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vCenterで確認できるメモリ情報の見方について

仮想環境を運用する上で、メモリの利用状況の確認は非常に重要な情報の1つとります。
今回は、VMware® vCenter Server™(以下vCenter)から確認できるメモリ情報の見方をご紹介したいと思います。
vCenterでは、以下の3つの画面でメモリの状況を確認することができます。

  1. 仮想マシンのハードウェア
  2. ホストメモリ
  3. ゲストメモリ

最初に、仮想マシンのハードウェアで確認できる値を紹介します。

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図1.仮想マシンハードウェア

図1で確認できる通り、「仮想マシンハードウェア」の画面で表示される、メモリに関する情報は以下のように表示されています。

  • メモリ使用率:2048MB、266MB使用
  • ホストオーバヘッド:41MB

メモリ使用率で表示される、最初の値(2048MB)は、仮想マシンを作成した際にメモリとして設定をした値となります。
次に、XXXMB使用(266MB)の部分は、以前のC#クライアントでは「アクティブなゲストメモリ」と表示されていた項目となっており、仮想マシンが活発に利用しているメモリを、一定期間の内部統計値より計算しています。
ホストのオーバーヘッド(41MB)は、仮想マシンをパワーオンするために必要なオーバーヘッド メモリの量となっており、内部的にはページ・テーブルなどの情報を含んでいます。
見積に関してはマニュアルを参照ください。(仮想マシン上のオーバーヘッド メモリ

次に、「監視」タブの「リソース割り当て」で確認できる情報を紹介します。
ここではメモリ情報として「ホストメモリ」と「ゲストメモリ」の2つのポートレットで情報の確認が可能です。
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まずは、ホストメモリからご紹介します。
ホストメモリで確認できる情報は、ESXi で消費していると認識しているメモリ量を表します。

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図2 ホストメモリ

図2にある通り、メモリに関する情報は以下のように表示されています。
消費:1.83GB、オーバーヘッド:41.00MB、予約、制限、構成済み:2GB、シェア、割り当て最低限度:854.00MB、オーバーヘッド予約:37.87MBの項目があります。
消費(1.83GB)とはホストの物理メモリを仮想マシンが消費しているメモリ量となります。
つまり、今回の例では2GBの割り当てたメモリの内、1.83GBメモリが消費されているということになります。
この項目の注意点として、パフォーマンスタブのメモリ項目の「消費」とは違う点です。
こちらの消費は、オーバーヘッドを含みますが、パフォーマンスタブのメモリ項目の「消費」はオーバーヘッドを含みません。
オーバーヘッド(41.00MB)は、前項で紹介したとおり、仮想マシンをパワーオンするために必要なメモリオーバーヘッドとなっております。「ホストのオーバーヘッド」と同じ値となります。
構成済み(2.00GB)は、前項で紹介したとおり、仮想マシンを作成した際のメモリとして設定をした値となります。
メモリ「使用率」の最初の値と同じ値となります。
割り当て最低限度(854.00MB)は、すべての仮想マシンが割り当てられたリソースを全て消費した場合、該当の仮想マシンに割り当てることができるメモリ量となります。
重度なオーバーコミットが発生した場合、この値に基づいてメモリの確保を行います。
オーバーコミットをしている環境では、注意して確認すべき値の1つとなります。
オーバーヘッド予約(37.87MB)は仮想化オーバーヘッド用に予約されているメモリの量となります。

最後に、ゲストメモリについて紹介します
ゲストメモリとはゲスト OS で消費していると認識しているメモリ量を表します。

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図3 ゲストメモリ

図3にある通り、メモリに関する情報は以下のように表示されています。
有効なゲストメモリ:266.00MB、プライベート:1.73GB、共有:251.00MB、バルーン済み:0.00B、圧縮済み:440.32KB、スワップ済み:23.00MB、未アクセス:583.68KBの項目があります。
有効なゲストメモリ(266.00MB)は、前項で紹介したとおり、実際に読み書きを行っている(物理メモリにタッチしている)メモリの値を、一定期間の内部統計値より計算しています。
メモリ「使用率」の2つ目の値の「XXXMB使」と同じ値になります。
プライベート(1.73GB)とは、仮想マシンが物理メモリとしてバッキングされている容量を表します。
今回の例では1.73GBは物理的にメモリが確保されています。
共有、バルーン済み、圧縮済み、スワップ済みに関しては、マニュアルを参照ください。今回は説明を省略させていただきます。
未アクセス(583.68KB)とは、ゲストにより参照されないメモリの量となります。

今まで紹介した各値は、下図のようにあらわされます。
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vCneter上で確認できるメモリ情報は仮想環境を運用するうえで、有用な情報が多く含まれています。
まずは、こちらの内容を確認後、さらに詳細な調査が必要な場合はメトリック情報を、各種ツールでの取得をして下さい。
例えばvCenter Operations Managerなどを利用すると、仮想基盤の様々な情報を判りやすく取得することが可能となります。