2回目:ビューの活用方法 ①
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#1…最新のV4Hが使いやすくなっている!
#2…ビューの活用方法①
#3…ビューの活用方法②
#4…レポートの活用方法
#5…vRealize Log Insightとの連携
#6…V4HでHorizon RDSホストの監視
こんにちは、ソフトバンク コマース&サービスの中川明美です。
突然ですが、「ビューを制する者は、vROpsを制する」と私は思っています(笑)
vROpsは、「健全性」「リスク」「効率」スコアの色から、容易に状況を把握できるのがメリットの1つです。とは言うものの、詳細なデータを使用して分析したい場合は、ぜひ「ビュー」を活用してみてください。
今回のビュー①ではビューのノウハウを、次回のビュー②ではカスタムビューの活用方法をご紹介します
◆ビューの管理画面◆
ナビゲーションパネルの「コンテンツ」ボタンをクリックします。メニューから「ビュー」をクリックし、ビューの管理画面を表示します。この画面で、カスタムビューの作成/編集/削除を行います。
下図は、「CPU(赤点線枠)」で検索し、CPUに関連する標準のビューを表示しています。
タスクが終われば、フィルタに赤い×が付いているボタン(青点線枠)をクリックし、検索を解除してください。フィルタが反映された状態では、すべてのビューが表示されず、慌てることになります(笑)。お気をつけください。
◆任意のオブジェクトのビュー◆
次に、任意のオブジェクトのビューを表示します。ここでは対象をクラスタとします。
「環境」ボタン→「イベントツリー」→「vSphere ホストおよびクラスタ」→「vCenter 」→「クラスタ」とドリルダウンします。該当のクラスタを選択後、「詳細」タブ→「ビュー」をクリックし、クラスタに関連するビューを表示します。
<リスト形式のビュー>
下図の「ホストのCPU診断リスト」は、私が仮想化健康診断で報告書を作成する際に、よく使用しているリスト形式のビューです。「タイプ」に「リスト」と明示しています。
このビューでは、パフォーマンスとキャパシティに関するメトリックである、「競合(%)」「デマンド(GHz)」「使用量(GHz)」などの数値を並べて確認することができます。
上図は、使用量よりデマンドが多く、さらに競合率も15%を超えています。この値から、リソースの競合により、パフォーマンス劣化が生じていることがわかります。
このBlogの環境はクラスタに1台のESXiホストですが、複数のESXiホストを追加している場合は、各ESXiホストの状態を比較することもできます。
1回目のBlogで「空きリソースがあるESXiホストに仮想マシンを移行する」と対応方法を紹介しました。空きリソースがあるESXiホストを確認する場合に、この診断リストを使用すると調査が簡単です。
<グラフ形式のビュー>
グラフ形式のビューは、時系列で状況を確認することができます。
下図は、「クラスタのCPUデマンド予測トレンド」ビューを選択しています。過去から現在のデマンドと、未来(30日間)の予測デマンドを表示します。
中央の▲(赤点線枠)をドラッグすると、グラフを拡大表示することができます。
◆ちょっとした表示のコツ◆
グラフ形式の表示に関する”コツ”をご紹介します。
<表示/非表示>
「クラスタのCPUデマンド予測トレンド」ビューは、7つの凡例(項目名)があります。
下図は、項目名の「クラスタのCPUデマンド予測トレンド – 構成済みキャパシティ」を選択しています。項目名をクリックすると、名前とグラフが強調表示されます。
さらにもう1回クリックすると、「非表示」になります。非表示の状態でクリックすると、再表示されます。
下図は、「構成済みキャパシティ」「使用可能なキャパシティ」「Rawデマンド」を非表示にし、「ストレスなしのデマンド」のみを表示しています。必要なデータだけを表示できますから、分析しやすいですね。このグラフから、7月はデマンドの値が増加していますが、8月から減少し、今後30日間はさらに低くなる傾向を読み取れます。
<詳細表示>
下図は、任意の仮想マシンの「仮想マシンのCPU診断」ビューです。「ホストのCPU診断リスト」と同様の項目を、時系列で表示することができます。
ある時点をポイントすると、凡例(項目名)の具体的な数値を確認することができます。
次に、ポイントしたままドラッグすると、表示の時間間隔を短くすることができます。
下図は、上図でドラッグした範囲が10分刻みで表示されています。元に戻したい場合は、右上の「ズームのリセット(赤点線枠)」をクリックします。
このグラフから、20分おきに、「デマンド」「使用量」「準備完了」の値が上昇していることがわかります。仮想マシンはCPUを要求しているけれども、リソース不足のため、同時にCPUの待ちが発生していると判断できます。この期間はパフォーマンス劣化が生じていますね。
たとえば、この仮想マシンを使用しているユーザーからクレームがあれば、診断ビューの日時と照らし合わせ、原因を調査することができます。
◆ビューの日付範囲◆
多くのビューは、過去7日間の範囲で表示されます。カレンダーのアイコン(赤枠)をクリックすると、表示データの日付範囲を変更することができます。
相対的な日付範囲は、「分」「時」「日」「週」「月」「年」の間隔で指定できます。また、開始と終了を指定して期間設定することもできます。
◆CSVとしてエクスポート◆
「ビューのデータを保存すること、または印刷することはできますか」と質問を受けることが多々あります。印刷は、そのビューを元に作成された「レポート」機能を使うのが簡単です。ビューには、「CSVとしてエクスポート」という機能があります。この機能を使用すれば、エクスポートしたデータの保存、好みのレイアウトの印刷を行うことができます。
下図は、エクスポートしたデータをメモ帳で開いたものです。
1つ注意点があります。vROpsのCSVファイルは、UTF-8形式で保存されます。Excelを利用する場合は、「データ」メニューから「テキストファイル」を選択し、UTF-8形式でインポートしてください。下図のような文字化けを回避できます。
◆まとめ◆
今回は”ちょっとしたコツ”を含めた、ビューの活用方法をご紹介しました。
過去データから、トラブルの原因などを調査する際に威力を発揮します。データの表示間隔や日付も指定でき、データを柔軟に表示できるのは便利ですね。
ビューは、このBlogで紹介した「ビュー画面」で使用する場面もありますし、ダッシュボードやレポートの元データとして使用する場面もあります。後者はカスタムビューで対応することが多くなります。
次回は、そのカスタムビューの作成方法と活用方法をご紹介します。お楽しみに!
ソフトバンクC&SのサイトでvROpsを使用した仮想化健康診断の事例を紹介しています。ここでは、「vSphere環境を運用管理している方が何に困っているのか」「その困ったことにパートナーのみなさまがどのようにアプローチされているのか」を載せています。
インタビュー形式で構成しています。ぜひお仕事に役立つ情報を手に入れてください!