TIPS & Information vSphere

ESXi 6.0 パッチ適応に関して

はじめに

VMware vSphere 6.0 がリリースされて3ヶ月ほど経ちますが、2015年6月11日現在、ESXi 6.0 に対して2つのパッチが出ています。このパッチ適応に関して、いくつかトラブルが報告されているようですので、今回の Blog では安全なパッチ適用方法をご案内します。なお、このパッチ適応方法は恒久的な物ではなく、あくまで現存する問題を回避するための手法を示す物ですのでご了承下さい。

https://my.vmware.com/group/vmware/patch#search

確認している問題

 HP 社の Gen9 サーバに、HP 社の提供する Custom イメージでESXi 6.0をインストールした後、VMware 提供のパッチ(ESXi600-201505001 / 04001)を当てるとリブート後ローカルディスクが見えなくなる。

 ローカルディスクが見えなくなる現象が確認されているのは、現在HP 社の Gen9 サーバですが、影響の差はあれ、他のOEMのカスタムイメージでも何かしらの不具合が発生する可能性があります。不意に VMwareのドライバに置き換わってしまう可能性があるためです。

 OEM カスタムイメージ一例はこちら(VMware のサイトで提供分)

 ※各 OEM サイトにて提供されているカスタムイメージも同様です。

  元々 VMware 提供のバイナリでインストールを実行し、ドライバを変更していない場合はこの限りではありません。

詳細

コマンドラインにてパッチ適応を行う場合、通常以下のコマンドを利用しますがこの場合発生します。

 esxcli software profile update -d <path>/ESXi600-xxxx.zip -p <profile-name>

本来パッチ適応には利用すべきでなはいコマンドですが、以下のコマンドでも発生します。

 esxcli software vib update -d <path>/ESXi600-xxxx.zip

関連KB
http://kb.vmware.com/kb/2110557

原因

 ESXi 6.0 で各 OEM が提供するESXi 6.0のカスタムイメージの中には、VMware 提供のパッチに含まれるドライバより “バージョンが古いと認識される物” が含まれます。例えば、HP 社のカスタムイメージに対し、上記コマンドで VMware 提供のパッチを適応すると、以下のドライバがVMware の物と置き換わります。

  ・scsi-hpsa 5.5.0.84-1OEM.550.0.0.1331820 —–> 6.0.0.44-4vmw.600.0.0.2494585
  ・qlnativefc 1.1.39.0-1OEM.550.0.0.1331820 —–> 2.0.12.0-5vmw.600.0.0.2494585
  ・scsi-mpt2sas 15.10.06.00.1vmw-1OEM.550.0.0.1198610 —–> 19.00.00.00-1vmw.600.0.0.2494585

 scsi-hpsaのドライバが置き換わる影響で、Gen9サーバでは、リブート後ローカルディスクが見えなくなります。

 HP社推奨のドライバリストはこちらです。

http://vibsdepot.hp.com/hpq/recipes/HP-VMware-Recipe.pdf
※通常、OEMのカスタムイメージに含まれるドライバ群は、VMware提供のパッチよりドライババージョンが新しいため、update オプションを指定してコマンドを実行すれば置き換わってしまうことはないのですが、今回のESXi 6.0 のOEMカスタムイメージ場合はドライババージョンが古い物が含まれているためこの様な問題が起こります。
回避方法

 パッチの中から、必要なモジュールのみインストールします。今回の、ESXi600-201504001 及び、 ESXi600-201505001 の場合は、esx-base のみ更新されていますので、以下のコマンドで、esx-base のみ更新してください。

 esxcli software vib install -d <path>/ESXi600-201504001.zip -n esx-base

パッチにてアップデートされたモジュールに関しては、こちらを参照いただき、必要なモジュールのアップデートをお願いできれば幸いです。


VMware ESXi Patch Tracker

https://esxi-patches.v-front.de/
ご迷惑おかけして誠に申し訳ありませんが、上記ご認識のほどよろしくお願いします。