VMware Cloud on AWS クラウド

新しいホストタイプ「I4i インスタンス」の提供開始

VMware Cloud on AWS で利用できるホストに「I4i インスタンス」が追加され、2022年10月27日より提供を開始しました。ホストの選択肢が増えたことで、これまで以上にリソースやコストの要件に合わせながらクラウドサービスを利用できるようなります。

 

目次

 

 

 

I4i インスタンスの提供開始

今回 VMware Cloud on AWS に追加された「I4iインスタンス」は、既存の I3 インスタンスよりも2倍以上多くのリソースを搭載しています。コンピュートリソースを多く消費するワークロードや高トランザクションのデータベースなどに適しています。

尚、I4i インスタンスは VMware Cloud on AWS のサービスインフラである Software-Defined Data Center (SDDC) のバージョン 1.20 以上または 1.18 の最新バージョンで利用できます。

図1 VMware Cloud on AWS で選択可能なホストとスペック(2022年11月16日追記:I4i インスタンスの CPU スペックに誤りがありましたので訂正しました)

 

VMware Cloud on AWS の I4i インスタンスは、東京リージョンを含め12リージョンで提供されています(2022年10月現在)。尚、大阪リージョンでは現在提供されていない点にご注意ください。I4i インスタンスが提供されているリージョンについては、下記 FAQ サイトをご覧ください。[2023年6月 アップデート] 2023年5月より大阪リージョンでも提供を開始しました。

 

 

 

リソースとホストの選択

VMware Cloud on AWS では、初回導入時のホスト数を見積もるサイジングツールを提供しています。クラウド移行を検討する際に、移行対象のワークロードが必要とするリソースの総容量を入力することで、最適なホスト台数を簡単に算出することができます。例えば、移行対象のワークロード(仮想マシン)が必要とするリソースの平均が下記容量だと仮定してみましょう。

移行対象の仮想マシン(100台)平均リソース使用容量
 - vCPU:4
 - メモリ容量:32 GiB
 - ストレージ容量: 500 GiB

この値をサイジングツールに入力するとすぐに結果が出ます。計算を実行すると、I3 インスタンスであれば7台、I3en インスタンスであれば5台、I4i インスタンスであれば4台のホストで収容可能という結果が出ました(図2)。ちなみに、今回はサイジングツールの “Quick Sizer” メニューを選択し、パラメータは規定値をそのまま使用しています。

図2 ホスト台数の算出結果(サンプル)

 

ここで注目いただきたいのがリソースの使用率です。このサイジングツールでは、ホスト台数だけでなく消費するリソース容量も併せて確認できます。ホストの種類によって搭載されているリソース容量が異なるため、サイジングツールの結果から違いを把握することもできます。

サイジングの結果(図3)を見ると、I3 インスタンスではメモリとストレージの使用率が高く、ホストをもう1台追加しておいた方が良いと言えるレベルに達しています。また、CPU の使用率だけが低く、リソース消費に偏りがあります。

一方、I4i インスタンスは、他のホストと比べてリソース消費に偏りが少ないため、最もバランスが良いと言えます。リソース消費のバランスが良ければ仮想マシンを効率的に集約でき、必要なホスト台数を減らす効果が期待できます。リソース使用率の観点では、I4i インスタンスが最も有効な選択肢と言えそうです。

図3 ホストの種類によって異なるリソースの使用率

 

ただし、ホストの種類によって単価が異なるため、金額も比較した上でホストの種類を決めるのが一般的です。また、可用性の要件によっては、ホストの二重障害やアマゾン ウェブ サービス(AWS)の Availability Zone 障害に耐えうる仕組みが必要とされる場合があります。それらの要件を加味すると算出結果が変わりますので、その点もご配慮ください。サイジングについては、下記ブログもご覧ください。

 

 

 

まとめ

VMware Cloud on AWS はお客様のニーズを取り込み、より利用しやすいサービスを提供できるように開発を進めています。今回ホストの選択肢が増えたことで、お客様はこれまでよりもリソース使用率の不均衡を回避してコストを最適化できます。今後も VMware Cloud on AWS の進化にご期待ください。

 

 

 

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