Thought Leadership

デジタルトランスフォーメーションを実現する最新インフラストラクチャ戦略

今日のビジネス環境がかつてないほど急速に変化しているということに、議論の余地はありません。顧客は、新しく、パーソナライズされたデジタル体験を常に期待しています。先進的な組織は、アプリケーションの新規開発や、既存アプリケーションのアップデートを迅速に行ってそうした期待に応え、新たな収益源を生み出しています。

 

ビジネスの場で戦いを続けていくためには、ITリーダーはデジタルトランスフォーメーションを急ピッチで進めなければいけません。最新のアプリケーションを活用する高パフォーマンス企業は、この混乱を極める状況においても一つ上を行っています。

しかしながら、クラウドネイティブアプリ、敏捷性、そして大規模かつ急速なイノベーションの興奮の中で、組織は同じくらい重要なことを見落としているかもしれません。それは、「アプリケーションエコシステムのデジタル基盤を提供するインフラストラクチャを、いかにモダナイズするか」ということです。

VMware, Inc. クラウドプラットフォーム事業ユニット 副社長 兼 ゼネラルマネージャー
ジョン・ギルマーティン(John Gilmartin)

最新インフラストラクチャテクノロジーへの投資

最新インフラストラクチャテクノロジーへの投資について組織のリーダーと話すとき、私は決まって二つの簡単な質問をします。

  1. あなた方のビジネス戦略において、テクノロジーはどういった役割を持つのか?

答えは組織によって異なりますが、カスタマーエクスペリエンスの向上と競争力の面での優位性を得るために、新製品やサービスをより早く提供したいと考えるのは皆同じです。そのため、「デジタルトランスフォーメーション」は、産業界では(使われすぎとまではいかなくとも)一般的な用語となっています。

今年初めにVMwareが委託して実施した市場調査の結果に反映させた通り、私は、こうした組織に共通する優先事項をいくつか聞き取っています。アプリ開発者と、ビジネス/ITの意思決定者たちに、各々の組織のデジタルトランスフォーメーションにおける優先事項をランク付けしてもらったところ、上位は次の通りでした。

  1. 事業効率の向上
  2. カスタマーエクスペリエンスの向上
  3. 既存のテクノロジープラットフォームのアップグレード

これらの優先事項を推進するためには、新たな能力とより高度なスキルセットが必要なのは明らかです。課題は、既存のテクノロジープラットフォームやチームを置き換えるための労力やコスト、リスクの増加を回避しながら、いかにしてそれを実現するかです。

VMwareが委託しVanson Bourneが行った調査によると、開発者やITの意思決定者たちはいずれも、モダンアプリケーションのプロセスとテクノロジーが極めて重要だと考えています。

 

  1. ITチームは、トランスフォーメーションのサポートにどのような投資ができるのか?

リーダー層が採用する新しいテクノロジーとはどのようなものか。ITチームはどのようにして、ビジネスのニーズに迅速かつ効率的に対処するのか。こうした視点は、最新インフラストラクチャ戦略の整備にも役立ちます。良く聞く回答には、次のようなものがあります。

  • Kubernetesを採用する:Kubernetesは、コンテナ化されたクラウドネイティブアプリケーションを大規模に実行する際のデファクトスタンダードとなっています。オープンソースプラットフォームとして常に進化しているため、ITチームは、セキュアかつエンタープライズグレードのKubernetesソリューションを自らが選択したプラットフォームの一部として採用することが求められます。
  • より高レベルのスキルセットを開発する:Kubernetesのような新しいテクノロジーを採用するには、新しいスキルセットや知識が必要です。最新のテクノロジーを運用できるようにITチームを再教育したり、新たな人材を探したりするには、時間もコストもかかるでしょう。習熟が困難なものだと、アプリのモダナイズは遅くなります。繰り返しになりますが、適切なプラットフォームがあれば、ITチームは既知のツールとスキルセットに基づいてそれらを構築し、開発者の生産性を迅速にサポートするとともに、自身のキャリアも向上させることができます。
  • 複数クラウドをまたいでイノベーションを起こす:既にクラウドでの運用を行っているかどうかにかかわらず、多くのIT組織は、将来のマルチクラウドに対応するインフラストラクチャを望んでいます。マルチクラウドコンピューティングにより、ITチームは最大限のスピードと柔軟性で、各アプリケーションに最適なクラウドベンダーやサービスを選択できるようになります。オンプレミスとパブリッククラウドの両方の運用に対応した一貫性のあるハイブリッドクラウドアーキテクチャは、そのための人気のある選択肢です。(同アーキテクチャを利用する場合は)ITチームが現在選択しているプラットフォームを切り替える必要すらないため、自力での切り替えや、(別のサイロを作成する)別プラットフォームの展開によるリスクを回避できます。

 

開発者向けインフラストラクチャの提供(数ヶ月を数週間以内に)

これまで、開発者向けインフラストラクチャを提供するのは複雑なことでした。そこで、ITチームからの(開発者からのインプットがほとんどまたは全くない)リソースの提供を気長に待つ代わりに、開発者はクレジットカードを使って、自分自身でクラウドリソースをさっさと購入するようになりました。しかし、パブリッククラウドは万能薬ではなく、コスト、コンプライアンス、そしてセキュリティなどの面で特有の課題をもたらします。

優れたデジタルカスタマーエクスペリエンスを生み出すには、全員の力が必要です。開発者がIT運用チームやセキュリティチームと緊密に連携すればするほど、アプリケーションは最適な方法で継続的にインテグレーションされ、最も効率的でセキュア、かつ拡張性の高い方法で提供されるようになります。

一方、手動操作を減らして自動化を進めることでも、開発者はイノベーションに要する時間を短縮できます。実際、パフォーマンスの高い組織は、アプリケーションの開発とデプロイに自律的なセルフサービスモデルを採用することの潜在的なメリットについて認識しています。一貫性のあるインフラストラクチャとオペレーションにより、ITチームはプロセスの自動化、オペレーションのスリム化を実現し、多忙な開発者の複雑なニーズの高まりに迅速に応えるとともに、セキュリティと信頼性のためのエンタープライズクラスのガバナンスを維持できます。

アプリケーションのデプロイに自動化パスを採用しなかった場合の5つの主な問題:(上から)(1)バグ/問題の解決までの時間が遅い (2)アプリケーション開発に時間がかかる (3)アプリケーション開発中の欠陥の特定が遅い (4)イノベーションのための時間が減ることによる、モダンアプリケーションの開発数減少 (5)公開中に多数のバグ/問題が発生

 

弊社(VMware)のような企業ITパートナーは、開発者向けインフラストラクチャを構築する組織をサポートします。構築した開発者向けインフラストラクチャは、既存の投資をてこ入れし、Kubernetesの当てずっぽうな運用を取り除き、最終的には開発者とITチームの距離を近づけます。また、企業ITパートナーは、IT組織が現状からスタートして自身のペースでモダナイズを進められるような、柔軟性のあるデジタル基盤を提供します。

2020年に得られた多くの教訓の中の一つは、あらゆる変化がごく短期間に起こり得るということです。企業は変化する周囲の世界について行かなければならず、アプリケーションやインフラストラクチャを待っている余裕はありません。適切なプラットフォーム、パートナー、そして戦略があれば、ITチームは、開発者たちが自由にイノベーションを起こし、デジタルトランスフォーメーションを加速させられるよう設計された、柔軟性のある最新インフラストラクチャを提供できます。

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*US参考資料原文、および参考資料内コメントは下記URLよりご覧ください。(英語サイト)

https://www.vmware.com/radius/modern-infrastructure-strategies-for-digital-transformation/