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V2V! Hyper-V上の仮想マシンをvSphere環境に移行する方法

皆様こんにちは。
本エントリでは、ブログ[仮想化への移行]シリーズの第一弾として、VMware vCenter Converter Standalone(以下Converter)を利用した、Hyper-V環境からvSphere環境への仮想マシンのV2V(Virtual to Virtual)での移行方法についてお伝えしていきます。

[仮想化への移行]シリーズ
・はじめに
-移行計画、準備段階でのポイント
• V2V (Virtual to Virtual)
– VMware vCenter Converter Standaloneを利用した他の仮想化製品フォーマットから VMware vSphere 環境への移行←本エントリ
• P2V (Physical to Virtual)
VMware vCenter Converter Standalone を利用した物理サーバ (Linux) から VMware vSphere 環境への移行
• I2V (3rd Party Image/Backup Tool to Virtual)
3rd Party Image/Backup Tool から VMware vSphere 環境への移行
• V2C (Virtual to Cloud)
– VMware vSphere 環境から VMware vCloud Air への移行←Comming soon!!

事前の確認さえ怠らなければ、Converterを使用したV2Vの作業はそれほど難しいものではありません
-事前準備-
1)   Converterを入手しましょう!
ConverterはMy VMwareのアカウントさえ作成すれば、どなたでもダウンロード可能です。My VMwareのアカウント作成方法はこちら。 Converterのダウンロードページはこちら
converterDL
2)   ドキュメントを確認しましょう!
Converterの公式ドキュメントは、主にUser’s GuideとRelease noteです。こちらから参照できますので、できるだけ確認しておきましょう。英語で心が折れそう…という方のために(私もですが)、この先の作業でドキュメントのどこを確認すれば良いかは、できるだけお伝えしていきます。
Converter関連のKBもいくつか出ていますが、以下のKBについては事前にご確認いただくことを推奨します。
VMware Converter の使用とトラブルシューティングに関するベスト プラクティス (1033253)

3)   Converterをインストールしましょう!
Converterを作業用のWindows端末にインストールします。
ConverterをインストールできるOSは、こちらのRelease note内、[Platforms]の項に記載があります。
注意 : Windows Server 2008 R2のHyper-V上に存在する仮想マシンをV2Vしたい場合に、ペアレントOSであるWindows Server 2008 R2に直接Converterをインストールしないでください。作業の途中で、Converter agentの送り込みに失敗する場合があります。
converterinst
4)   Converterでの移行がサポートされるゲストOSを確認しましょう!
こちらのUser’s Guide内、[Supported Operating Systems]に対応するOSの一覧がありますので、移行対象の仮想マシンのOSがConverterでサポートされているか、事前に確認しておきましょう。Windows ServerであればR2やSPxxの部分までしっかりと確認が必要です。

それでは、実際の移行作業をご説明します。
作業自体は 、こちらのブログにあるようなP2Vの方法とほとんど同じですが、Hyper-V上の仮想マシンを移行する場合には2パターンの方法があります。
①移行元として、Hyper-Vを指定する方法
②移行元として、Hyper-V上のパワーオン仮想マシンを直接指定する方法
①、②について、これから解説していきます。

①移行元として、Hyper-Vを指定する方法
こちらのUser’s Guide内の [Supported Source Types]の[Hyper-V Server virtual machines]に記載のあるものは、Hyper-Vを指定する方法が使えます。
主な注意点としては
・Hyper-V上の移行対象仮想マシンがパワーオフ状態であること(コールドクローン)
・本エントリの執筆時点では、Converterが対応しているハイパーバイザーはWindows Server 2008 R2 のHyper-Vのみであること
・移行対象の仮想マシンは、事前にIPをDHCPに設定しておくこと(移行後に非表示のデバイスがIPを保持してしまうことがあるため)
等が挙げられます。2008 R2以外のHyper-V上で動作している仮想マシンを移行したい場合は後述する②の方法、または今後リリース予定のI2Vブログを参考にしてください
それでは、①の作業を見ていきましょう
STEP1: 移行対象の仮想マシンがパワーオフ状態であることを確認します
2008Hyper-V
STEP2: 作業端末上でConverterを起動し、Convert Machineをクリックします
ConverterOpe01
STEP3: 移行元を指定します。ここで、Select source typeから [Hyper-V Server] を選択し、Hyper-VのペアレントOSであるWindows Server 2008 R2のIPを指定します。ホスト名で指定することも可能ですが、上述のKBにも記載のある通り、DNS関連の不要なトラブルを回避するためにIPを指定しましょう
ConverterOpe02 ConverterOpe03
STEP4: 移行完了後にConverter agentを自動で削除するか、手動で削除するかを選択します。特に理由がなければ、自動での削除を選択しましょう。Nextをクリックすると移行元のWindows Server 2008 R2に対して、Converterがagentを送り込みます。ここでagentの送り込みに失敗する場合は、こちらのKBを確認してみてください
agentpush

