こんにちは、VMware グローバルサポート Newsletter VMC チームの朴です。
今回は、VMware Cloud on AWS (以降、VMC) の L2 VPN クライアントとしてご利用可能な Autonomous Edge におけるアップグレード失敗時の対策についてご紹介します。
1. はじめに
オンプレミスと VMC 間の L2 接続のソリューションとして、Autonomous Edge をご利用いただいている方も多くいらっしゃると存じます。
Autonomous Edge は、オンプレミス環境に簡単に導入可能なソリューションとして大きなメリットがございますが、一方 VMC SDDC が定期的にアップグレードされることを考慮し、下記ドキュメントの通り適宜 SDDC バージョンとの互換性を維持する運用も大事でございます。
通常 Autonomous Edge のアップグレードは、Customer Connect よりアップデートファイルを入手し、下記箇所より簡単にアップグレードが可能でございます。
- NSX Autonomous Edge コンソール > UPGRADE
- Browse : 入手したアップデートファイルを選択 (例.VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219.nub)
- [UPLOAD] 実施後、[UPGRADE] にてアップグレード。
今回は、NSX Autonomous Edge コンソール (以降、UI) より、アップグレードができなかった場合の対策について紹介したいと存じます。
2. 事象
下記の通り、”Errors:” のみ表示されており、アップデートファイルのアップロードが失敗します。
3. 原因
本事象は Autonomous Edge における既知の問題となります。
具体的には、現時点で UI からアップロード可能なファイルサイズが 1 GB までの制限となっていることに起因する事象となります。
下記の通り、3.1.1 までは 1 GB 以下のファイルサイズとなっておりますが、以降は 1 GB を超えるサイズとなっていることがわかります。
- VMware-NSX-edge-3.1.1.0.0.17483065.nub (824 MB)
- VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219.nub (2.05 GB)
4. 対策の手順
#下記手順は、3.1.1 から 3.2.1 へのアップグレードを例としてあります。
#また、事前にアップデートファイルを Autonomous Edge がアクセス可能なリポジトリにアップロードしてある状態となります。
4-1. Autonomous Edge へ “admin” ユーザーにて SSH 接続してください。
- “NSX CLI (Autonomous Edge …)..” メッセージが表示されいれば、NSX CLI がご利用可能な状態となります。
4-2. 下記コマンドにて、アップグレード前のバージョンをご確認ください。
get version
4-3. 下記コマンドにて、3.2.1 アップデートファイルを Autonomous Edge へコピーしてください。
copy url scp://ユーザー名@アップデートファイルが配置されているリポジトリの IP アドレス://配置されているパス/VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219.nub
例. copy url scp://[email protected]://tmp/VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219.nub
4-4. 下記コマンドにて、アップデートファイルのチェックを実施してください。
verify upgrade-bundle VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219
4-5. 下記コマンドにて、アップグレードを実行してください。
start upgrade-bundle VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219 playbook
4-6. 途中下記のメッセージが表示されて、再起動が発生します。
...
System will now reboot (step 5 of 9)
4-7. 再起動後、上記手順 1 と同じく再度 SSH 接続いただき、下記コマンドにて引き続きアップグレードを実施してください。
resume upgrade-bundle VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219 playbook
4-8. 途中下記ステップにおいて、”CMD_ERROR” が発生する場合がございます。
...
"41-postboot-exit_maintenance_mode" (step 8 of 9)
その際は、再度下記コマンドにて、アップグレードを継続してください。
resume upgrade-bundle VMware-NSX-edge-3.2.1.2.0.20541219 playbook
4-9. “Playbook finished successfully” 及び “CMD_SUCCESS” が表示されれば、アップグレードは完了となりますので、下記コマンドにて更新されたバージョンをご確認ください。
get version
5.終わりに
本事象につきましては、今後改善される見込みでございます。
それまでには、上記ご紹介させていただいた NSX CLI におけるアップグレード実施にて、VMC SDDC との互換性を維持いただき、より安定した Autonomous Edge の運用をご検討いただければ幸いでございます。
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