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対談:ママワーク研究所 + ヴイエムウェア 「復職を目指す女性たちの伴走者となり、共に成長させていただく」

10月に発表した女性のための復職支援プログラム“VMware Sakura”は、ヴイエムウェア社内の多くのボランティアに支えられていますが、その企画段階から運営まで幅広くご支援・ご指導いただいているのが、NPO法人 ママワーク研究所様です。
このたび、ママワーク研究所の理事長である 田中 彩 様と、ヴイエムウェア社長の 山中 直 がオンライン対談を行いました。さて、どんな話が展開されたのでしょうか?

<対談>
NPO法人 ママワーク研究所 理事長 田中 彩 様
ヴイエムウェア株式会社 代表取締役 山中 直

 

求職が増えるIT業界は、女性の働くチャンスを広げてくれる分野

山中: 先日はVMware Sakuraの発表イベントにご参加いただき、たくさんの貴重なお話を頂戴しました。ありがとうございます! 社外はもとより社内からも非常に大きな反響がありました。ママワーク研究所様の支援活動は、働きたいと希望されている女性の皆さんのニーズを的確に捉えており、大きな勇気を与えていらっしゃいます。

田中: こちらこそ、お声掛けいただきありがとうございました。ママワーク研究所は、子育てをしながらも自分らしく働きたいという女性たちのサポート活動を行なってきましたが、その目的は、いずれ働きたいと考えている女性たちのために学びの場を提供することであり、さらにはママドラフト会議というイベントを通じて企業との出会いの場を設けるなど、女性が新たな一歩を踏み出すための支援をさせていただいております。

 

 

山中: 本当に素晴らしい取り組みをされていらっしゃると思います。私たちは、そうした先進的な活動をされているママワーク研究所様にとても感銘を受け、私たちが立ち上げた女性のための復職支援プログラムに全面的にご指導・ご協力いただきたいと思ったのです。

田中: ヴイエムウェアさんはVMware Sakuraの他に、どのような社会貢献活動をされているのでしょうか?

山中: 地域のボランティア活動への参加や、障がい者の方々が手作りする“福祉のお菓子”の販売をサポートするsweet heart projectなど、出来ることを見つけては分野に関係なく取り組んできました。
私はいつも我々のメンバーに向けて“People Join Communities, Not Companies”という言葉を伝えています。人というのは、単に会社というハコに属しているわけではなく、お互いが尊重し合いながら共に働くコミュニティを皆なで一緒になって作ることによって、強いチームが出来上がると思っているからです。そしてここ数年は、会社という単位だけではなく、もっと日本の社会、日本という大きなコミュニティに対して貢献できることがあるのではないか? という思いが強くなってきました。それがSakuraのプロジェクトにつながったのです。
Sakuraで提供する無償プログラムの多くは、ヴイエムウェアがテクノロジー領域で培ってきた膨大なスキルがベースになっていますが、日本ではまだまだIT分野で活躍する女性の比率は海外ほど高くはありませんので、技術分野以外の幅広い一般業務領域にまで対象を広げて、さまざまなスキルアップ・プログラムを揃えさせていただきました。
田中様は、Sakuraについてどんな印象を持たれていますか?

田中: ヴイエムウェアさんから初めにご連絡をいただき、Sakuraのコンセプトについて詳しく伺った時には、とにかく「ありがたい!」と思いました。
私たちが市場調査を進めていく中で、ITという市場における求職は今後ますます拡大していき、女性にとっても働くチャンスを広げてくれる分野になるだろうということは分かっていました。けれども、日本ではIT未経験者の女性がとても多く、学べる場所も無い状況では、やる気があってもトライすることができないのが現実だったのです。
そうした中、VMware Sakuraを立ち上げていただき、未経験者でも、現在働いていない人でも、無償でスキルを身につけていただく機会を利用いただけますよ、と手を差し伸べてくれたことがすごくありがたかったのです。
ママワーク研究所でも、業務で利用するアプリケーションソフトの使い方講習などを用意したことはありましたが、あくまで事務系の仕事に必要なスキルを習得するものでした。それに対して、エンジニアとしてのスキルを基礎から学べる、専門性の高いSakuraの幅広いコース・プログラムは、とても魅力的だと思っています。
初めて詳しくお話を伺った時には、本当に素晴らしい取り組みだと思ったので、協力させていただきました。

山中: ありがとうございます。私たちもママワーク研究所様にご協力をいただかなければ、単なるエンジニア向けのトレーニングコース内容になっていたかもしれません。考えてみれば、子育てのために働く現場から離れた女性の皆さんは、エンジニアでない方のほうが多いわけです。Sakuraのコースメニューに、そうした方を対象に、IT業界で働くための基本的なデジタルスキルを身に付けていただくプログラムを用意することができたのも、田中様をはじめとするママワーク研究所の皆様の多岐にわたるアドバイスがあったからこそだと思っています。大変感謝しております。
また、離職され育児のため多忙な生活を送っている方々にとって、我々ボランティアメンバーに直接質問することさえ難しい、ということも教えていただきました。ママワーク研究所様は、そうした女性たちに「伴走者として寄り添う」という素晴らしい仕組みを作られています。それを参考にさせていただいたことで、私たちのプログラムも大変充実したものになりました。今後は、実際に触れ合えるワークショップなどを通じて、なるべく多くの皆さんを支えていきたいと思っています。

 

働く女性たちを応援する企業ネットワークを広げたい

田中: VMware Sakuraの取り組みで素晴らしいと思うのは、テクニカルな質問に答えていただけるということ以外にも、実際にエンジニアとして活躍する女性社員の皆さんから、どうすればITという分野でキャリアを積んでいけるのかといった、実体験を伴ったノウハウを聞けることです。IT業界での働き方、生き方に関する具体的なイメージを伝えていただけるチャンスというのはなかなか得られないので、とても大きなエンパワーメントを与えてくれると思います。そういう面で、VMware Sakuraの価値は高いと思います。

山中: 確かに、現役のエンジニアがボランティアとして参加するワークショップを提供できるというのは、私たちの強みでもあります。

田中: デジタルに関する知識を習得することは、首都圏はもとより、地方で暮らす女性たちにとっても非常に重要です。Sakuraはオンラインで受講できるので、大変有効な手段になります。ぜひ多くの皆さんに周知いただけるよう、広く告知を行なっていただきたいと希望しています。
そして次のステップとしては、学んだ後に実際に働けるチャンスを得られる環境を整備することも必要です。人材を受け入れていただける応援企業のネットワークが広がっていけば良いと思っています。

山中: それについては、私も今後の展開として一番楽しみにしています。
ヴイエムウェアには、お客様に製品をお届けするプロセスとして幅広いパートナー企業のエコシステムが構築されています。まずは、そうしたパートナー様の中からご賛同いただける企業が現れ、Sakuraを卒業した皆さんの就職先として受け入れをご検討いただける“共感パートナー”になっていただけたら良いなと考えています。もちろん、そのための仕組みづくりが今後の課題となりますが、一日も早くスタートできるよう頑張りたいです。
また最終的には、IT業界のみにとどまらず全国のユーザー企業様にも、このプロジェクトにご賛同いただけるよう、これから積極的にご紹介していきたいと思っています。

場合によっては、他のテクノロジープロバイダーさんに講習を提供してもらっても良いと考えています。そもそもこのプロジェクトは、ヴイエムウェアが優秀な人材を確保しようというものではありません。あくまで目的は、女性が活躍できる場を増やすことであり、日本の大きなITコミュニティの活性化にあるのです。

 

 

田中: ぜひヴイエムウェアさんを中心に、VMware Sakuraが広がっていけばと思います。まずは、なるべく多くの女性の方にSakuraのプログラムをご利用いただきたいですね。
ヴイエムウェアさんがSakuraの提供内容を検討されている中で、私がひとつご提案させていただいたことがありました。それは、現在働いていない方だけではなく、非正規で雇用されている方も対象に含めてほしいということでした。と言うのも日本の場合は、一人親家庭の母親の8割は働いているのですが、子供を育てる責任があるため、やむなく非正規で働いているケースが少なくありません。そういう方にこそ、Sakuraを活用してステップアップのチャンスを得てほしいと思っています。

山中: その通りですね。もちろんITの技術を学ぶことも大切なのですけれど、Sakuraのプログラムをステップアップのためのきっかけとしてうまく使ってもらって、働くことへの自信をつけていただくことが重要だと思っています。
特にIT業界というのは、働き方にデジタルテクノロジーを先進的に取り入れることが可能なので、リモートワークを始め、子育てをしながらも柔軟に働ける環境を整えやすいと思っています。私たちが手本となることで、そうした環境整備が進んでいくと良いのですが。

田中: 山中さんのそういう思いを、ぜひローカルなIT関連企業にまで広く浸透させていってほしいです。

山中: そうですね。先ほど申し上げたパートナー企業のエコシステムをうまく機能させて、大きなコミュニティへのアプローチを進めていきたいと思います。

田中: 私たちは、働きたい女性たちが企業の方と直接出会う場として、“ママドラフト会議”と呼ぶスピーチ会を様々な都市で開催しています。最初は自信がなさそうにしている皆さんですが、企業のご担当者の前でスピーチをして、彼らが「いいね!」と応援してくれる中で、少しずつ自信を付けていきます。
今後、Sakuraを基盤としたネットワークの中で、ITにチャレンジしていく女性たちを応援してくれる企業が増えていくように、私どもも協力してまいります。知らない世界は、始めは怖いですけれど、トライしていきましょう!と多くの方にお勧めしていきたいと思っています。

 

 

山中: ありがとうございます。
実はこうした取り組みというのは、単なる社会貢献活動にとどまらず、自分たち自身の学びにもつながりますし、最終的にはそうしたスタンスが企業のアイデンティティを形作っていくと考えています。VMware Sakuraを通じ、復職を目指す女性たちの伴走者となって一緒に走ることで、我々も共に成長させていただく、ということなのだと思います。
そうしたベネフィットをご理解いただける賛同企業が、これから益々増えていくことを強く願っています。
このような活動は、長く続けることがとても重要です。ママワーク研究所様のお力を借りながら、一歩一歩進めていきたいと思います。田中さん、今後ともご指導ご協力のほど宜しくお願い致します!

田中: こちらこそ、どうぞ宜しくお願い致します。

山中: 本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!