vSAN

VSAN 6.2 監視ホスト(Witness)の再配置

VSAN 6.2 監視ホスト(Witness)の再配置
この操作は、VSANストレッチクラスタ環境/2ノードVSAN環境で監視ホストを変更する際に行います。具体的には、VSANストレッチクラスタ環境/2ノードVSAN環境を、VSAN 6.1からVSAN 6.2 にアップグレードする際に必要な手順となります。1点気を付けなければいけないのは、クラスタ内のディスクグループとして、オンディスクフォーマットと同一バージョンの監視ホストを使用しなければいけないことです。タスクを要約すると以下のようになります。
1.新しい監視ホストの展開
2.VSANストレッチクラスタ/2ノードVSAN環境を管理しているvCenterに登録されているESXiホストに監視ホストを追加
3.現在のVSANストレッチクラスタ、2ノードVSANを無効化
4.同じ2台のホスト(優先フォールトドメイン、セカンダリフォールトドメイン)、および新しい監視ホストを選択しストレッチクラスタ/2ノードVSAN環境の再構成
5.健全性画面からデータを選択し、オブジェクトをただちに修復するをクリック(そうしないと、新しい監視ホストによるリビルド処理が実行されるまで、60分(デフォルト値)待たなければいけなくなる。)
以下はより詳細なステップです。
・新しい監視ホストの展開
VSANストレッチクラスタ環境では、L3を超えて監視ホストとVSANを構成する物理ホストが通信する必要があり、そのために監視ホストと物理ホスト間の通信のために静的ルートを追加する必要があります。この手順はVSANストレッチクラスタガイドで記載されています。
・VSANを管理しているvCenterに監視ホストを新たに追加
インベントリ内に2台の監視ホストを確認できます。(オリジナルと新しいもの)
.19の監視ホストが新しく展開されたもので、.26が置き換えられる現在のものです。
・既存構成を無効化
監視ホストを削除するために、Cluster>Manage>Virtual SAN>Fault Domain and Stretched Cluster(日本語UIでは、クラスタ>管理>Virtual SAN>フォールトドメインおよび拡張クラスタ)を選択します。
現在の監視ホストである.26を選択します。右側のウインドにあるDisableボタンをクリックします。その後、
Yesをクリックすることで監視ホストを削除することができます。
disable-stretched-cluster
ここでのポイントは、一旦監視ホストを削除すると、全ての監視ホストコンポーネントがAbsent状態となり、何らかのオブジェクトに対するクエリ、もしくは健全性チェックが実行されると、それらの操作は失敗します。
witness-health-issues
・新しい監視ホストの再構成
新しい監視ホストを選択して、ストレッチクラスタ/2ノードVSAN構成の再構成を行います。最初のステップはフォールトドメインの再構成です。元のフォールトドメイン構成が確認可能であるため、単にセカンダリという名前で作成されているフォールトドメインを、セカンダリフォールトドメインに移動すれば良いだけの簡単な手順です。
3.-reconfigure-DFs
次に、新しい監視ホストを選択します。ここでは.26ではなく、新たに展開した.19の監視ホストを選択します。残りのステップでは、ディスクグループを作成するなど、最初に監視ホストの設定を行うのと同じ作業を行います。
4.-new-witness
・オブジェクトをただちに修復
構成が完了した後は、健全性のテストを行います。デフォルトでは60分後にオブジェクトは自動的に修復されますが、その間はリスクが高い状態である(他の問題が発生すると、VMにアクセスできなくなる可能性がある)ため、オブジェクトをただちに修復を行うことをお勧めします。これによりAbsent状態の監視ホストの修復を迅速に行うことができます。再度テストを実行すると、可用性が低くなっているオブジェクトの数は減少し、健全なオブジェクトは増加します。
5.-repair-objects-immediately
全てのオブジェクトが健全な状態となったら、監視ホストの置き換えプロセスは完了です。
原文:Replacing the witness appliance
VMware Storage and Availability Business Unitの シニアスタッフエンジニアCormac Horganの個人ブログを翻訳したものになります。VSANの詳細に関しては弊社マニュアル 、KBをご確認ください。また本記事は VSAN 5.5ベースに記載しております。予めご了承ください