Tanzu アプリケーションのモダナイゼーション

ヴイエムウェア、 Application Transformer for VMware Tanzu をリリース

ヴイエムウェア、 Application Transformer for VMware Tanzu をリリース

~ vSphere 上で稼働するアプリケーションをコンテナに変換し Kubernetes で実行

 

ヴイエムウェアは、 VMware vSphere® 上で稼働する Java アプリケーションをコンテナに変換するツールである Application Transformer for VMware Tanzu® の出荷を開始しました。

経済産業省が2018年9月に発行した『 DX レポート 』では、複雑化・ブラックボックス化した既存システムを最新化できない場合、 DX を推進できないだけでなく、2025年以降最大3兆円 / 年の損失が生まれるといういわゆる「2025年の崖」問題が提起されました。
エンタープライズ向けの Java 言語は現在も多くの企業で利用されている一方で、10年以上利用されている、いわゆる「オープンレガシー」化しているシステムが存在します。

Application Transformer for VMware Tanzu は、 VMware vSphere または VMware Cloud on AWS 上で稼働する Java アプリケーションのコンテナ化を支援するツールです。本製品は、VMware の Kubernetes 基盤である、 VMware Tanzu Standard Edition / Advanced Edition および VMware Cloud on AWS をご利用されるお客様向けに無償で提供します。

企業は一般的に数十から数百というアプリケーションを運用しています。それらのアプリケーションを棚卸しし、実装の詳細を収集し近代化することは非常に複雑な作業を伴います。また、担当した社員やシステムインテグレーターが異動・退職してしまい開発当時の情報が収集できない可能性もあります。既存システムを明確に可視化できなければ、企業は近代化の取り組みを進めることができません。さらに、企業が運営するデータセンターは、仮想マシンまたはそれに相当するものが日々作成・破棄され、動的に運用されています。企業がアーキテクチャを進化させ、マルチクラウドなどの新しいテクノロジーを採用するにつれて、インフラストラクチャ環境はより複雑になり、モダナイゼーションの課題はさらに深刻化しています。
組織には、モダナイゼーションを効率的に支援するツールが必要です。 Application Transformer for VMware Tanzu は、この取り組みを支援するために開発されました。

Application Transformer for VMware Tanzu の機能
Application Transformer for Tanzu は、レガシーアプリケーションを発見、分析、コンテナ化するための豊富な機能を提供します。

ディスカバリー (発見)
Application Transformer for Tanzu は VMware vCenter Server へアクセスして仮想マシンをスキャン、ターゲット環境のフォルダ構造、リソースプール、アプリケーション名、プロセスなどの情報を収集します。そして、アプリケーションのトポロジーを作成し、アプリケーション環境に対する可視性を提供します。

仮想マシンのディスカバリーと棚卸し

 

Application Transformer for Tanzuは、200以上のアプリケーションシグネチャと仮想マシンの内部構造を解析し、幅広い種類のアプリケーションを検出します。Application Transformer for Tanzuは、カスタムシグネチャもサポートしており、自社開発のアプリケーションを持つ企業は、カスタムシグネチャを作成することができます。カスタムアプリケーションのシグネチャを定義すると、Application Transformer for Tanzuは、他のアプリケーションを検出するのと同じように、そのアプリケーションを検出することができます。

 

コンポーネントディスカバリーとアプリケーションの関連付け

分析
Application Transformer for TanzuはvCenter Server APIを利用し、vSphereまたはVMware Cloudベースのデータセンター全体を解析します。さらに、VMware vRealize Network Insightとの統合により、vRealize Network Insightのフローを活用して、アプリケーションの依存関係を可視化する上で重要なエンドツーエンドのアプリケーショントポロジーを自動生成できます。

 

アプリケーションのトポロジー

Application Transformer for Tanzuは、幅広いアプリケーションコンポーネントの情報を収集します。Apache TomcatとOracle WebLogicに対しては、Application Transformer for Tanzuはさらに仮想マシンを解析し、構成とデプロイされたコンポーネントについての情報を取得します。これらの収集された情報は、お客様がアプリケーション環境を分析しどのアプリケーションコンポーネントを優先してモダナイズするかを決定するための基礎となります。

アプリケーションコンポーネントの分析

トランスフォーム
Application Transformer for Tanzu は、 Dockerfile 、OCI 準拠のコンテナイメージ、Kubernetes マニフェストファイル、VMware Tanzu Kubernetes Grid 環境で使用するシークレット生成スクリプトを生成します。

実行中のプロセスをコンテナ化するために、Application Transformer for Tanzu は、ユーザが従うべきいくつかの簡単なステップを促します。環境変数は自動的に入力されますが、ユーザはそれらをカスタマイズして上書きすることができます。プロセスを構成する必要なファイルは、ファイルエクスプローラから選択し、ユーザに提示することができます。

Linuxベースのアプリケーションのコンテナ化

Oracle WebLogicやApache Tomcatなどのアプリケーションに対して、Application Transformer for Tanzuは、サーバの種類、アプリケーション名、プロセス、ソフトウェアのバージョン、ディレクトリの場所、起動コマンドなど、分析段階で収集した詳細な知見に基づいてOCI準拠のコンテナイメージを作成します。Application Transformer for Tanzuは、これらのアプリケーションコンポーネントのコンテナ化のほとんどのステップを自動化することができ、モダナイゼーションの取り組みを簡単にすることができます。

Apache Tomcatのコンテナ化

Application Transformer for Tanzuが提供する価値
全体像の把握 – Application Transformer for Tanzuは、アプリケーションコンポーネントのメタデータや依存関係などの情報を使用して、CLI/APIを通じて視覚的なトポロジーを作成します。アプリケーション環境の全体像を把握することで、近代化すべき適切なレガシーアプリケーションを特定し、優先順位をつけることができます。

自動化による効率化 – Application Transformer for Tanzuは、内部構造の解析、コンポーネントインベントリ、仮想マシンのマッピングなどの面倒な手動プロセスを低減します。

俊敏性と市場投入速度の向上 – Application Transformer for Tanzuは、アプリケーションのモダナイゼーションに必要な時間を短縮し労力を軽減します。これにより、新しいソフトウェアやサービスを市場に投入するまでの時間を短縮し、開発者の生産性を向上させることができます。

 

レガシーアプリケーションのモダナイゼーションは、複雑で時間とコストがかかる場合があります。Application Transformer for Tanzu は、アプリケーションのモダナイゼーションの効率を高めることで、ビジネスのスピードを向上させます。