★どこにリソースの無駄が発生しているのか!(リソースの無駄の把握と削減)
こんにちは!VMwareの中村です。
前回は「あと何台くらい仮想マシンを載せられるか?」がテーマでしたが今回のテーマは「どこにリソースの無駄が
発生しているのか!」です。仮想基盤はリソースを共有している為、効率よく使っていきたいというのが
インフラ管理者の思いです。現状皆様はどうでしょうか?下記の表は実際あるユーザさんのアセスメント結果です。
479VMあって、過剰にリソースが割り当てられている仮想マシンは454VM..
なんと90%以上も過剰にリソースが割り当てられていると判断されています。
私もついつい必要以上に割当てしまいますが..(汗)、この過剰が積み重なってしまうと仮想基盤の強みを
活かしきれなくなってしまいます
リソースを必要以上に割り当ててしまう主な要因として
- 仮想マシンのスペックをピーク時を考慮して設計
- 仮想マシンのスペックはアプリケーションに依存するのでインフラ管理者は判断できない
インフラ管理者としては、ムダなく効率よくリソースを使っていきたいのですが
リソースが過剰に割り当てられているのか、適切に割り当てられているのか、どう判断してたらいいのか?
インフラ管理者にとっては悩ましい部分かと思います。
そこでVMware vCenter Operations Manager(vC Ops)が活躍します。
ではvC Opsを使用してどのように無駄を把握して検討していくか、流れをみていきましょう。
★全体を俯瞰して把握
vC Opsのダッシュボードにある「効率」を選択します。
仮想基盤全体で現状どのくらい最適に使用されているか、またはムダがないかどうか、全体感を目視することができます。
★特定
続いてどの仮想マシンにおいて過剰にリソースが割り当てられているかリスト化します。
【計画】-【表示】-【無駄】-【過剰サイズ仮想マシン】においてvC Opsが「このくらいのリソースでいいのでは?」
という推奨値を出してくれます。
また、パワーオフ状態の仮想マシンもリスト化してくれますのでこちらも重宝します。
★検討と実施
では、リソース割り当てが過剰である仮想マシンがいくつかあった際、どの仮想マシンに対して
スペックを変更(縮小)していくか?検討するにあたり、まず考慮しなくてはいけない部分として
下記が挙げられるます。
- まずどのVMから実施していくか?
- 本当にスペック変更して大丈夫か?(ピーク時を考慮できるのか?等)
目安として、まずワークロードの変動が少ない仮想マシンからスペックを変更していくと影響が少ないでしょう。
変動が大きい場合、ピーク時における影響も考慮しなくてはいけないので、vC Opsを使って各仮想マシンにおける
“ワークロード”の傾向を確認してみましょう。また、負荷(stress)バッチスコアを参考にするのもよいでしょう。
スコアの低いVM程ワークロードの変動幅が小さいので、スペックを下げる優先度の高い候補としても目安になる値です。
次に本当にスペック変更して大丈夫か?という点ですが、ポリシーの設定「サイズ不足」によって
ピークを考慮したサイジングをする事が可能になります。
※ポリシーについては本シリーズの5回目にてご紹介いたします。
実際に仮想マシンのCPUやメモリをスペック変更する際は「過剰サイズ仮想マシン」に表示されている値を参照します。
「構成済みvCPU」の隣に「vCPU数推奨値」という列があります。これが計算されたCPUの適正サイズを示しています。
そして、その横に「推奨値中のCPU需要の割合」という項目があります。これは適正サイズに変更した後のCPUの状況を
推測してくれます。
メモリに関しては、「構成済みメモリ」の隣に「推奨メモリ」という列があります。これが計算されたメモリの適正サイズを
示しています。これはアクティブメモリの値なので、通常は、一気にこの値に変更するというよりも、少しずつ適正値に
近づけていくようにしましょう。
まとめ
普段、何気なく使用している仮想基盤。どのくらい有効的に使用できているか、数値的に把握するのは
少し難易度が高いかもしれません。皆様が普段お使いの仮想基盤も、もしかして必要以上に余剰なリソースが
あるかもしれません。このvC Opsをある意味、体脂肪計のように使っていただき、現在どこにリソースの無駄があるのか?
を常に把握していただき、限りあるリソースを有効的に使用できる仮想基盤を目指しましょう!
~VMware vCenter Operations Manager活用法~
第1回 あとどのくらい仮想マシンを載せられるか?(リソース残量を知る)
第2回 どこにリソースの無駄が発生しているのか!(リソースの無駄の把握と削減)
第3回 より多くの仮想マシンを安全に載せていく(統合率を上げていく)
第4回 将来、物理リソースがどのくらい必要か?(需要予測)
第5回 使用環境における”ポリシー”の設定
vC Ops簡単操作ガイド