Workspace ONE デジタル ワークスペース

従業員のデジタル体験(DEX) で働き方の未来を変える:2023 Gartner Digital Workplace Summit で発表されたWorkspace ONE 新機能

 

———————————————————————————————————————————————————————————–

本稿は 2023 年 6 月 12 日に VMware Blog のブログに投稿された「Changing the future of work with digital employee experience solutions: Workspace ONE announcements from the 2023 Gartner Digital Workplace Summit」の抄訳です。

投稿者:マーシャル・アン・ブスビー (Marshall Anne Busbee)

———————————————————————————————————————————————————————————–

VMware は生産性を向上させ、迅速な問題解決と従業員のエンゲージメント向上を実現するために、統合された総合的なソリューションの提供を可能にする Workspace ONE デジタル従業員体験(DEX) ソリューションの新機能を発表しました。

Workspace ONE デジタル従業員体験は、VMwareのAnywhere Workspaceプラットフォームの重要な柱であり、ハイブリッドワークの実現と現場のワークフォースの強化を支援します。今回 DEX for Horizon、Workspace ONE で管理していないデバイスへのDEX、およびガイド付き根本原因分析 (RCA) が一般に提供され、さらにServiceNow向けのITSM Connectorの拡張も計画されています。

 

現代の企業が抱えるデジタル従業員体験の課題トップ3

DEXへの投資は、企業が従業員の高いエンゲージメントと生産性を確保するために必要なものです。デジタル体験の観点から現在の環境のままでは企業に悪影響を与えている課題が3つあります。

  1. ITチームは積極的に業務を遂行することができない。従業員体験に影響を与える問題を事前に把握することができない。さらには従業員から寄せられるあらゆる問題に対して、対応が追い付かず人員や時間の限界を超えた業務負荷が求められ、現在のリソースでは、業務遂行が実現不可能となっている。 

  2. サービスデスク部門へ権限が与えられていない。ヘルプデスクのスタッフは従業員との最初のコミュニケーションの窓口であるにもかかわらず、より迅速な問題解決に役立つリモートでデータを計測・収集する機能や、リモートサポートするための権限を持っていません。これによりさらに問題解決に時間がかかってしまい、なかなか解決されない従業員は何度も同じ内容のチケットを起票している。

  3. 従業員はITの問題により生産性が低下している。IT部門が問題解決に時間を要すると、作業の中断などが発生し、従業員の貴重な時間が浪費される可能性があります。さらに、チケットを起票してもIT部門が問題を迅速かつ効率的に解決してくれるという保証の期待が持てないため、“声なき声・静かな苦しみ”が発生しています。

企業がこれらの課題を解決するためには、包括的なDEX(デジタル従業員体験) ソリューションが必要です。VMwareのDEXのアプローチはユニークで、従業員体験を測定・分析し、AIによる問題の根本原因に関する洞察をITチームへ提供することに重点を置いています。さらに、従業員体験に影響を与える問題の修復を自動化し、その修復された環境を継続的に従業員に提供することができるツールを提供します。

このフィードバックを取り補正を加える“クローズドループ”により、ITチームはよりプロアクティブかつ効率的になると同時に、全従業員の生産性向上が高まります。

また、「問題を早期に発見し、修正する(シフトレフト) 」には、サービスデスク部門へ従業員体験関連のデータを計測・収集する機能や、リモートサポートするための権限を与える必要があります。

もし支援が必要な従業員と最初のコミュニケーションを行うことが多いサービスデスクス部門がより多くの問題を解決できるようになれば、IT部門へのエスカレーションの回数は減少し、ITアーキテクトや管理者は目標やビジネスの成長に集中し革新的なソリューションの構築に専念することができます。

VMware の Anywhere Workspace をすべての企業に実現するために、当社はエクスペリエンス管理を統合、配信、測定、分析、修復の機能を様々なデバイスやプラットフォーム、そしてユースケースに適用する方法に注力してきました。

従業員は、作業するデバイスによって異なるエクスペリエンスを期待しているわけではないので、IT部門はサイロ化されたエクスペリエンス管理を行うべきではありません。

 

なぜ、VMware Workspace ONEの新機能が現代のDEX課題に適切なのか。

 

DEX for Horizon

Horizonのエクスペリエンス管理は、ますます重要な課題となっています。Workspace ONE Intelligent Hub、Hub Service、およびAssist for Horizonは、現在ご利用いただけるようになっており、従業員のライフサイクルサービス、コミュニケーション、およびリモートサポート機能を提供できるようになりました。

Horizonの顧客に対してエクスペリエンスの監視をするために、DEEM(デジタル従業員エクスペリエンス管理) がHorizon向けに一般提供されています。

DEX for Horizon により、管理者はログオン時間、VDIパフォーマンスなどを網羅するエクスペリエンススコアを表示することができます。

さらに、Freestyle Orchestrator を使用することで、エクスペリエンススコアが一定の閾値を下回った場合に自動的にアラートを起動することができます。詳細はこちらのブログをご覧ください。

DEEM for Horizon Overview

 

