クラウド VMware Cloud on AWS

VMware Cloud Disaster Recovery の最新アップデート(2021年4月)

クラウドを活用した災害対策ソリューションである「VMware Cloud Disaster Recovery」で機能拡張の発表と価格変更がアナウンスされました。進化を続ける VMware Cloud Disaster Recovery の最新情報をお届けします。

 

 

大幅にダウンしたサービス価格

2021年4月1日より、VMware Cloud Disaster Recovery のサービス価格を大幅に値下げ(データ容量が従来価格より47%値下げ)しました!これでよりも手軽にご使用いただけるようになりました。

ちなみに、VMware Cloud Disaster Recovery の価格体系ですが、災害対策として保護する仮想マシンの数とその仮想マシンのデータ容量に対してそれぞれ単価が設定されています(図1)。今回の値下げは、この二つの価格に対して適用されました。具体的な価格は「VMware Cloud Disaster Recovery – Pricing」をご覧ください。

一方、VMware Cloud Disaster Recovery のリカバリサイトとして活用する VMware Cloud on AWS の価格(SDDC を構成するホストあたりの単価)に変更はありません。

図1  VMware Cloud Disaster Recovery サービスの課金対象と価格変更

 

 

東京リージョンで使用可能に!

2021年1月より東京リージョンでも VMware Cloud Disaster Recovery が使用可能になりました。今後はリカバリサイトとして国内のリージョンが使用できます。また、3月よりソウルとサンパウロ、ストックホルムも使用可能になりました(図2)。

リージョンと言えば、先日アマゾンウェブサービス(AWS)が大阪リージョンの開設を発表しましたが (発表内容はこちら)、VMware Cloud on AWS も将来大阪リージョンで使用可能になる計画があります。同様に、VMware Cloud Disaster Recovery も大阪リージョンで使用可能になる日を期待したいところです。

図2   VMware Cloud Disaster Recovery が使用可能なリージョン(2021年4月現在)

 

 

機能拡張でさらに柔軟性が向上!

VMware Cloud Disaster Recovery は、次々と機能拡張が実施されています。ここでは、2020年 11月以降にリリースされた機能拡張について、一部抜粋してご紹介します。

 

 

クラウド間構成をサポート

VMware Cloud Disaster Recovery は、オンプレミスのワークロードをクラウド(VMware Cloud on AWS)にリカバリできますが、今後は VMware Cloud on AWS 間でも災害対策が構成できるようになりました(図3)。

図3  VMware Cloud Disaster Recovery のサイト構成パターン

 

収容能力の拡張

VMware Cloud Disaster Recovery では、そのサービスインフラを「インスタンス」と呼ぶ単位で構成しています。一つのインスタンスに一つのクラウドストレージ(Scale-out Cloud Filesystem)が存在しています。これまでは、一つの契約で一つのインスタンスしか構成できませんでしたが、今後は複数のインスタンスが構成できるようになりました(図4)。これによって、従来よりも収容能力を持つようになり、拡張性が向上しました。尚、VMware Cloud Disaster Recovery の最大構成については「VMware Configuration Maximums」をご覧ください。

図4  収容能力が拡張した VMware Cloud Disaster Recovery

 

最小 2 ホストから構成可能に

これまで、リカバリサイトであるVMware Cloud on AWS の SDDC を構成するホストは最低 3台必要でした。しかし、今後は最低 2台で構成できるようになりました(図5)。これによって、比較的規模の小さな環境のお客様にとってもコストを抑えて使用できるようになりました。

 

ホストタイプ「i3en.metal」をサポート

リカバリサイトの SDDC を構成するホストタイプは「i3.metal」だけでしたが、今後は「i3en.metal」も使用できるようになりました(図5)。

 

複数のクラスタ構成をサポート

リカバリサイトの SDDC では、これまで一つのクラスタ構成しかサポートされていませんでした。今後は複数のクラスタが構成できるようになりました(図5)。これによって、クラスタ毎に用途の異なるアプリケーションを分けるなど、より柔軟かつ適切にワークロードの配置できるようになります。

図5  VMware Cloud Disaster Recovery における SDDC 構成の選択肢

 

仮想マシンタグを使用した保護グループの構成

VMware Cloud Disaster Recovery で保護対象の仮想マシンをグループ化する時、仮想マシンのタグをベースとしたグループを作成できる機能が追加されました。タグで仮想マシンを管理しているお客様にとっては、災害対策でも既存の運用に沿った管理ができるようになりました。

 

リカバリ時の仮想マシンタグを保持

現在、オンプレミスで仮想マシンにタグを付与して運用している場合、予めリカバリサイト(VMware Cloud on AWS)でも同じタグと属性を定義しておくことで、リカバリサイトへフェイルオーバーしても仮想マシンのタグが維持される機能が追加されました。

 

vSphere 7.0 をサポート

VMware Cloud Disaster Recovery の保護サイト(本番サイト)の vSphere バージョンにおいて、「vSphere バージョン 7.0」がサポートされました。詳細は「VMware  Products Interoperability Matrix」にてご確認ください。

 

ここでは紹介できなかった機能拡張を含め、上記内容はリリースノート「VMware Cloud on AWS」に掲載されていますので、併せてご覧ください。

 

 

まとめ

VMware Cloud on AWS の SDDC を活用する災害対策クラウドサービス「VMware Cloud Disaster Recovery」は、今後も多くの機能拡張が予定されており、さらに使いやすくなります。事業継続計画の見直しと併せて、ぜひ災害対策のクラウド化もご検討ください!

 

 

関連情報リンク