1 年の中でも VMware にとって重要な 1 週間が、またやってきました――そう、VMworld です! VMware は今週、San Francisco で VMworld を開催し、私たちのビジョン、戦略、そして製品ポートフォリオの最新情報を発表しています。
今回の発表の中核にあるのは、Software-Defined Datacenter(ソフトウェア定義のデータセンター)というクラウド インフラに関する VMware の新しいビジョンです。このビジョンでは、仮想化のメリットを、コンピューティングだけでなく、ストレージ、ネットワーク、セキュリティ サービスなどの領域に拡張しています。仮想マシンだけでなくデータセンター インフラの各レイヤが、ソフトウェア サービスとして提供されます。
Software-Defined Datacenter を実現するのが、今回発表した VMware vCloud Suite です。vCloud Suite では、仮想化、Software-Defined Datacenter サービス、ポリシーベースのプロビジョニング、災害復旧、アプリケーション管理、システムの運用管理など、クラウド インフラを構築、運用、管理するために必要なコンポーネントが含まれています。
下記は、vCloud Suite のテクノロジーのハイライトです。より詳細を知りたい方は、プレス リリースや製品ページもぜひご覧下さい。
Software-Defined Compute(ソフトウェア定義のコンピューティング)
- VMware vSphere 5.1 では、最高水準のサービスを実現するために、100 以上の新機能および機能強化が含まれています。主要な改善点には、さらに高性能になった仮想マシン(VM)や、計画外のダウンタイムを回避するための機能、より強固になったネットワーク機能などが含まれています。
- vSphere 5.1 では、『モンスター VM』が更に強力になって帰ってきました。最大で 64 の仮想 CPU を持つ VM をサポートするほか、VM あたり 100 万 IOPS ! という新たな記録を打ち立てました。性能チームのブログ(英語)を参照して、ベンチマーク テストの詳細を確認していただければと思います。
- vSphere は、既存のアプリケーションだけではなく、PaaS やビッグデータといった次世代のアプリケーションの基盤になることも考慮されています。実際、オープン PaaS である Cloud Foundry のバックボーンとして vSphere が動作するほか、Hadoop を vSphere 上で動かすための Project Serengeti があります。
Software-Defined Storage & Availability(ソフトウェア定義のストレージと可用性)
- vSphere 5.1 は VMware vMotion を強化し、共有ストレージを必要としない VM のライブ マイグレーションを可能にしています。
- また、vSphere 5.1 には、より信頼性を高め、簡単に VM のバックアップとリカバリを行える新製品 VMware vSphere Data Protection が含まれているほか、コスト効率に優れた災害対策のための VMware vSphere Replication、そしてより効率的に VM のセキュリティを実現する VMware vShield Endpoint が含まれています。(vSphere の Essentials Plus 以上のライセンスを購入することでこれらの機能を利用できます)
- 災害復旧を簡素化、自動化する製品の最新バージョンである VMware Site Recovery Manager 5.1 は、災害時にサービス プロバイダのクラウドに自動的にフェイルオーバ可能な災害復旧サービス(DR-to-the-Cloud)を提供するサービス プロバイダ エコシステムのサポートを受けています。
Software-Defined Networking & Security(ソフトウェア定義のネットワークとセキュリティ)
- VMware vCloud Networking and Security には、VXLAN 管理機能と VMware vShield Edge/App などが含まれ、Software-Defined Networking の一連の機能と、仮想スイッチからレイヤ 4-7 向けサービスまで、ネットワーク仮想化の包括的なソリューションを提供します。
- vSphere 5.1 では、分散仮想スイッチ(VMware vSphere Distributed Switch)の機能を大幅に強化しました。ネットワークの健全性チェック、構成のバックアップ リストアなどの新機能を使うことで、仮想ネットワークの管理とトラブルシューティングが簡素化されます。
- 加えて、vSphere 5.1 は、SR-IOV(Single-Root I/O Virtualization)をサポートしており、低遅延が必要なアプリケーションのためにネットワーク性能を最適化することができます。
プロビジョニング
- VMware vCloud Director は、ソフトウェア定義の様々なサービスを統合し、完全な仮想データセンター(VDC)をわずか数分で利用可能にします。vCloud Director 5.1 は、強化された API と拡張性のあるフレームワークを備え、外部のさまざまなインフラサービスにも接続できます。
- vCloud Suite には、vFabric Application Director と vCenter Operations Management Suite が含まれ、アプリケーションの迅速なプロビジョニング、キャパシティ・パフォーマンス・コンプライアンス管理におけるインテリジェントな自動化を実現します。
- vCloud Connector により、クラウド間でのワークロードの負荷分散、ハイブリッドクラウドの管理に対応できます。
- ヘテロジニアス環境対応へのニーズが出てきていることを VMware は認識しています。vCloud Suite には含まれていませんが、自動化と統合管理に関しては Dynamic Ops を通して、Software-Defined Networking に関しては Nicira を通して、他のクラウドや物理インフラへと対応を拡張しています。
vCloud Suite、vSphere のライセンスはプロセッサ単位で付与されます。1プロセッサあたりのコア数や vRAM に関する制限はありません。
また、期間限定で、vSphere Enterprise Plus の既存顧客は、VMware vCloud Suite 5.1 Standard に無料でアップデートできます。Enterprise Plus をお持ちのお客様はぜひご検討下さい。
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