みなさん、こんにちは。
前回に引き続き Orchestrator に関する 2 回目になります。
今まで仮想化環境の自動化はどう行っていますか。 Power CLI 等個別でスクリプトを作り込んでいたのではないでしょうか。個別でスクリプトを作り込む場合、例えば、データベースへの接続や Active Directory への接続等全てを作り込む必要があるので、非常に工数が必要な作業だと思います。
Orchestrator を使うことにより、個別カスタマイズを極力減らして、自動化の恩恵を受けることできます。
Orchestrator の注目度の高さは弊社のブログの PowerCLI のスレッド数と Orchestrator のスレッド数が比べてみると最近、非常に注目度が高いことがわかると思います。
VMware コミュニティへの新規スレッド数 [PowerCLI VS Orchestrator]
[出所 URL]
http://technodrone.blogspot.com/2014/01/vcenter-orchestrator-finally-gaining.html
上記グラフからもわかる通り Orchestrator は利用者数が伸びており、コミュニティでのやり取りも活発になっています。もし、Orchestrator で探している情報があれば、是非、Orchestrator ブログもチェックしてみてください。
VMware Orchestrator Blog (英語)
http://blogs.vmware.com/orchestrator/
また、Orchestrator は既存の PowerCLI を実行することもできるので既存のPowerCLI も無駄にすることなく利用できます。
では、Orchestrator のアーキテクチャに関して以下の項目に沿ってご紹介させていただきます。
- 利用環境の種類に関して
- アーキテクチャ(概要)
- プラグイン
- ライセンス
- 保守
まずは、Orchestrator の環境をどのように準備するかに関して説明します。
Orchestrator ですが、以下のとおり、Windows 版とアプライアンス版の 2 つが用意されています。
- Windows 版
- アプライアンス版
[Windows 版]
Windows 上に vCenter を Simple Install することにより Orchestrator も自動的にインストールされます。
Windows 版の vCenter をインストールを行った人は既に多くいるかと思いますが、その方々は既に Orchestrator のインストールも完了していることになります。
但し、Orchestrator のサービスは標準では自動的に起動しませんので、利用する際にはサービス (VMware vCenter Orchestrator Configuration / VMware vCenter Orchestrator Server) を手動で起動 (もしくは、自動的に起動するように設定変更) する必要があります。
[アプライアンス版]
アプライアンス版に関しては、下記の VMware のダウンロードサイトから ova ファイルをダウンロード・展開することにより利用することができます。
https://my.vmware.com/jp/web/vmware/details?productId=352&downloadGroup=VCL-VCOVA_550
OVA ファイルは Windows 環境を用意することなく非常に簡単に展開することが可能です。
vCenter Orchestrator のアーキテクチャの概要に関して示します。
Orchestrator 自身はワークフローの制御を行い、他のシステムとの連携はプラグインで行う形になっています。
その為、Orchestrator 側でのワークフローの作成は連携するシステムが異なっても同一の手順でワークフローを作成することが出来ます。異なるシステムと連携する際には利用するプラグインを変えるだけで利用することができます。
専用の管理画面からシンプルな操作性を実現しておりますので、ワークフローを作成する際には多くの操作をドラッグアンドドロップでワークフローの作成や INPUT や OUTPUT 等の引数の受け渡しを行うことが可能です。
Orchestrator がワークフローを管理して、プラグインを経由して外部システム等と連携を取り、様々なシステムに連携したワークフロー簡単に作成することが可能です。
自動化・統合化の恩恵を最大限に享受するためには他のシステムと連携できるかが非常に重要になってきますが、Orchestrator は非常に多くのプラグインを備えております。
vCenter Server やConfiguration Manger 等の VMware 製品はもちろん、REST や SNMP、SQL、SSH 等の標準プロトコルにも対応しているので様々なシステムと連携することが可能です。
さらに Active Directory や Windows PowerShell 等にも連携しているので、社内システムのワークフローを作成する上でも必要な機能が揃っています。
Orchestrator のライセンスは vCenter Server のライセンスに含まれているので Orchestrator 用に追加のライセンスコストは発生しません。
その為、vCenter のライセンスをお持ちの方はすぐに Orchestrator を試すことができます。
Orchestrator の製品自体の保守サポートは vCenter Server の保守に含まれております。
但し、SDK/API等の開発に関するお問い合わせは通常の保守窓口ではお受けしておりません。その為、SDK/API 関連のお問い合わせが必要な場合や商用環境や本番環境に関しては、別途、SDK Support Program のご加入をお勧めいたします。
VMware SDK Support Program
https://www.vmware.com/support/services/sdk.html
次回以降は、vCenter Orchestrator の実際の画面をいくつかご紹介していきます。
次回以降は以下の内容を予定しています。
3回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(1)- 自動化を想定した使い方
4回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(2)- 統合化を想定した使い方
5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション