皆様、こんにちは。VMwareの北川です。
今回は、仮想デスクトップ製品であるVMware Horizonの新メジャーバージョン(Horizon 8*)についてご紹介させて頂きます。約4年ぶりのメジャーバージョンアップによって、オンライン会議におけるメディア最適化機能の追加やLinux OSを利用した公開アプリケーション、新しいクラウドへの対応などが行われました。
*正式な製品名は、VMware Horizonとなり、製品名から数字の記載が除外されました。尚、Horizon 8におけるマイナーバージョンの表記は、Horizon 8 YYMM(年2桁月2桁)となります。
本日は、Horizon 8の初期リリースであるHorizon 8 2006に関する情報をお届けします。
ここでは、Horizon 8 2006の特徴から4点ピックアップしてご紹介します。
- Instant Cloneにおける機能拡張
- Media Optimization for Microsoft Teamsのサポート
- Linux Hosted Appのサポート
- 新しいクラウドのサポート
1:Instant Cloneにおける機能拡張
はじめに、仮想デスクトップの展開方式についてご紹介します。まず、Horizon 8 2006以降は、Instant Cloneがメインの展開方式となります。Horizon 8 2006ではInstant Cloneに関連する機能拡張としてSmart Provisioningと呼ばれる機能が実装されています。これまでのInstant Clone展開では、vSphereクラスタ内のESXiホストごとにペアレントVMが構成されていました。Smart Provisioningでは、ESXiホストに対して12VM未満のInstant Clone VMが存在する場合に、ペアレントVMが構成されない状態で、仮想デスクトップ展開が行われます。また、ESXiホストに対して12VM以上のInstant Clone VMが存在する場合は、これまで通りのペアレントVMが構成された状態で仮想デスクトップ展開が行われます。これにより、小規模なInstant Clone展開において、より少ないリソースで仮想デスクトップやRemote Desktop Host(以下RDSHと記載)環境が実現可能になります。
2:Media Optimization for Microsoft Teamsのサポート
2点目に、メディア最適化機能の強化についてご紹介します。Horizon 8 2006では、従来のRTAV(Real Time Audio Video)に加え、Microsoft社のコラボレーションツールであるMicrosoft Teams利用時のメディア最適化機能を実装しました。この機能は、オーディオ及びビデオに関連するデコード処理を接続元のWindows端末にオフロードする機能となります。これにより、仮想デスクトップ上で品質の高いメディアストリーミングを行うことができます。先日、Japan EUCのメンバーでMedia Optimization for Microsoft Teamsの検証を実施いたしました。検証内容については、こちらでご紹介しております。
また、Zoom Video Communications社のオンラインミーティングツールであるZoomやCisco Systems社のWebEXのメディア最適化についても、各開発元で公開されているプラグインをご利用頂くことで、最適化を図ることが可能です。Zoom 社の最適化パックを利用した検証内容については、こちらでご紹介しております。
3:Linux Hosted Appのサポート
3点目に、RDSHの機能拡充についてご紹介します。これまで、RDSHによる公開アプリケーションを実現するには、Windows ServerにRDSセッションホストの役割をアサインし、Horizon Agentを展開することで環境を構成しておりました。Horizon 8 2006以降では、RDSセッションホストとしてLinux OSがサポートされます。これにより、公開アプリケーションのコスト最適化を図ることが可能になります。サポート対象となるLinux ディストリビューション及びバージョンについては、製品ドキュメントをご確認ください
4 :新しいクラウドのサポート
最後に、新しいクラウドのサポートについてご紹介します。Horizon 8では、これまでのサポート対象クラウドに加えて、Azure VMware Solution(以下AVSと記載)やGoogle Cloud VMware Engine(以下GCVEと記載)等のクラウドサービスを新たにサポートしました。AVSについては、国内リージョンでのサービス提供の準備が進められております。また、GCVEについては、既に国内でサービス提供がおこなわれております。
これらクラウドのサポートによって、より多くのクラウド事業者が提供する基盤の中から最適なものを選択し、その上に顧客がVMware Horizonの環境を展開できるようになります。また、事業継続計画の観点から、異なるクラウド事業者の基盤を選択してバックアップ用のサイトを構成する場合においても、顧客が管理するVMware Horizon環境は、同じソフトウェアを利用して展開を行うことができます。これによって、管理者や利用者が目にするインターフェースは同じインターフェースで統一することが可能になります。クラウド事象者ごとに異なるインターフェースの操作を習得する必要はありません。
この他、Rest APIの機能拡張やデジタル透かし機能の正式サポート(これまでは、Flingsの中の1つの無償ツールとして提供)などが挙げられます。
なお、VMworld 2020 JapanでもVMware Horizonの最新情報をお伝えします。Day 2(11月11日)の11:30から「遂に登場!最新世代の VMware Horizon ファミリー製品アップデート」というセッションがございます。ご視聴希望の方は、こちらからご登録ください。
今後も柔軟で、利便性の高いワークスペースをご提供すべくVMware Horizonは進化を続けます。引き続きご期待ください。