャーの運用 > イベント
[イベント] の左側には、過去 24 時間にトレンドになったイベントの種類を分析した結果がグラフで表示されます。
[イベント] の右側には、上位 10 件のイベントと過去 24 時間に最大数のイベントが発生した上位 10 件の vCenter Server が表示されます。
下にある表では、表示されているイベントをクリックすると考えられる原因や関連イベントなどの詳細情報が表示されます。
VMware Cloud Console > インフラストラクチャーの運用 > 容量
[容量] には、vCenter Cloud Gateway に接続されている vCenter Server に関連付けられた、全てのクラスタの使用量の監視、および、分析をした結果として、[概要] に全体的な “残り時間” と “残りのキャパシティ” の状態が表示されます。
[すべてのクラスタ] の表内にあるアイコンをクリックすると各クラスタの詳細情報が表示されます。
そして、[容量] から VMware Aria Operations を有効にする事ができます。つまり、ここから VMware Aria Operations のサブスクリプションを購入する事ができます。もしくは、いきなり購入というのも中々難しいと思いますので、その場合は、ここから無償評価版のリクエストを行う事ができます。
VMware Cloud Console > インフラストラクチャーの運用 > セキュリティ
[セキュリティ] の左側には、上位 5 つのセキュリティの問題が表示されます。
右側には、セキュリティの問題がカテゴリ別に表示されます。
下にある表では、表内のアイコンをクリックすると、影響を受ける vCenter Server とホスト、および、トラブルシューティングの情報が表示されます。そして、任意のホストを選択し、vSphere Client を起動して問題の修復に必要なアクションを実行できます。
VMware Cloud Console > 目的の状態構成
次は、[目的の状態構成] です。[目的の状態構成] では、すべての vCenter Server が望ましい状態の構成かどうかを確認する機能を提供します。最初に、vCenter Server のプロファイルを作成します。プロファイルは既存の vCenter Server から構成情報を抽出するか、JSON ファイルをインポートして作成します。次に作成したプロファイルを vCenter Server に割り当てます。そして、プロファイルを割り当てられた vCenter Server がプロファイルの構成と一致するかコンプライアンス・チェックを行います。コンプライアンス・チェックはスケジュール設定する事もできます。
vCenter Server プロファイルは、vSphere 7.0 から REST API で提供されている機能で vCenter Server の API Explorer から利用する事ができますが、VMware Cloud Console の [目的の状態構成] で提供されている分かりやすい UI から利用できるのは vSphere+ の 1 つの利点だと思います。
ユースケースですが、[目的の状態構成] では、vCenter Server のプロファイル使ったコンプライアンス・チェックが行えるので、全ての vCenter Server の構成を共通化する事でセキュリティ向上に繋がるのではないか、という事で 1 つ目の “セキュリティのチェック” をあげています。
1 つ目の “セキュリティのチェック” は、共通化している vCenter Server の構成に変更がなければ 1 回実施すればいいので、実施後は個々の vCenter Server でプロファイルを作成し、再割り当てを行い、コンプライアンス・チェックをスケジュール設定して、その vCenter Server の構成が変更されていないかどうか、という確認を日々行う、という事で 2 つ目の “構成変更のチェック” をあげています。
VMware Cloud Console > 仮想マシン
最後は [仮想マシン] です。[仮想マシン] では、現在接続している vCenter Server で展開されている仮想マシンと仮想アプライアンスのインベントリが表示されます。ここから、vSphere Client を起動して仮想マシンのインベントリへアクセスする事が出来ます。また、エンタープライズ・フェデレーションの設定が必要になりますが、仮想マシンの作成や電源操作を行う事が可能になります。同様にエンタープライズ・フェデレーションの設定が必要、かつ、VMware Cloud Disaster Recovery (VCDR) サブスクリプションをお持ちである必要がありますが、VMware Cloud Console から直接仮想マシンの保護を行う事が可能になります。
今回は、弊社パートナー様向けオンライン・イベントである EMPOWER ONLINE 2023 JAPAN の「vSphere+ テクニカル アップデート」セッションの内容から「VMware Cloud Console の機能紹介とユースケース」をピックアップしてご紹介させて頂きました。
今回は以上となります。
ーーー VMware vSphere+ のご紹介 シリーズ ーーー
VMware vSphere+ のご紹介 その① (概要)
VMware vSphere+ のご紹介 その② (オンボーディング)
VMware vSphere+ のご紹介 その③ (vCenter Server のアップデート)
VMware vSphere+ のご紹介 その④ (VMware Cloud Console の機能紹介とユースケース)
VMware vSphere+ のご紹介 その⑤ (vSphere+ の検証から得た TIPs の共有)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー