VMware Japan Culture

新卒研修をハイブリッド型で実施 〜自主性を養い、カルチャーを継承する〜

ヴイエムウェアには今年も 28 人の新卒社員が入社しました。4 月 1 日の入社式を皮切りに 2 ヶ月間にわたる新入社員研修が行われましたが、今回はヴイエムウェアとして初めての試みとなる完全ハイブリッド型による研修スタイルを取り入れました。

ハイブリッドとは、オフィスでのリアルな研修とオンライン研修を組み合わせることを意味していますが、今年の実施形態がユニークだったのは、オフィスに足を運んで受講するか、自宅などからリモートで受講するかは、本人が自由に決められるという点にあります。

こうしたハイブリッド型の新卒研修を実施した狙いはどこにあったのか? その目的をご紹介します。

 

自主性を養い、自己の責任感を高めていってほしい

これまで日本の企業で一般的に行われてきた新入社員研修は、全員が同じ場所に集まって受講する集合研修が当たり前でした。おそらく今でもこの形態を採用している企業がほとんどでしょう。コロナ感染が拡大し始めた 2020 年以降は、社員の出社を制限するなどの措置が進んだことからリモートワークが普及し、新入社員研修もオンライン形式を取り入れざるを得ない状況となりましたが、今年の春からはそれもだいぶ緩和され、従来の集合研修が復活した企業も少なくないと思います。

 

これに対してヴイエムウェアは、すべての集合研修への参加をオンラインで行うことを可能とし、対面で受講するかオンラインで受講するかを自分の意思で判断する形としました。

その最大の理由は、社員個々人の自主性を重んじ、自己の責任のもとで業務を遂行するというヴイエムウェアのカルチャーにあります。ヴイエムウェアはグローバル規模で自主性を尊重することを社風としている企業であるため、新入社員にも早々に大きな自由度を与え、そのカルチャーを理解し、体感してもらいたいと考えたのです。

またヴイエムウェアでは、環境への配慮や多様性を重視した「Future of Work」を推進していることから、そうした考え方や規範を研修にも取り入れました。

 

以前の研修では、講習やワークショップを研修プログラムに可能な限り詰め込んで、休む間もないくらい考えてもらうような時間割にしていましたが、今年は何も課題を与えない期間を途中に差し挟むことで、これまで得たものを整理し、その中から疑問や課題を浮かび上がらせ、質問や提案につなげていくような時間に充ててもらうよう、スタイルを大きく転換しました。

そして新入社員には、そうした自分の時間をうまく使いながら、研修の講師を始めとする社員に対して顔を売り、配属後に実際の仕事をスタートさせるための社内環境を自ら主体的に作っていってほしいと伝えました。

学生から社会人になった時には、誰しもその急激な変化に戸惑いますし、大きなストレスも感じるでしょう。しかし、逆にその時期に取った行動は、その後の自身の価値観を固めていく上での貴重な経験にも成り得ます。ですから、新入社員にもなるべく早い段階で私たちが築き上げてきた独自のカルチャーを体感してもらい、ヴイエムウェアの一員になったことを実感してもらいたいのです。

大切なのは、2 か月間の研修を通じて学生のマインドから社会人のマインドへと移行してほしいということです。朝から晩まで人が決めたスケジュールで埋まっているのでは学校と変わりません。スケジュール通りに動いていれば一日が終わる生活から、自分で考え自主的に動けるような生活へと進化したのであれば、大きな目的は達成できたと思います。

 

ハイブリットだからこそ留意すべきこと

このように、今年の新入社員研修は出社とリモートを併用する形で実施し、一定の成果を上げられたと自負していますが、運用にあたってはいくつか細やかな調整も必要でした。

そのひとつが、出社組とリモート組との間でグループが 2 つに分断してしまわないようにすることでした。多くの研修にリモート形式で参加していた新入社員の中には、家族に高齢者がいるため可能な限り他の皆さんとの接触を回避したいという方もいました。そうした様々な事情をすべて取り込みながら、かつ横のつながりの接点を失わせないようにするというのが、オンラインを介したコミュニケーションの難しいところになります。

そこで研修においては、出社組とリモート組の両方を適度に混ぜ込みながらワークショップを行ってもらったり、新入社員同士が自主的に行う飲み会なども必ず Zoom を使って全員で参加できるよう促したりしました。ただし、人事部門があまり介入すると、それこそ自主性を奪いますので、あくまでも適度な関与にとどめるようにしました。

また、社内イベントやオフィスツアーを実施した際には、リモート組の不利益にならないよう Zoom を利用してライブ配信を行なっていました。

 

