VMware 内野です。
VMware では仮想基盤をより安定して運用して頂くために VIB に関してアクセプタンスプログラムという認証プログラムを持っております。今回は VIB に関するご説明とアクセプタンスプログラムに関してご紹介させていただきます。
非常に地味ですが、システム選定の際に非常に大切なことですので、ご一読頂ければ幸いです。
VIB (VMware Infrastructure Bundle) とは…..
ESXiの構成上するために以下の様なパーツをまとめたファイルを VIB (VMware Infrastructure Bundle) と呼んでおります。
よくある VIB ファイルの構成例:
・ESXiベースイメージ(ESXi Kernel)
・デバイスドライバ
・CIMプロバイダ
特定のハードウェアを認識させる場合、該当のハードウェア専用の VIB ファイルをインストールさせてから動作させる必要が多いため、デバイスドライバの様なイメージで捉えて頂いている方も多いのではないでしょうか。
その為、特定のハードウェアを利用する為に、該当のハードウェアメーカー様が提供されている VIB ファイルを ESXi にインストールするという形なります。Windows のデバイスドライバと同じ考え方だと思って頂ければわかりやすいかと思います。
アクセプタンスレベルの分類
VIB にはデバイスドライバ等、システムを安定的に稼動させるために必要な多くのプログラムが含まれております。デバイスドライバ等、システムにロードされるプログラムの品質が悪いと仮想基盤自体を不安定になってしまう要因となることがございます。
そのような仮想基盤が不安定になってしまう要因を取り除くために品質テスト・動作テストというのが非常に大切になってまいりますが、VMware では下記の 4 つのレベルに分類して品質テスト・動作テストを実施しております。
- VMwareCertified
- VMwareAccepted
- PartnerSupported
- CommunitySupported
以下、4 つの項目に関して 1 つずつ説明させていただきます。
“VMware Certified” に関して
VMwareCertified 許容レベルは、最も厳しい要件です。このレベルの VIB では、同じテクノロジーに対して VMware 内部で行われる品質保証テストと完全に同等の詳細なテストが行われます。現在このレベルでは、I/O Vendor Program (IOVP) プログラム ドライバのみが公開されています。この許容レベルの場合は、VMware が VIB に対するサポート コールを受けます。
“VMware Accepted” に関して
この許容レベルの VIB では検証テストが行われますが、このテストはソフトウェアのすべての機能を完全にテストするものではありません。テストはパートナーが実行し、VMware がテスト結果を確認します。現在このレベルで公開されている VIB には、CIM プロバイダや PSA プラグインがあります。VMware では、ユーザーがこの許容レベルの VIB に関してサポート コールを行った場合、パートナーのサポート組織に問い合わせるように案内しています。
“PartnerSupported” に関して
PartnerSupported 許容レベルの VIB は、VMware が信頼するパートナーによって公開されます。そのパートナーがすべてのテストを実行します。VMware はテスト結果を確認しません。このレベルは、パートナーが VMware システム用に採用する、新しいテクノロジー、または主要ではないテクノロジーに使用されます。現在このレベルでは、標準以外のハードウェア ドライバを使用する、Infiniband、ATAoE、SSD などのドライバ VIB テクノロジーが公開されています。VMware では、ユーザーがこの許容レベルの VIB に関してサポート コールを行った場合、パートナーのサポート組織に問い合わせるように案内しています。
“CommunitySupported” に関して
CommunitySupported 許容レベルは、VMware パートナー プログラムに参加していない個人または企業が作成した VIB に使用されます。このレベルの VIB に対しては VMware が承認したテスト プログラムが実行されておらず、VMware のテクニカル サポートや VMware パートナーによるサポートを受けられません。
まとめ
アクセプタンスプログラムは皆様の仮想化基盤の安定稼動を目的としたプログラムです。仮想基盤の新規構築・更新の際には、アクセプタンスレベルも含めてご確認頂きますようお願いいたします。
特に Community Supported レベルの VIB をインストールする必要がある場合は、テクニカルサポートに関しては、ユーザー企業様・販売会社様の自己責任となる可能性があることをご認識の上、ご検討頂ければと思います。
VMware としては、より上位のアクセプタンスレベルの製品 (VIB) を選定して頂きますよう推奨させて頂いております。
なお、詳細に関しては下記ドキュメントをご参照ください。
[参考ドキュメント]
ホストと VIB の許容レベルの管理
内野