皆さまこんにちは。TAM の辻です。
平素より弊社製品をご利用いただきありがとうございます。
前回に引き続き、Reduced Downtime Upgrade(RDU)機能を利用した VMware vCenter Server Appliance ( 以下 vCenter Server ) のアップデート・パッチ適用についてご紹介いたします。
今回は本シリーズ第二弾として、「RDU 機能の実施ステップ」パートを中心に、具体的な作業画面を交えてご紹介をしたいと思います。
RDU 機能の概要、事前準備については前回ご紹介しておりますので、ご覧になられてない方はこちらも合わせてご覧下さい。
■目次
■Reduced Downtime Upgrade の実施ステップ
Reduced Downtime Upgrade 実施ステップについて、検証環境での実行画面を使ってご紹介します。
本内容を通じて作業の概要と大まかな流れを抑えていただけますと幸いです。
今回 vCenter Server 8.0 Update 2e から vCenter Server 8.0 Update 3d へのパッチ適用を実施します。
※事前準備については、Part1 でご紹介しておりますので、ご覧になられてない方はこちらも合わせてご覧下さい。
事前にダウンロードしておいた ISO イメージをデータストアに配置し、対象の vCenter Server 仮想マシンに ISO イメージを接続します。
vSphere Client のインベントリ画面で対象の vCenter Server の FQDN を選択し、アップデートタブを選択します。
表示された ISO ファイルバージョンが接続した ISO イメージと一致していることを確認し、「次へ」を選択します
vCenter Server のバックアップを取得し、チェックを入れて「次へ」を選択します。
[プラグインのアップグレード] を選択します。
処理が開始されるため、100% になるまで待ちます。処理が完了すると、自動的にブラウザが更新されます。
ブラウザが更新された後、再度同じ画面に戻り [事前チェックの実行] を選択します。
処理が開始されるため、完了するまで待ちます。
事前チェックが成功したら「次へ」を選択します。
[ターゲット アプライアンス] の構成を選択します。
[ターゲット仮想マシンのデプロイ] ウィザードに従って設定を進めます。
構成に問題が無いことを確認し、[完了] を選択します。
「次へ」を選択します。
ターゲット vCenter Server がデプロイされデータや構成のコピーが完了した後に、ターゲット vCenter Server へ自動で切り替えるか手動で切り替えるかを選択します。今回は、[手動切り替え]を選択して [アップグレードの開始] を実行します。
処理が開始されるので待ちます。タスクを確認するとターゲット vCenter Server がデプロイされていることが確認できます。
※このタイミングでは vCenter Server への接続が途切れません。
アップグレードの準備が完了したら、[切り替え] を選択します。
[切り替えが進行中です] というメッセージが表示されるため、待ちます。
<注意>
切り替え(スイッチオーバー)時には、約10分程度の vCenter Server のダウンタイムが発生します。参考情報になりますが、自身の検証環境では、約12分程度要しました。
[切り替えが完了しました] が表示されたら [VSPHERE CLIENT を開く] を選択します。
vSphere Client を開き、バージョンを確認します。
RDU 完了後、旧 vCenter Server は電源OFF状態で残ります。
旧 vCenter Server 仮想マシンのネットワーク・アダプタが切断されていることを確認します。
参考:vCenter Server upgrades with the reduced downtime – Miscellanous-Important
■連携製品との接続確認
検証した環境では、下記の連携製品は、RDU によるアップデート・パッチ適用完了後についても、vCenter Server と接続できておりました。
連携製品例
- Connection Server (Horizon Admin Console にて対応)
- NSX
- Aria Operations
- Aria Operations for Logs
RDU によるアップデート・パッチ適用完了後、ご利用されている環境にて vCenter Server と連携している製品(3rd Party 製品を含む)での接続状態を確認しておくと良いかと存じます。
■参考情報
- Reduced Downtime Upgrade
- vCenter Reduced Downtime Update in VMware vSphere 8 Update 3
- vCenter Server upgrades with the reduced downtime
- Patching vCenter to 8.0U2 using Update Planner fails with error “Update 8.0.2.00000 for component vlcm is not found”
- Manually cancel the RDU (Reduced Downtime Upgrade) workflow on vCenter Server
■最後に
Reduced Downtime Upgrade 機能を利用した vCenter Server のアップデート・パッチ適用についてご紹介させていただきました。
本機能により、vCenter Server の停止時間を大幅に短縮することが可能ですので、メンテナンス時間を短縮する作業要件がある場合には、ぜひ本機能の活用をご検討ください。
また、本機能の詳細な手順や環境に応じた注意点の整理については TAM のご支援にて対応させていただくことも可能ですので、本投稿含めて、ご不明点、ご相談事項がございましたら、担当 TAM までご連絡ください。