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Amazon FSx for NetApp ONTAP 向け VPC Peering 接続をサポート

VMware Cloud on AWS 環境のデータストアとしてアマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供する「Amazon FSx for NetApp ONTAP」が利用できます。このサービスを利用する構成で Amazon VPC 同士を接続する「VPC Peering」がサポートされたため、これまで以上にデータ転送コストを抑えて FSx for NetApp ONTAP が利用できるようになりました。今回はこの VPC Peering 接続についてお伝えします。

 

目次

 

 

 

データストアとしての Amazon FSx for NetApp ONTAP の活用

VMware Cloud on AWS は、Software-Defined Data Center(SDDC)環境をクラウドインフラとして提供するサービスです。お客様は SDDC に展開される vSphere クラスタのリソースを利用します。仮想マシンが利用するデータストア(ストレージ領域)は vSAN(物理ホストに搭載されているディスク領域を使用)で構成されています。一方、データストアが足りない場合は、外部のクラウドストレージサービスを利用することもできます(図1)。

図1 VMware Cloud on AWS のデータストア

 

図1の通り、VMware Cloud on AWS では vSAN 以外に二種類のクラウドストレージサービスを利用できます。1つは VMware が提供する「VMware Cloud Flex Storage」です。詳細は、ブログ「VMware Cloud Flex Storage とは」および「VMware Cloud Flex Storage の構成パターン」をご覧ください。もう1つは AWS が提供する「Amazon FSx for NetApp ONTAP」です。このサービスはブロックストレージやファイルストレージを提供するサービスです。VMware Cloud on AWS 環境では、主にデータストアのストレージとして利用できます。詳細は、ブログ「Amazon FSx for NetApp ONTAP を VMware Cloud on AWS のデータストアとしてサポート」をご覧ください。

データストアだけ追加すれば、物理ホストを追加することなくストレージリソースだけ増やすことができます。ストレージを多く必要とする環境でコスト抑制効果が期待できます。

 

 

 

VPC Peering 接続をサポート

VMware Cloud on AWS の SDDC 環境は、VMware が管理する Amazon VPC に展開されています。Amazon FSx for NetApp ONTAP を VMware Cloud on AWS のデータストアとして利用する場合、VMware Cloud on AWS が提供するネットワークサービス「VMware Managed Transit Gateway (VTGW)」を経由して、互いの VPC 同士を接続することが必要でした(図2)。詳細は過去のブログ「Amazon FSx for NetApp ONTAP で NFS データストアを構成する方法」をご覧ください。

図2 VMware Managed Transit Gateway による Amazon FSx for NetApp ONTAP の接続イメージ

 

今後は VTGW を利用せずに、VPC 同士を直接接続する仕組み「VPC Peering」による接続も選択できるようになりました(図3)。この VPC Peering 接続は、VMware Cloud on AWS の SDDC バージョン 1.20 以上の環境で利用できます。詳細はリリースノートをご覧ください。

図3 VPC Peering による Amazon FSx for NetApp ONTAP の接続イメージ

 

前述の通り、VPC Peering 接続を利用する場合、VMware が管理する SDDC 用の VPC と お客様が管理する Amazon FSx for NetApp ONTAP 向けの VPC を接続します。この構成では以下のサービス仕様(サポート条件)ご留意下さい。

  • Amazon FSx for NetApp ONTAP 側のノード構成は、シングルAZ構成のみサポートされます(マルチ AZ ノード構成はサポートされていません)
  • VMware Cloud on AWS の SDDC 作成時に構成される「Connected VPC」に Amazon FSx for NetApp ONTAP を展開して利用することは推奨されておらず、データストア向け VPC Peering 接続もサポートされていません

 

 

 

これはお得!ネットワーク転送コストが無料

VPC Peering 接続を利用する最大のメリットは、ストレージ I/O で発生するネットワーク転送コストを削減できることです。この構成では、VMware Cloud on AWS と Amazon FSx for NetApp ONTAP 間で発生する VPC 間のデータ転送料金は発生しません(図4)。ストレージアクセスにはデータ転送が多く発生する傾向があります。今回サポートされた VCP Peering 接続であれば、従来の VTGW による接続構成よりも大幅なコスト削減が期待できます。

図4 ネットワーク転送コストが発生しない VPC Peering 接続構成

 

 

 

まとめ

今回は、データストアとして Amazon FSx for NetApp ONTAP を利用する際の新しい接続構成「VPC Peering」についてお伝えしました。VMware Cloud on AWS を利用する際、ストレージデータを外部のストレージサービスと併用することで、ストレージに関連するコストを削減する効果が期待できる場合があります。ぜひこれらのサービスをご活用ください。

尚、2023年10月より Amazon FSx for NetApp ONTAP は大阪リージョンでも提供が開始されました(発表内容はこちら)。当然ながら VMware Cloud on AWS から接続して利用できますので、こちらも併せてご検討ください!

 

 

 

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