皆様こんにちは。VMware の上山です。
今回の EUC Blog は、弊社のデスクトップおよびアプリケーションの仮想化ソリューションである VMware Horizon 環境で、快適に Zoom Meeting を使用する方法をご紹介させていただきます。
昨今のテレワークの需要増加により、テレワークによる働き方を実現する上でビデオ会議は必要不可欠なツールになリました。その中でも爆発的に利用者が増えているのが Zoom Meeting です。「Zoom飲み」という言葉が生まれたほど、広く普及したZoom Meetingについて VMware Horizon 環境でも支障なく使用するノウハウをご紹介します。
Zoom とは?
まず Zoom について簡単にご説明いたします。
Zoom とは Zoom Video Communications社 (以下 Zoom社)が提供する クラウドベースのビデオ会議サービスで、非常に満足度の高いビデオ会議システムの1つです。映像と音声を使って遠方の相手とのコミュニケーションに利用したり、画面共有して効率的に会議を進めることなどを可能にすることができます。
Zoom は、従来のビデオ会議システムのように高価な専用システムを導入する必要がなく、インターネット接続環境、PCやモバイル端末、カメラ・マイクがあれば、世界中どこからでもワンクリックで利用できます。
VDIでZoomを使用する際の考慮点
テレワークにおいては、社内環境へのアクセスに VPN を使用してアクセスするところもあれば、VDI を利用して社内環境へのアクセスを実現するケースもあります。最近私たちも 「VDI環境でZoomは快適につかえるのか?」という問い合わせに対するソリューションとして、 Zoom 最適化パックをご紹介しています。なお、このZoom 最適化パック は Zoom社によって 開発・提供されております。
今回は Windows 10が導入された物理PC(エンドポイント端末)と VMware Horizon 環境の Windows 10 VDI での Zoom 利用を前提として、Zoom 最適化パックを導入する手順とその効果をご紹介します。
Zoom 最適化パックの製品仕様および詳細については Zoom社 Webサイトを参照ください。
Zoom 最適化パックとは?
VMware Horizon 環境に Zoom 最適化パック を導入することで、本来 VDI側で実行される Audio/Video エンコード・デコード 処理負荷を 物理PC(エンドポイント端末)側にオフロードすることができます。その結果、高品質なストリーミング環境が提供されます。
- Zoom 最適化パック未使用時は、 Zoom Cloud への Audio/Video通信は、物理PC(エンドポイント端末)から VDI を経由して行われます。
- Zoom 最適化パックを使用した場合、 Zoom Cloud への Audio/Video通信は、VDI を経由せず 直接 物理PC(エンドポイント端末)から行われます。
Zoom 最適化パックは、Zoom社サイトから入手することが可能です。
Zoom 最適化パックは、以下の2つのコンポーネントから構成されます。
- Zoom Client for VDI —- VDI側にインストールする Zoom Meeting アプリケーションです。
- Zoom Media Plugin —- 物理PC(エンドポイント端末)側にインストールするプラグインモジュールです。
事前準備として、上記2つのモジュールをダウンロードしておきます。
Zoom 最適化パック導入手順
上記でダウンロードした 2つのモジュールを それぞれ Windows 10 物理PC(エンドポイント端末)および Windows 10 VDI に導入します。
Zoom Media Plugin 導入手順
- Horizon Client が導入された 物理PC(エンドポイント端末) で、 ZoomVMwareMediaPlugin.msi インストーラーを起動します。
- ウィザードに従いインストールを実行します。
- インストール完了後、Apps & Features を確認して “Zoom Plugin for VMware Horizon Client” が正しく登録されたことを確認します。
Zoom Client for VDI 導入手順
- Horizon Agent が導入された VDI側 で、 ZoomInstallerVDI.msi インストーラーを起動します。(自動でインストールは完了します)
- インストール完了後 デスクトップに Zoom VDI というアイコンが生成されます。
Zoom 最適化パックの効果
それでは Zoom 最適化パック を有効化した状態と無効化した状態で比較してみましょう。
試験環境では 物理PC(エンドポイント端末)に Zoom Media Plugin を導入した状態と、未導入の状態で比較しています。Zoom 最適化パックを有効化することにより 、以下の効果を確認でき、全体として Zoom Meeting における ユーザエクスペリエンスの向上を確認することができました。
- 物理PC(エンドポイント端末)にリソースをオフロードすることにより、VDI側 の CPUリソース軽減(6~10% → 2~5%)を確認。
- Audio / Video 通信が VDI を経由せず 物理PC(エンドポイント端末)から直接 Zoom Cloud にアクセスすることにより、Audio / Video 品質の向上を確認。
如何でしたでしょうか?今回は VMware Horizon 環境 に Zoom 最適化パック を導入することで、VDI環境でも 快適に Zoom Meeting を使用する方法についてご紹介させていただきました。EUC Blog では、今後もより詳細かつ技術的な情報を発信していく予定です。次回の EUC Blog もご期待ください。