はじめまして、VMware TAM の菅井です。
本文ではオンプレミスからクラウド基盤の管理にご利用いただける vRealize Operations Manager (以降vROps)であまり知られていない且つ業務が楽になる活用方法をお客様の事例も交えご紹介できたらと思います。
前回の記事はこちらから
皆様の通常業務での課題とはどういった事でしょうか?
実際のお話ですが、お客様にてある時システムのご利用者様から「1時間前にシステムが健全では無かったように思える、調査可能でしょうか」とのお問い合わせがあったそうです。しかしながら、以前の状態がおかしかったかどうかを数百を超える仮想マシンの中から大体の発生時間から探すというのはあまりに途方も無い様な調査に思えました。
そこで、”システムがおかしい=健全性が低下している”と仮定し、その健全性が低下している仮想マシンを調査する、その仕組の実装をご提案してみました。具体的には以下のような要件を考えました
- すべての仮想マシンを一度に表示する
- そこには健全性が表示されている
- 時間を巻き戻して一度に見る事が出来る
健全性とは、対象のオブジェクト(この場合仮想マシン)のメトリックやアラート数等の数値を総合的に内部計算した 0-100 の数値です。
単純に0は良くない、100 は良い、と考えておきましょう。
この状態を視認する為に、vROps のダッシュボードから、”ウェザーマップ” を試験的に実装するに至ったのです。
ウェザーマップとは、任意の範囲のオブジェクト(仮想マシンやホストなど)を一定の方形で並べた図が用意され、任意のメトリック状態で色分けする事が出来、一定時間まで遡及してみる事が出来る機能です。
それでは実際に作りかたを追ってみましょう。
まずは新しくダッシュボードを作成します。ダッシュボードの名前はわかりやすく自由に決めておきましょう。
ウェザーマップのウィジェットを探してドラッグアンドドロップでダッシュボードに載せます。
ウィジェットを調整しここでは仮想マシンの健全性を表示させましょう。(その他にも様々な任意のメトリックで表示させる事ができます)
今回の場合では一時的な監視の為のざっくりな判断ができれば良いという要件にそってこの様なスコアを表示させています。
他のお客様のご用件の場合によっては CPU の数値やメモリの数値であるかも知れません。
編集ボタンを押して構成画面を開きます。
まずは表示色などを任意に決めておきます。今回健全性スコアは 100 が良いとされているので
緑色を100に設定しておきます。
次は対象のオブジェクトを決めます。今回は仮想マシンを設定します。
その他にはデータストアも対象に含める事が出来ます。
管理対象を決めたら、視覚化対象のメトリックを設定します。
設定を終え保存を押して完了です。
ここまで実施すると以下のダッシュボードが出来ました。
それでは、いざ、ダッシュボード下部の時間スライダーをクリックして左右動かします。
すると、あるオブジェクトがある時間を境に色が変化するのがわかります。どうやら事象の原因の様ですので、今後調査対象とします。
と、この様な使い方を想定してみました。今後調整をしながら利便性の向上を議論・検討していく事になるかと思われます。
今回はほんの一例としてあるお客様のお悩みと vROps の関連付けをご紹介いたしました。
このお客様での事例の様に、ある程度ざっくりしたご要望ご依頼や課題でもお伺いできればvROpsへの実装が可能な場合がありますので、TAM 担当にお悩み等是非ご相談ください。