ソリューション NSX Advanced Load Balancer ネットワーク

VMware NSX Advanced Load Balancer における Azure VMware Solution サポートの発表

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本稿は 2021 年 07 月 12 日に VMware Blog のブログに投稿された「 Announcing VMware NSX Advanced Load Balancer (Avi) for Azure VMware Solution 」の抄訳です。

投稿者:アブヒナフ・モディ(Abhinav Modi)

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VMware はこのたび、Azure VMware® Solution に対応する VMware NSX Advanced Load Balancer Enterprise Edition(旧 Avi Networks 製品)の提供を開始いたしました。

NSX Advanced Load Balancer (NSX ALB)を導入すると、Azure VMware Solution で実行されているワークロード向けに、ローカル ロードバランシング、グローバル サーバ ロードバランシング(GSLB)、Web Application Firewall(WAF)を備えたエンタープライズクラスのアプリケーション デリバリ サービスを、展開できます。データセンターをオンプレミスから Azure VMware Solution に拡張または移行すると、NSX ALB のフル機能のロードバランサーにより、お客様は伸縮自在なスケーラビリティ、クラウドネイティブな自動化機能、組み込みの可観測性を活用できるようになります。

 

NSX Advanced Load Balancer における Azure VMware Solution のサポート

この発表をもちまして、NSX ALB Enterprise Edition をご利用のお客様は、Azure VMware Solution のサポートを VMware から受けることができます。NSX ALB Enterprise Edition には以下のようなメリットがあります。

  • ロードバランシング、GSLB、WAF の各機能を備えた、ソフトウェアのみの分散型アプリケーション デリバリ ソリューションの利用
  • ロードバランサー キャパシティの伸縮自在なスケール機能によるクラウドネイティブな展開と運用
  • API ファースト設計により、開発チームや DevOps チームは、SDK(Python/Go/Java)、構成管理/Infrastructure-as-a-Code(Ansible、Terraform)、内製ツールを問わず、好みの自動化ツールを使用して運用の効率化が可能
  • Azure VMware Solution および接続されているオンプレミス データセンターのいずれの環境でもシームレスで一貫性のあるアプリケーション デリバリを実現
  • クラス最高レベルのモニタリングと可観測性により、迅速なトラブルシューティングを実現。分析機能は REST API を使用して構築されており、サードパーティの可観測性製品との連携に対応

 

NSX ALB は、以下のような各種ユースケースでアプリケーション デリバリをサポートします。

  • リフトアンドシフト:プライベート データセンターから Azure VMware Solution に移行する場合、パブリッククラウド環境でエンタープライズクラスのロードバランサーに期待される豊富な機能セットが NSX ALB によって提供されます。
  • データセンターの拡張:オンプレミス環境と Azure VMware Solution 環境にわたってホストされているアプリケーション向けに、ロードバランシング、GSLB、WAF の機能を NSX ALB によって提供できます。GSLB などの機能により、アクティブ/アクティブ トポロジー(各種オプションあり)やアクティブ/スタンバイ トポロジーなど、アプリケーションの可用性パターンをコントロールできます。
  • ディザスタ リカバリ:NSX ALB では、ローカル ロードバランシング機能や GSLB 機能を活かして、アプリケーションの可用性を確保するための BC/DR シナリオに対応できます。

 

アーキテクチャ

NSX ALB は、Azure VMware Solution SDDC で実行されるアプリケーションにロードバランシング機能を提供します。NSX ALB は Azure VMware Solution 内でロードバランシング ソリューションとしてアタッチされて統合され、NSX ALB Controller、NSX Manager、VMware vCenter が相互に通信を行います。この統合により、Service Engine をオンデマンドで自動的に展開して管理できるようになるため、自動化され伸縮自在なロードバランシングが実現します。

NSX ALB では、Azure VMware Solution に    おいても、NSX-T Cloud Connector 運用モードが利用できます。これには、オンプレミスの NSX-T 環境と Azure VMware Solution 環境との間で VMware インフラストラクチャが類似している(NSX ALB 関連のオブジェクトという点で)ことが活かされています。

 

