こんにちは、 VMware の岡田です。先日(2020年9月21日)、 VMware Cloud on AWS の SDDC の新しいバージョン 1.12 がリリースされ、 VMware Transit Connect がご利用いただけるようになりました。(その他のバージョン1.12で追加された機能の一覧については、リリースノートをご覧ください。)
VMware のマネージド サービスとして提供される VMware Transit Connect をご利用いただくことで、VMware Cloud on AWS の Software Defined Data Center(SDDC) と複数の Amazon VPC、オンプレミスとの接続を簡素化し、高速・低遅延での接続を提供します。
そこで、今回はこの VMware Transit Connect についてご紹介します。
<2022年4月追記> Transit Connect については最新ブログ「VMware Transit Connect の接続構成パターン」も併せてご覧ください。
VMware Transit Connect の主な構成要素
VMware Transit Connect はSDDC グループと VMware が管理する AWS Transit Gateway (VTGW ) によって構成されます。
SDDC グループは、同一組織内の複数の SDDC を論理的にまとめることができ、管理を簡素化することができる新しい機能です。
SDDC グループで定義したリソースの相互接続を行うのは、VMwareが管理する AWS Transit Gateway です。通常の AWS Transit Gateway とは異なり、マネージドサービスとして提供されるため、AWS マネジメントコンソールで作成および設定する必要がなく、VMware Cloud on AWS のコンソールから簡単に作成・構成することができます。
サポートされる接続構成
SDDC バージョン 1.12 リリース時点で VMware Transit Connect での接続としてサポートされるのは、以下の3パターンです。
- SDDC – SDDC
- SDDC – Native AWS の VPC
- SDDC – オンプレミス環境
少なくとも接続するどちらか一方が SDDC である必要があります。
SDDC – SDDC
同じ SDDC グループに所属している SDDC 同士が接続されます。この機能で、別の SDDC グループの SDDC グループや SDDC グループに所属していない SDDC との接続はできません。
なお、1つの SDDC が複数の SDDC グループに所属することはできません。
SDDC – Native AWS の VPC
SDDC グループに所属している SDDC と 利用者が指定した利用者所有の Native AWS の VPC が接続されます。複数の Native AWS の VPC を指定することができますが、指定した Native AWS の VPC が通信することはできません。
SDDC – オンプレミス環境
オンプレミス環境から VMware Transit Connect を使用してSDDCに接続するためには、Direct Connect Gateway を経由して接続する必要があります。オンプレミスから接続されている Direct Connect Gateway を指定することで SDDC グループに所属している SDDC との接続が行われます。
VMware Transit Connect の要件
VMware Transit Connectを利用するためには、いくつかの要件を満たしている必要があるのでご注意ください。
- SDDC のバージョンが 1.11 以上である必要がある (MUST)
- 接続する SDDC や VPC は同じリージョンでなければならない (MUST)
- 接続する SDDC の管理ネットワークは重複してはならない (MUST)
- 接続する SDDC のワークロードネットワークは (SHOULD)
- ワークロードネットワークに重複がある状態で VMware Transit Connect を構成した場合、重複したネットワークは自動的に接続が拒否され、使用できなくなる
まとめ
VMware Transit Connect をご利用いただくことで、SDDC 同士の接続、および SDDC とオンプレミスや Native AWS の VPC がより簡単に接続しやすくなり、VMware Cloud on AWS を活用したハイブリッドクラウド環境が、さらに構成しやすくなりました。ネットワークの接続方式はお客様の要件により多くのパターンが考えられます。今後も VMware Cloud on AWS のネットワークの構成パターンについてご紹介していきますので、ご期待ください。