STEP5: 対象のHyper-V上に存在する仮想マシンの一覧が表示されますので、移行したい仮想マシンを選択します。パワーオン状態の仮想マシンは選択できません
ConverterOpe05
STEP6:  移行先となるESXi (ESXiがvCenterの管理下に存在している場合はvCenter)のIP、ユーザ名、パスワードを入力します
ConverterOpe06STEP7: Security Warningが出た場合は、[Ignore]をクリック
ConverterOpe07STEP8: 移行先で仮想マシン名を変更したい場合は、[Name]に新しい仮想マシン名を入力します
ConverterOpe08STEP9: 移行先のESXiが複数のデータストアを持っている場合は、ここで仮想マシンのデータストアを選択します
ConverterOpe09STEP10: 移行のタイミングで仮想マシンのディスクサイズや割り当てるCPU数、メモリサイズ等を変更したい場合は、[Edit]から変更することができます
ConverterOpe10

STEP11: 最後に確認画面が出ますので、[Finish]を選択すれば実際の移行が始まりますConverterOpe11STEP12: 移行の状況は、Converterの画面上で確認できます。もしここで移行に失敗する場合は、VMwareのKBでエラーメッセージ等を調べてみてください
ConverterOpeP07
STEP13: 移行が完了すればESXi上に仮想マシンが見えていますので、仮想マシンをパワーオンしてみましょう

vSphere1STEP14: 仮想マシンをパワーオンすると、ドライバをインストールするOSの処理が開始されますので、完了を待ってから、1度仮想マシンを再起動しておきましょう

以上で①移行元として、Hyper-Vを指定する方法の解説は終了となります!

②移行元として、Hyper-V上のパワーオン仮想マシンを直接指定する方法
こちらの方法では、Hyper-V上のパワーオン状態の仮想マシンを移行対象として直接指定します。
移行対象の仮想マシンを[物理サーバ]と見なして、P2V (Physical to Virtual)とまったく同じ手順で移行を実施します。
パワーオン状態で仮想マシンを移行することをホットクローンと呼びます。ホットクローンについての説明はこちらのブログに説明がありますが、重要なポイントとして、OS は起動していますが基本的には利用者にサービスを提供したまま移行を継続できるといった機能ではないという点にご注意下さい。
それでは、②の作業を見ていきましょう。作業の大半は①の方法と同じです。
STEP1: 移行対象の仮想マシンがパワーオン状態であることを確認します。
2012

STEP2: 作業端末上でConverterを起動し、Convert Machineをクリックします。
ConverterOpe01
STEP3: Select source typeで[Powered-on machine]を選択し、移行対象の仮想マシンが持っているIPとユーザー名、パスワード、OS種別を入力します。
ConverterOpeP01
STEP4: 移行完了後にConverter agentを自動で削除するか、手動で削除するかを選択します。特に理由がなければ、自動での削除を選択しましょう。Nextをクリックすると移行対象の仮想マシンに対して、Converterがagentを送り込みます。ここでagentの送り込みに失敗する場合は、こちらのKBを確認してみてください。
agentpush

ここから先の手順は、上述の①移行元として、Hyper-Vを指定する方法内のSTEP6以降とまったく同じなので、そちらを参照してください。

いかがでしたでしょうか? Converterを使用すれば、このように簡単にHyper-V上の仮想マシンをvSphere環境に移行することができます!
次週以降で、下記の[仮想化への移行]シリーズを投稿していきますので、こちらもお楽しみに!
[仮想化への移行]シリーズ
・はじめに
-移行計画、準備段階でのポイント
• V2V (Virtual to Virtual)
– VMware vCenter Converter Standaloneを利用した他の仮想化製品フォーマットから VMware vSphere 環境への移行←本エントリ
• P2V (Physical to Virtual)
– VMware vCenter Converter Standalone を利用した物理サーバ (Linux) から VMware vSphere 環境への移行
• I2V (3rd Party Image/Backup Tool to Virtual)
– 3rd Party Image/Backup Tool から VMware vSphere 環境への移行
• V2C (Virtual to Cloud)
– VMware vSphere 環境から VMware vCloud Air への移行←Comming soon!!