Azure VMware Solution での NSX ALB の展開

NSX ALB は以下の手順で展開できます。

1.NSX ALB Controller の展開

NSX ALB Controller は、Azure VMware Solution SDDC またはオンプレミスのいずれかのお客様の環境に常駐します。重要な要件として、NSX ALB Controller は次の目的のためにプライベート IP で Azure VMware Solution SDDC と通信できる必要があります。

  • NSX Manager および vCenter との通信
  • Azure VMware Solution SDDC 内への Service Engine の展開

2.NSX ALB Controller Azure VMware Solution SDDC との接続

Azure VMware Solution SDDC に対して NSX ALB を構成するには、NSX ALB Controller 内に Cloud Connector を作成します。

Cloud Connector はそれぞれのコンポーネントとやり取りしてコンピュートおよびネットワーク リソースを検出し、NSX ALB Service Engine(ロードバランシング サービスを提供するデータパス エンティティ)のプロビジョニングを自動化します。

Azure VMware Solution は NSX と vCenter を含む VMware Cloud Foundation スタック上に構築されるため、NSX ALB は NSX-T Cloud Connector を活用できます。

この構成作業がひとたび完了すれば、Azure VMware Solution 内で NSX ALB のロードバランシング機能をいつでも利用できるようになります。

3.Virtual Service の作成

NSX ALB には、Virtual Service を構成するための直観的な UI が用意されています。Virtual Service を利用するには、アプリケーションのフロントエンド IP アドレスのほか、プール メンバー(アプリケーション サーバ)のセットが必要です。

また NSX ALB では、レイヤー 7 の要求および応答ポリシー、各種ロードバランシング アルゴリズム、健全性監視などの高度な機能もサポートされています。

Virtual Service が作成されると、NSX ALB Controller が SDDC 内に Service Engine を展開します。それらが稼動すると、Virtual Service でこれらの Service Engine を介してトラフィックを処理する用意が完全に整ったことになります。

Service Engine のプロビジョニング ライフサイクル全体が自動化され、ロードバランシング サービスの管理とプロビジョニングがアプリケーションファーストで実施されます。

 

ライセンスおよびサポート

NSX ALB Enterprise Edition は VMware からライセンスされます。ライセンスはデータプレーンのキャパシティ、すなわち Service Engine で使用される仮想 CPU の数に基づきます。これは「サービス コア」と呼ばれています。たとえば、仮想 CPU 2 個の規模の Service Engine は、サービス コア ライセンスを 2 つ使用します。ライセンス期間は一般に 1 ~ 3 年で、事前に調達する必要があります。

機能検証用としてフル機能の 30 日間試用ライセンスも用意されています。

Azure VMware Solution 向けの NSX ALB のサポートは、VMware のサポート組織が担当します。VMware のサポート サービスの詳細については、こちらをご覧ください。

概要説明のセッションやデモを含め、NSX ALB に関する詳細については、VMware の営業担当者にお問い合わせいただくか、こちらから製品試用をご登録ください。

 

まとめ

NSX ALB を Azure VMware Solution 内に展開および構成すれば、環境内のあらゆるアプリケーション デリバリ要件への対応が可能になります。

NSX ALB は、伸縮自在なスケーラビリティ、自動化ワークフロー、可観測性をはじめとする豊富な機能を備えており、Azure VMware Solution への移行を促進します。

参考資料

この統合の詳細については、次のリソースを参照してください。

 

 

あとがき(Japan Blog 補足)

本記事でご案内した VMware NSX Advanced Load Balancer をさらに詳しく知りたい方は、以下のオンデマンド ウェビナーへの参加をお勧めします。

DX 成功の鍵となるロードバランサーの最適化戦略とは

<前回参加されたお客様の感想(アンケート結果より抜粋)>

  • 従来のロードバランサ―と⽐べて格段に導⼊、運⽤が良くなっている
  • 製品の存在は知ってたが、デモを交えて具体的なサービスのイメージが出来た
  • HW アプライアンスと⽐較すると、拡張性や柔軟性、管理性に関してメリットを感じた

 

【VMware NSX Advanced Load Balancer の紹介動画】
最新のロードバランシングの概要