先日のブログでは、新製品の VMware vCenter Operations Manager を使うことで、システムの状態を容易に把握できることを説明しました。管理者は、従来のように大量の生データを直接見るのではなく、vCenter Operations Manager が解釈を加えた情報を見ることで、今までよりもずっと速くシステムの状態を理解することができるようになります。
本日のエントリでは、vCenter Operations Manager の代表的な使い方の 1 つとして、 仮想環境の統合率を最適化する方法について紹介します。
統合率とサービスレベルのバランスをとる
仮想環境の統合率はコストに直結する大事な指標です。統合率が高まれば、より少ない台数のホストで運用ができるようになり、ハードウェアや消費電力などさまざまなコストを削減できるからです。
しかし、統合率を高めることにはリスクが伴います。統合率を高めると、CPU やメモリなどのリソースをより限界に近い状態で使うことになるため、性能問題やリソース枯渇などが起こる可能性が高まるからです。
この両方のバランスをとること、つまり、サービスレベルの低下を招かずに高い統合率を実現するという点が仮想環境における重要な課題の 1 つです。
無駄に使われているリソースを回収する
vCenter Operations Manager は、この課題の解決に役に立つ機能をいくつか持っています。1 つの機能は、システムで無駄に使われているリソースを可視化してくれるという点です。
具体的には、Reclaimable Waste バッジを見ることで、どれぐらいのリソースが無駄に使われているのか(つまり回収可能なのか)がわかります。この例では、7 つの仮想 CPU、116 GB のストレージ、13.8 GB の仮想メモリです。管理者は、これらのリソースを回収することで、より多くの仮想マシンをホスト上に走らせて統合率を高めていくことができます。
無駄であると判断された理由も知ることができます。仮想マシンが、アイドル状態であるか、電源オフである時間が長いか、オーバーサイズであるかです。前もって設定された基準をベースに、該当する仮想マシンが自動的にリストアップされます。
重要なのは、このような分析を vCenter Operations Manager は自動で行ってくれるというところです。このような無駄を 1 つ 1 つ管理者が発見しようとすると、大きな手間がかかります。それぞれの仮想マシンがアイドルかどうか、オーバーサイズでないかどうかを判断するのはとても時間の掛かる作業であるとともに、経験の要る作業です。このような分析を自動で、かつ的確に行ってくれるのが vCenter Operations Manager の利点の 1 つです。
最適な統合率を知る
vCenter Operations Manager は、システムにおける最適な統合率を提示する機能も持っています。
具体的には、Density バッジを見ることで、仮想マシン、CPU、メモリの最適な統合率がわかります。下記の図のように、ホストあたりの仮想マシン数(VM : Host Ratio)、物理 CPU あたりの仮想 CPU 数(vCPU : CPU Ratio)、物理メモリと仮想メモリの比率(vMEM : Physical Memory)、という 3 つの指標があり、それぞれにおける最適値と現在値が表示されます。
最適な統合率は、vSphere HA (High Availability)によって確保されたリソースや、前もって設定された CPU やメモリのバッファ量を考慮した形で計算されています。これによって、管理者はどれぐらいシステムの統合率を高めても大丈夫かという基準を得ることができます。この例では、現在の統合率が 1.57 で、最適な統合率は 17.5 であると表示されており、システムは統合率を上げるためのリソースがまだ十分に残っていることがわかります。
本日のエントリでは、vCenter Operations Manager の統合率を最適化する機能について紹介しました。
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