みなさん、こんにちは。VMwareでパートナー様を担当させて頂いてますSEの北村です。
今回は、Site Recovery Manager (SRM) のコンパチビリティに関連した次の2点について、Cloud Infrastructure Blog に投稿したいと思います。
1. SRM がサポート対象としている vCenter Server と ESXi のバージョンについて
2. SRM の Guest Operating System Customization Support について
では、それぞれについて記載していきます。
1. SRM がサポート対象としている vCenter Server と ESXi のバージョンについて
例えば、SRM 6.5 がサポートしている vCenter Server のバージョンは 6.5 ですが、SRM 6.5 がサポートしている ESXi のバージョンは、vCenter Server 6.5 がサポートしている ESXi と同じバージョンになります。 この事は、Compatibility Matrixes for VMware Site Recovery Manager 6.5 の vCenter Server Requirements と ESXi Server Requirements で確認できます。
ただし、SRM 環境で異なるバージョンの ESXi が混在している場合、仮想マシン・ハードウェア・バージョンなど、vSphere としての互換性が求められる場合があります。 つまり、SRM の保護サイトが vSphere 6.5 ( vCenter Server も ESXi もバージョンは 6.5) で、災害対策サイトが vCenter Server 6.5 と ESXi 6.0 の場合、仮想マシン・ハードウェア・バージョン 13 は、ESXi 6.0 ではサポートされませんので、この様なサイト間では、使用される仮想マシン・ハードウェア・バージョンは 11 より以前のバージョンである必要があります。 この様に、SRM 環境においては、保護サイトと災害対策サイトの 2つのサイトを 1つのシステムとして考える必要があります。
参考情報:Virtual machine hardware versions (1003746)
図1:SRM 6.5 ドキュメント ページ
図2:Compatibility Matrixes for VMware Site Recovery Manager 6.5 ページ
SRM の Compatibility Matrixes は、それぞれの SRM のバージョン毎に存在しています。 上記、図1は最新バージョンの SRM 6.5 のドキュメント ページです。 オレンジ色で囲われている “Site Recovery Manager 6.5 の互換性マトリックス” をクリックすると、図2の SRM 6.5 の Compatibility Matrixes のページが表示されます (他の SRM のバージョンでも同様です)。 Compatibility Matrixes のページは英語表記のみでの提供となっています。
2. SRM の Guest Operating System Customization Support について
SRMでは、仮想マシンの IP 設定をカスタマイズする機能を提供しています。この機能を使う事で、仮想マシンが災害対策サイトで起動されるときに、今まで使用していた保護サイトの IP 設定を災害対策サイトの IP 設定に上書きする事ができます。この事を “SRM のゲスト OS の IP カスタマイズ” と、言ったりするのですが、このカスタマイズのサポート対象となるゲストOSのマトリックスを公開しています。
図3:Compatibility Matrixes for VMware Site Recovery Manager 6.5 ページの プルダウンメニュー
図3の SRM 6.5 の Compatibility Matrixes のページで、プルダウンメニューから Guest Operating System Support を選択すると、次の図4のページが表示されます。
図4:SRM 6.5 Compatibility Matrixes ページ
このページ (図4) で、SRM 6.5 でサポート対象となる Guest Operating System Support と Guest Operating System Customization Support について説明していますが、Guest Operating System Customization Support の中で、SRM のゲスト OS の IP カスタマイズのサポート対象を PDF:VMware Guest OS Customization Support Matrix で公開しています。
また、仮想マシンによっては、複数の IP アドレスが割り当てられている場合がありますが、”SRM のゲスト OS の IP カスタマイズ“ としてサポートされる構成について、KB (Knowledge Base) を公開しています (英語のみ)。
以下は SRM 6.5 の KB になりますが、SRM 5.8 以降、Operational Limits for Site Recovery Manager X.X (X.X は、5.8、6.0、6.1、または、6.5) という KB を公開しています (KB のサイト で “Operational Limits for Site Recovery Manager” というキーワードで検索すると、他の SRM のバージョンの KB も検索結果から参照できます)。
Operational Limits for Site Recovery Manager 6.5 (2147110)
上記 KB 内で、IP Customization Maximums for Site Recovery Manager 6.5というセクションに記載されている内容 (以下はその抜粋) がサポートされる構成となります。
=== KB2147110 より抜粋 ===
IP Customization Maximums for Site Recovery Manager 6.5
If you implement IP customization for recovered virtual machines, you can configure a maximum of one IP address for each NIC, using DHCP, static IPv4, or static IPv6. For static IPv4 or IPv6 addresses, you provide the following information per NIC:
・1 IP address
・Subnet information
・1 gateway server address
・2 DNS servers (primary and secondary)
====================
上記、KBのポイントは、「仮想マシンの個々 (複数) の vNIC に、それぞれ 1つの IP アドレスが割り当てられている構成がサポートされる構成」 という点です。
似ている構成として、「仮想マシンの 1つ vNIC に複数の IP アドレスが割り当てられている構成」 も考えられますが、以下の KBで公開されている通り、この構成は、SRM の IP カスタマイズではサポートされませんので、ご注意ください。
Can I use multiple IP addresses mapping to a single NIC with vCenter VMware Site Recovery Manager’s IP customization? (2129186)
今回触れた SRM の Compatibility Matrixesですが、日々の活動の中で、意外と存在を知られていない、と感じる事が続いた為、今回はこの件をピックアップしてブログにさせて頂きました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。今回は以上となります。またの機会をお楽しみに。