そして、既存の社員とのコミュニケーションを出来る限り図ってもらうため、月に 2 回ほど企画されている社内イベントをうまく活用して、社員とリアルに顔合わせをする機会を作ってもらいました。4 月初旬の桜イベントには新入社員の大半が参加しましたし、全社会議において新入社員紹介を行った後のビアバーストでは、多くの社員に囲まれて質問攻めに会うなど、徐々にコミュニケーションの輪を広げられていったのではないかと感じています。

また、そうした交流が少しずつ生まれたこともあってか、VMware Foundation という企業信条のもとで行われている自主的な社会貢献活動にも、新入社員の皆さんに積極的に参加してもらうことが出来ています。

こうしたいくつかの課題はあるものの、リモートワークはこれからの業務遂行スタイルの一部としてスタンダードになっていくことは間違いないでしょう。そして、上記のような懸念事項はあるものの、それをはるかに上回るほどのメリットが生まれるのがハイブリッドな働き方なのだと思います。

今年の新入社員研修中にもリモートワークをうまく使って GW に実家に帰省した方がいました。GW が始まる前の早めのタイミングで移動し、オンラインで研修を受講しながら家族とのひとときを楽しみ、東京にはまたタイミングをずらして戻ってくることで、公共交通機関の混雑を避けることが出来たと、本人も大変喜んでいました。

また、新入社員研修にリモート主体で参加しながらも、時々出社してオフィス内の好きな場所で気分転換を図っているという社員もいました。席を変えれば見える景色も違って、リフレッシュ出来るのだと言います。

 

以下に数人の新入社員からコメントをもらいましたのでご紹介します。

 

  • ハイブリッド研修に関する感想

これからの働き方だと感じています。大学の同期の中には、先輩よりも早く出社をして、掃除などを行っていると聞いている中で、自身の体調や、研修内容に応じて受講環境に選択肢がある点が良いと感じました。また出社する事で同期にも会えたり、先輩にも会えて、良い関係性を構築する事が出来ています。
(2022 年新卒 樋田)

 

出社の選択肢がある事が、大学時代の同期に羨ましがられます。体調が悪くなった際にも、選択肢があるお陰で研修に後れを取らずに参加が出来たので、ハイブリッド研修のメリットを感じる事が出来ました。
(2022 年新卒 水野)

 

  • ヴイエムウェアに関する感想

入社する前は、口コミなどではとても良いコメントが多く、多様性を尊重する環境と思っていましたが、すこし疑っている部分もありました。しかし2か月間の研修を通じて、山中さんをはじめお会いする社員の方々の考え方に触れ、コメント通りである事を実感しています。また研修内でも、Inclusion や Foundation のトレーニングで考え方を学ぶ機会があり、今後はそれを実践して行こうと思います。
(2022 年新卒 樋田)

 

会社の規模も大きいので、堅い会社のイメージがありました。同期や社内での人間関係構築など、不安な点もありましたが、Workplace チームが用意されたビアバーストやランチ Meet Up などのイベントがあり、2 か月で不安がなくなりました。また会社が、社員のパフォーマンスを出せる環境(柔軟な働き方、服装)を提供してくれており、結果を出せる様に頑張らなければならないと感じています。
(2022 年新卒 水野)

 

コミュニティの一員として、失敗を恐れずに進め

6 月からは、各人が配属された部門で職種ごとに分かれた研修がスタートしています。営業であればインサイドセールスの実践的な研修を行い、その他の職種でも技術な研修が始まります。

そのように別々の道を進みつつも、新入社員同士は横のつながりをさらに深めようとしています。すでにお互いに強い興味を持ち始めているのです。しばらくリモート環境で接点を作ってきた同士でも、実際に会った時にはやはり少し印象が違うようで、面と向かって会って、近い距離で話をすることで「お互いがより分かり合える」という事を今まさに体感しているところなのだと思います。

社長の山中は「People Join Communities, Not Companies」というメッセージを発信し続けています。人は企業に属しているのではなく、一緒に働く仲間と共にあるのだということですが、リモートワークが進めば進むほど、この言葉が実感できるようになっていくのではないでしょうか。

新入社員の 28 人は、今は「とにかく早く仕事を覚えて、会社の役に立ちたい」という気持ちが先立っていると思います。ですが、彼ら、彼女たちは既にヴイエムウェアというコミュニティの中に居て、そのコミュニティが築き上げてきたカルチャーを次の世代に継承していく役割を与えられています。まずは、今後も職種ごとに別れて行われる研修を通じて、そのことをしっかりと意識に根付かせていってほしいと思います。

もちろん、カルチャーはどんどん変化していく可能性がありますが、コミュニティの中で多様なメンバーが積極的に接点を持ち、アイデアを出し合っていけば、そのカルチャーはさらに深みを増していくことになるでしょう。今年新たにヴイエムウェアの社員として加わった皆さんには、そのカルチャーの次世代の担い手として、失敗を恐れずに積極的に前に進み、逞しく成長していってほしいと願っています。