DEX for third-party managed devices

新機能のVMwareのDEXソリューションは、すべてのコンポーネントが、Workspace ONE Unified Endpoint Management(UEM) 管理またはサードパーティによる管理かを問わず、あらゆるWindowsデバイスで利用できるようになりました。これにより、Workspace ONE Intelligent Hub、Hub services, Assist remote supportを含むVMwareのDEX製品全体をサードパーティ管理下のデバイスでも利用できます。

ITチームはDEEMを使用してこれらのWindowsデバイスでエクスペリエンスを測定・分析することができるようになりました。さらに、Workspace ONE Marketplaceで利用可能な幅広いスクリプトやセンサーを活用して問題の修復ができます。

始めてこの機能を利用した顧客は、わずか1週間で数百台のデバイスをパイロット運用でき、そこで得られる貴重な洞察によって、自分たちが気づいていなかったエクスペリエンスの問題を解決することができました。

 

ガイド付き根本原因分析(RCA) の一般提供

現在一般提供が開始されたガイド付き根本原因分析では、AIを使用して、関連する信頼スコアとともに問題の根本原因の可能性の高いものを特定します。これにより、問題発生源のためのデータ分析に費やす時間と労力を削減し、適切な修復アクションに集中することで、IT管理者の生産性を向上させます。ガイド付きRCAとAIを活用した洞察、そしてFreestyle Orchestratorを組み合わせることで、管理者はAIを活用した新しいスタックを構築し、これまで以上に効率的に監視、問題解決、修復を行うことができます。

Guided Root Cause Analysis and Remediation

ITSM コネクタの機能強化

VMwareは、ITヘルプデスクにより多くの洞察と問題解決の選択肢を提供するため、ITSM Connector for ServiceNowのアップデートを計画しています。

ヘルプデスク部門は、ユーザーのエクスペリエンススコアをチケット内で提供されることで、従業員のエクスペリエンスに影響を及ぼす新たな問題を事前に解決するための情報をより多く得ることができます。

サービスデスク部門の技術者は、問題解決のためにWorkspace ONE Assistセッションを開始したり、Workspace ONE Unified Endpoint Management(UEM) 管理アクションの拡張セットを実行したり、事前に設定されたFreestyle Orchestratorワークフローを実行することができます。

IT管理者は、ヘルプデスクの知識やランブックを必要とせずに、これらのワークフローを使用して問題の対応手順を自動化することができます。

 

DEX ROI をさらに向上させる Workspace ONE 製品の機能強化

 

この持続的なイノベーションとソリューションの向上により、フロントライン、製造業、公共部門を含むすべての組織において、明確なROIを示す機会が広がります。Workspace ONEがそれぞれの環境で従業員のデジタル体験(DEX) を向上させるための3つのユースケースと詳細をご紹介します。

  • フロントラインのWorkspace ONE使用例

最前線で働く従業員を持つ組織では、フロントラインソリューションのダッシュボードを活用して、共有デバイスの状態確認、デバイスの紛失回避、業務上の重要なアプリケーションの品質に問題がないことを確認することができます。年間を通じて、デバイスの盗難により数百万ドルのデバイス交換コストが発生しています。

DEXのダッシュボードを利用すると、デバイスのチェックアウト状況やデバイスの位置情報、勤務後にデバイスが返却されていない場合には店舗マネージャーに警告を通知することでこの問題を回避できるようになりました。多くの小売企業が、POS機能をモバイルアプリケーション内に統合する方向にシフトしています。チェックアウト機能の遅延やダウンタイムを迅速に特定できることは収益損失を最小限に抑えることに繋がります。

カスタムアプリ内のユーザーフローのモニタリングにより、IT部門は警告と予防対策を設定して、問題を確実に認識・対処することができます。

 

  • 製造業のWorkspace ONEの使用例

製造業では、Workspace ONE Modern Managementの導入とDEXソリューションを組み合わせることで、デバイスのクラッシュ問題に関する情報を得ることができ、その結果として問題原因に関する仮説を検証し、Freestyle Orchestratorを使用して大規模な対策を実施することができます。手作業によるトラブルシューティングの手間を省くことで、エンジニアリング時間を削減できます。

 

  • 公共サービス機関のWorkspace ONEの使用例

公共サービス機関は、スマートフォンを活用して業務を運営しています。Workspace ONEによって提供される統合アプローチにより、IT部門とサービスデスクチームは従業員の生産性に影響を与える問題の可視性ができ、簡素化されたトラブルシューティングや自動対応の対策を実施することができます。これにより、サービスデスクはSLAの向上を実現し、IT部門は他の課題に取り組むことができるようになります。

 

VMware DEX ソリューションの詳細

今回の製品強化により、データ主導型のプロアクティブな IT アプローチへの移行を支援する、包括的で拡張可能なデジタル従業員体験ソリューションを提供するための投資を強化しています。

さまざまな業界やユースケースでの当社のソリューションの成功を喜んでおり、実際の投資対効果(ROI)をもたらしています。

VMwareの統合DEXソリューションは、ハイブリッドワークの時代においてIT部門、従業員、サービスデスク部門が直面する生産性や効率性を阻むさまざまな課題に対して多くの解決策や改善策を提供し、効果的に業務を遂行できる機会を提供しています。

DEXソリューション・アーキテクチャの詳細については、TechZoneソリューションのウェブページをご覧ください。優れたデジタル従業員体験のメリットについては、こちらをご覧ください。