2021年7〜8月に VMware Cloud Disaster Recovery に関する新しい機能追加や拡張がリリースされました。その中から主なものをピックアップしてご紹介します。今回のアップデートでは、評価用の料金体系や TCO 試算ツールのリリースほか、既存 VMware Cloud on AWS 環境のサポートが追加され、さらに VMware Cloud Disaster Recovery が導入しやすくなりました!
目次
- 評価用の料金体系をリリース
- TCO 試算ツールをリリース
- VMware Cloud on AWS から 展開済みの SDDC をサポート
- リカバリ対象が最大 2500 VM に拡大
- スムーズな導入を支援する「Launchpad」を拡充
- まとめ
評価用の料金体系をリリース
2021年4月より、VMware Cloud Disaster Recovery の評価用の時間単位 オンデマンド課金が追加されました。
これまで VMware Cloud Disaster Recovery を利用いただく場合、たとえ評価目的であっても1年または3年間のサブスクリプションの契約が必要でした。現在では、評価目的であればサブスクリプションを契約せず、VMware Cloud Disaster Recovery を試用することができます。例えば、2ヶ月間などの短い期間の予算を確保すれば、従来よりも低い予算で検証できるようになります。また、この評価用料金は8月よりアマゾンウェブサービス(AWS)の販売ルートからも提供可能になりました(図1)。
図1 VMware Cloud Disaster Recovery の評価用料金
尚、この評価用料金は課金対象の条件(保護対象は最大 5TiB のデータ容量と 最大 25 台までの仮想マシン数など)が定義されていますのでご留意ください。料金体系の詳細については、オフィシャルサイトまたは弊社営業担当にお尋ねください。
TCO 試算ツールをリリース
VMware Cloud Disaster Recovery を採用するメリットの一つが「コスト削減」です。その削減効果を具体的な数字で確認できる試算するツール「TCO 試算ツール」をリリースしました(図2)。
図2 VMware Cloud Disaster Recovery の TCO 試算ツール
Web で公開している TCO 試算ツールにアクセスし、仮想マシン数や使用リージョンなどいくつかの条件を定義すれば、その場で直ぐに結果が表示されます。結果はレポートとしてメールでも送信されます(図3)。
図3 TCO 試算結果レポートサンプル
従来の災害対策方式と VMware Cloud Disaster Recovery の TCO を定量的に比較できるので、採用可否の判断材料としても活用できます。いつでも気軽に試算できるので、ぜひご活用ください!
VMware Cloud on AWS から展開済みの SDDC をサポート
VMware Cloud Disaster Recovery はオンデマンドで クラウド上に SDDC 環境を展開し、それをリカバリサイトとして使用できる DRaaS です。これまでリカバリサイトとして使用する SDDC は、VMware Cloud Disaster Recovery の管理 UI から展開する必要がありました。今後は、VMware Cloud on AWS のユーザーが展開した SDDC(既に使用している SDDC を含む)を後から VMware Cloud Disaster Recovery のリカバリサイトとして登録・使用することが可能になりました(図4)。
図4 VMware Cloud on AWS から展開した SDDC をサポート
VMware Cloud on AWS のユーザーは、既に使用中の SDDC もリカバリサイトとして活用できるようになるため、後からオンプレミスの災害対策も導入できます。例えば、オンプレミスや AWS と接続している VMware Cloud on AWS の SDDC 環境を利用している場合、後から VMware Cloud Disaster Recovery を採用しても既設ネットワークをそのまま活用した災害対策を実現できます(図5)。既存のクラウド環境を利用することで素早くスムーズに災害対策を採用でき、導入までの時間短縮や投資を最適化する効果が期待できます。
図5 VMware Cloud on AWS ユーザーはスムーズな災害対策の採用が可能に
尚、リカバリサイトとして登録された SDDC 環境に構成変更(クラスタやホストの追加/削除など)が発生しても、VMware Cloud Disaster Recovery はその変更を自動的に検知します。 この仕組みは、いつでも安全かつ確実にフェイルオーバーを実行するために必要不可欠な機能であり、VMware Cloud Disaster Recovery のユーザーが得られるメリットの一つです。
リカバリ対象が最大 2500 VM に拡大
リカバリ対象とする仮想マシンの最大数が拡張されました。これまでは最大 1500台までの仮想マシンを「DR プラン(フェイルオーバー条件の定義)」に含めることができましたが、今後は保護対象として最大 2500台の仮想マシンを含めることができます。今回のアップデートで、より大規模な環境をリカバリ対象として含めることが可能になりました。 最大構成の詳細は「VMware Configuration Maximum tool」をご覧ください。
図6 VMware Cloud Disaster Recovery の最大構成
スムーズな導入を支援する「Launchpad」を拡充
VMware Cloud サービスの管理 UI である「VMware Cloud Console」には、各種サービスの導入を支援するポータルサイト「Launchpad」が準備されています。今回のアップデートで VMware Cloud Disaster Recovery が Launchpad に追加されました(図7)。
このポータルサイトには、VMware Cloud Disaster Recovery の導入担当者がそれぞれのステージ(学習、計画および評価)で必要とする情報を分かりやすく掲載しています。導入までの流れや押さえるべきポイントを把握することができるため、担当者は迷わずにプランニングできるようになります。
図7 VMware Cloud Disaster Recovery 向け Launchpad 画面サンプル
まとめ
今回のアップデートでは、クラウドを活用した災害対策がより導入しやすくなる仕組みがリリースされました。評価用の料金体系によって安価に検証することができますので、ぜひご検討ください!
関連情報リンク
- VMware Cloud Disaster Recovery リリースノート
- VMware Cloud Disaster Recovery マニュアル
- VMware Cloud Disaster Recovery TCO 試算ツール
- ブログ「VMware の DRaaS “VMware Cloud Disaster Recovery”」
- ブログ「VMware Cloud Disaster Recovery の発表」
- ブログ「オンデマンドな災害対策 VMware Cloud Disaster Recovery -パート1-」
- ブログ「VMware Cloud Disaster Recovery の最新アップデート(2021年4月)」
- ブログ「VMware Cloud Disaster Recovery の最新アップデート(2021年6月)」