仮想化によるサーバ統合によりコスト削減を実現し、次のステップとして更なるコスト削減やインフラ管理の効率化のためにプライベートクラウドの実現を模索されているお客様も多くいらっしゃるかと思います。
ここで今一度、クラウドの定義について整理をしてみたいと思います。
米国国立標準技術研究所 (NIST: National Institute of Standards and Technology)によると、クラウドとは以下5つの特徴によって定義(注)されています。
1.オンデマンド・セルフサービス
2.幅広いネットワークサービス
3.リソースの共用
4.スピーディーな拡張性
5.サービスが計測可能であること
上記3.のリソースの共用のように、仮想化によって実現できることがクラウドの特徴として定義されている項目もありますが、仮想化しただけではクラウドの要件を完全に満たすことはできません。
サービス提供者を介さずにオンデマンドでコンピューティングリソースの提供を可能にするために必要な要素が自動化です。また、需要に応じてスピーディーにインフラの拡張/縮小させるためにも自動化が必要となります。
つまり、クラウドを実現するためには自動化というのは欠かせない要素となるわけです。
自動化と一口に言っても、いくつかのフェーズに分けて実装を進めます。
以下の図にありますとおり、クラウドの自動化に向け5つのフェーズに分けて進めます。
本ブログではVMwareが提供するITプロセスの自動化/オーケストレーションを実現するためのツールであるvCenter Orchestratorを使った自動化の進め方について全5回に分けてご紹介していきます。
Orchestratorは非常に汎用的なツールですので、5つの全てのフェーズで利用可能ですがフェーズ1の自動化、フェーズ2の統合化に絞ってご説明をしていきます。
次回以降は以下の内容を予定しています。
2回目:vCenter Orchestratorのアーキテクチャ
3回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(1)-フェーズ1を想定した使い方
4回目:vCenter Orchestratorを使ってみる(2)-フェーズ2を想定した使い方
5回目:vCloud Automation Centerとのインテグレーション
(注)http://www.ipa.go.jp/files/000025366.pdf
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