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[Global Support] vSAN クラスタシャットダウン・再起動時のトラブル KB 集

こんにちは、VMware グローバルサポート vSAN チーム の小畑です。今回は VMware vSAN での vSAN クラスタシャットダウン・再起動時ついて情報や KB についてご案内いたします。


1.はじめに

法定点検などで vSAN クラスタのすべてのホストや VMware vCenter を停止する必要がある場合、VMware では vSAN クラスタ停止・起動のための Step をご案内しております。こちらの Step を実施せず vSAN クラスタのホストを停止した後、起動時にホストに障害が発生したりディスクの障害が発生した場合に設定されている冗長度  (FTT)  にかかわらず仮想マシンが使用できない状態になる場合があります。

こちらの内容と対処となる Step をご案内した最初の KB が以下 KB 60424 となります。

vSAN — Maintenance — Simultaneous Host Reboots / Cluster Full Shutdown — Risk for Data Unavailability (60424)

上記 KB 60424 ですが、Step を参照していただきますと分かりますように非常に手間が多く、実施時には工数がかかる手順でした。そのため vSAN 6.7 U3 から組み込みツール “reboot_helper.py” を使用してより簡単に vSAN クラスタのシャットダウンと起動を実施できるようになりました。

その内容をご案内したものは下記の KB 70650 となります。

Using a built-in tool to perform a simultaneous shutdown/reboot of all hosts in the vSAN cluster (70650)

以後 vSAN 7.0 以降も上記 KB 70650 ベースに下記ドキュメントのように vSAN クラスタのシャットダウン及び再起動をご案内しております。

手動による vSAN クラスタのシャットダウンと再起動

vSAN 7.0U3 以降では上記の手動の方法に加え, vCenter GUI 上でのウィザードを使用した vSAN クラスタのシャットダウン及び起動をエンハンスしており、より簡単にシャットダウン及び起動が手軽に実施できるようになりました。

クラスタのシャットダウン ウィザードを使用した vSAN クラスタのシャットダウン

vSAN クラスタの再起動

vSAN 7.0U3 以降ではウィザードを使用しての vSAN クラスタシャットダウン・再起動を使用いただくことを推奨いたします(手動での vSAN クラスタシャットダウン・再起動も引き続き使用可能です)


2.ウィザードを使用した vSAN クラスタシャットダウン及び起動に関して

2.1  オーケストレーションホストの確認

vSAN クラスタシャットダウン及び起動は vSAN クラスタ内の任意のホストがオーケストレーションホストとなり、そのホストが他のホストに対してパラメータの変更やメンテナンスモード移行への変更、シャットダウンを実施します。起動時には反対に同オーケストレーションホストが vSAN を使用するための処理を実施していくこととなります。そのためこのオーケストレーションホストがどのホストかをメモもしくは画面キャプチャーを取得していただくことをお願いいたします。何か問題が発生した場合に、そのホストのログを中心に確認していくこととなります。

 

2.2  vSAN クラスタシャットダウン処理タスクの確認

vCenter が vSAN データストア上にある場合、vSAN クラスタシャットダウン処理中に vCenter との接続ができなくなり処理の進捗が確認できなくなります。その場合は2.1のオーケストレーションホストの Host Client に接続することで、タスクにて処理の継続や状況を確認できます。

 

2.3 ウィザードを使用しての vSAN クラスタ起動に関して

ウィザードを使用しての vSAN クラスタシャットダウンでは手動での実施方法と異なる処理として 最初に vCenter にて EAM Agency を無効にする処理が行われます。この無効設定の解除は同じくウィザードでの vSAN クラスタでの再起動処理にて実行されます。(参考 KB  88481 )よって、ウィザード使用しての vSAN クラスタシャットダウン実施した際は、ウィザードを使用しての vSAN クラスタ再起動を実施していただきますようお願いいたします。シャットダウン時はウィザード、再起動は手動での方法を実施した場合、EAM Agency が有効になりませんので、vCLS や vSAN ファイルサービス仮想マシンが起動しないなどの問題が発生いたします。


3.vSAN クラスタシャットダウン・再起動に関する KB

vSAN クラスタシャットダウン・再起動の問題発生に関する KB をご案内します。

How to handle inconsistent cluster power status in vSAN shutdown workflow (87350) vSAN クラスタシャットダウン時に何らかの問題が発生し、クラスタのステータスが不一致などが発生した際に関する KB です。

vCLS VMs are not re-created in a vSAN Cluster following a complete shutdown of a vSAN cluster (88481) vSAN クラスタシャットダウン→再起動後 vCLS が起動しない問題に関する KB です。

vSAN Cluster Shutdown wizard fails with vmodl.fault.HostNotReachable (90555) vSAN クラスタシャットダウン時 “vmodl.fault.HostNotReachable” のエラー発生に関する KB です。

Unable to enable vSAN file service after vSAN cluster restart (90732) vSAN クラスタシャットダウン→再起動後 vSAN ファイルサービスが起動しない件に関する KB です。

vCLS VMs do not deploy following a VSAN Cluster Shutdown (92417) vSAN クラスタシャットダウン→再起動後 vCLS が起動しない問題に関する KB です。

The vSAN cluster shutdown workflow will fail with error “‘NoneType’ object is not iterable” (92656) vSAN クラスタシャットダウン時 “‘NoneType’ object is not iterable” のエラー発生に関する KB です。

When shutting down vSAN cluster using the vCenter feature fails with “Operation timed out” (92669) vSAN クラスタシャットダウン時 “Operation timed out” のエラー発生に関する KB です。

以降 vSAN クラスタシャットダウン・再起動に関して新しい KB が発行されましたら随時追加していきます。


4.おわりに

今回は vSAN クラスタシャットダウン・再起動に関してご紹介させていただきました。実際に作業を実施される際にはご参考にしていただけますと幸いです。