VMware Tanzu Application Platform – マルチクラウド上の Kubernetes で稼働するアプリケーションの開発者体験を革新する開発・実行環境をリリース
あらゆるKubernetes上でコードを実行できるように、本番環境へのパスを事前定義
VMware は、昨年 10 月に開催した VMworld 2021 でベータ版としてアナウンスした VMware Tanzu Application Platform 1.0 を本日リリースしました。この製品は、 Kubernetes 上でクラウドネイティブ アプリケーションを構築しデプロイする企業に対して優れた開発者体験を提供するものです。また、開発者とオペレーターの役割を明確に定義することでお互いが協調して作業できるよう支援します。 VMware Tanzu Kubernetes Grid のみならず、 Amazon Elastic Kubernetes Service ( Amazon EKS ) や Microsoft Azure Kubernetes Service ( AKS ) 、 Google Kubernetes Engine ( GKE ) といった主要な Kubernetes ディストリビューション上で稼働するコンテナアプリケーションの開発からデプロイまでのプロセスを効率化する製品です。
Kubernetes 上のアプリケーション開発の課題
Kubernetes は急速に成長しているオープンソースプロジェクトのひとつです。 Kubernetes の勢いを示す重要な兆候は、本番環境へ移行する企業が増えていることからも明らかです。当社の調査によると、 Kubernetes を本番環境で稼働させている企業の割合は 2020 年の 59 %から 2021 年には65%に増加しています。
しかし多くの企業が、広大で複雑なクラウドネイティブのエコシステムとそれに伴う学習曲線の高さを経験しています。開発者は、アプリケーション コードを記述してから Kubernetes 上でアプリケーションを実行させるまでの間に Dockerfile の準備に始まり各種設定を行う必要があり、この作業が開発者の生産性を阻害する要因になっています。また、他のアプリケーションやインフラとの接続も複雑です。運用チームは、複数のアプリケーションが動作する複数のクラウド環境を管理しながら、多くのカスタムメイドのソフトウェアサプライチェーンを管理する必要があり、 DevOps とセキュリティの実践を統合する問題に直面しています。
Tanzu Application Platform が目指すところ
Tanzu Application Platform は、豊富な開発者用ツールを実装し、迅速かつ安全にソフトウェアを構築、パブリッククラウドやオンプレミス上の Kubernetes クラスタにデプロイするための本番環境へのパスを提供する、モジュール型のアプリケーションを意識したプラットフォームです。
Tanzu Application Platform を利用することで開発者は、コンポーネントをつなぎ合わせるという苦労なしに、ソフトウェアの構築に多くの時間を費やすことができるようになり、結果として収益を生み出すアプリケーションをより早く市場に提供することが可能になります。また、 Tanzu Application Platform は、セキュリティとコンプライアンスのガードレールを組み込んだサプライチェーンを構成することができるため、より安全なアプリケーションを作ることができるようになります。
Tanzu Application Platform は、 Kubernetes の抽象化レイヤで開発者の生産性とユーザー体験を高めるために、アプリケーションをより早く、セルフサービスで、セキュアに開発・デリバーできることを目的に設計しました。
Tanzu Application Platform の特徴
Tanzu Application Platform によって、開発者は以下のようなメリットを享受していただくことが可能になります。
開発生産性の向上:
開発者は、クラウドネイティブのパターンを事前に定義したテンプレートを使用してアプリケーションの開発を迅速に開始できます。サービスや API を 1 つの管理ポータルにまとめるための一貫した GUI を提供しているため、他のアプリケーションの発見と統合が容易になります。また、IDE から直接コードの迅速な反復とデバッグのための開発者ツールに即座にアクセスできます。
これらすべての先進的な機能により、開発者はコードの変更、ビルド、デプロイ、反復を迅速に行うことができるようになります。
カスタマイズ可能な柔軟なサプライチェーン:
Tanzu Application Platform には、エンドツーエンドのサプライチェーンが組み込まれており、各コンポーネントはシームレスに連携できるようあらかじめ実装されています。オペレーターは、Supply Chain Choreographer for VMware Tanzu を使用して、事前に承認された本番へのパスを作成することができますが、このサプライチェーンは自社の標準的なプロセスに合わせてカスタマイズすることも可能です。
この柔軟さによって、本番環境へのパスに沿って署名、スキャン、保存のための機能を挿入するなど、特定のセキュリティ対策を定義することも可能です。ソースコードからURLまでシームレスなサプライチェーンが自動的に構築されるため、開発者の負担が軽減されるとともに、より強力なセキュリティ対策を実施することが可能になります。
Tanzu Application Platform では、VMware Tanzu Build Service が Cloud Native Buildpacks を使用して、検証済みのビルディングブロックからコンテナを自動的に作成、更新します。Tanzu Build Service のユーザーは、実行イメージに環境変数を追加しその上に構築されたすべての既存アプリケーションをリベースすることで、簡単に脆弱性を緩和することができます。
本番環境への移行を加速:
アプリケーションの開発から本番環境へのシームレスな引き渡しのために、DevSecOps の間に明確な分離を確立します。 Tanzu Application Platformは、開発者がコードをコミットする(例:「git push」)だけでよいため、この引き渡しをスムーズに行うことが可能になります。開発者がコードをコミットすると、ソフトウェアのセキュアなサプライチェーンが自動的に開始され、本番環境への継続的なパスを提供します。 Tanzu Application Platform は、お客様の環境に合わせた拡張性とツールを備えており、コードを迅速かつ継続的に本番環境へ移行することができます。
関連情報
YouTube : VMware Tanzu Application Platform: How Can It Help You?