VMware Cloud on AWS には、複数の vCenter Server を1つのインターフェースにまとめて表示する「vCenter Linking」という機能があります。今回は vCenter Linking の概要についてご紹介します。
目次
vCenter Linking とは
vCenter Linking とは、複数の vCenter を1つの管理インターフェイス(vSphere Client)にまとめて表示する VMware Cloud on AWS の機能です(図1)。
図1 vCenter Linking で統合された vCenter の一覧(vSphere Client 画面)
vCenter Linking は、VMware Cloud on AWS の相互接続サービス「VMware Transit Connect(以下 Transit Connect)」を構成している環境で利用できます。Transit Connect を使用すれば、Software-Defined Data Center(SDDC)とオンプレミス、およびアマゾン ウェブ サービス(AWS)を相互に接続できます。詳細は、ブログ「VMware Transit Connect の接続構成パターン」をご覧ください。
同様に、Transit Connect を構成すると複数の SDDC 間で相互接続が可能になります。この時、後述する vCenter 同士の関連付けを行うと、1つの管理インターフェイスで複数の vCenter へアクセスできるようになります(図2)。
図2 vCenter Linking の構成イメージ
数クリックで準備できる
vCenter Linking は、数クリックで使えるようになります。VMware Cloud on AWS の管理インターフェイス「VMC コンソール」から SDDC Group 画面を開きます。SDDC Group とは、複数の SDDC を相互接続する環境を構成する管理グループです。相互接続された SDDC は、SDDC Group 画面にリストで表示されます(図3)。
図3 SDDC Group の構成画面
SDDC Group 画面で「vCenter Server の関連付け」タブを選択します(図4)。その後、「すべての VCENTER SERVER をリンク」を選択すると自動的に vCenter の関連付け処理が実行されます(10分程度で完了します)。この時、vCenter の関連付けで必要なファイアウォールのルールも自動的にセットされます。
図4 vCenter Server の関連付け画面
処理が終了すると、SDDC Group 画面の「vCenter Server のリンクステータス」が「関連付け」に変わります。その後 vSphere Client を開くと、関連付けした vCenter が登録された画面を表示できます(図1)。
まとめ
VMware Cloud on AWS とデータセンター、および AWS 間の相互接続には VMware Transit Connect が活用できます。さらに vCenter Linking を使えば、複数の SDDC 環境でも効率よく仮想マシンを管理できます。準備もきわめて簡単なので、ぜひご活用ください。
関連情報リンク
- ドキュメント「VMware Cloud on AWS Operations Guide – Use vCenter Linking in a SDDC Group」(英語)
- ドキュメント「VMware Cloud on AWS Operations Guide – VMware Transit Connect を使用した SDDC 展開グループの作成と管理」
- ブログ「VMware Transit Connect – VMware Cloud on AWS のためのシンプルかつ柔軟なネットワーク構成」
- ブログ「VMware Transit Connect の接続構成パターン」