みなさま、こんにちは!マイクロソフトの前島です。 気が付けば前回投稿からだいぶ日が空いてしまいましたが、本ブログサイトでの Azure VMware Solution に関するアップデートを再開します。
先週 VMwareの大型イベント VMware Explore US が開催され、Microsoft も最上位の Diamond Sponsor として協賛、さまざまなセッションやブースを展開させていただきました。 このイベントに合わせてAVS の最新状況をまとめた発表 (英語) を行ったため、今回の記事ではその内容を中心に、主な機能アップデートをご紹介します。
なお、VMware Explore は日本でも11月に開催が予定されています。日本マイクロソフトも全面協賛しており AVS セッション等計画中ですので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
さて前置きが長くなりましたが、本記事では下記7つのアップデートを一気にご紹介します。
- 提供リージョンのさらなる拡大、および西日本リージョンでの価格改定
- AVS のデータストアとして Azure NetApp Files が利用可能に [Public Preview]
- AVS 上の仮想マシンに Public IP を付与する機能が一般提供開始
- VMware Cloud Director サービスが AVS をサポート [Public Preview]
- VMware vRealize Log Insight Cloud が AVS を正式サポート
- AVS vSphere バージョンアップ (vSphere 7.0化) 完了
- VMware Cloud on AWS と AVS 間での SRM による災害対策構成を正式サポート
1. 提供リージョンのさらなる拡大、および西日本リージョンでの価格改定
世界中のお客様がどこからでもプライベートクラウドを活用いただけるよう、提供リージョン拡大に投資しています。先日スウェーデンでサービスを開始し、現在24のリージョンで AVS をご利用いただけるようになりました。このリージョン数は、VMware SDDC を提供するハイパースケーラーとして世界最大であり、今後もさらなる拡大を計画しています。
また日本のお客様向けの補足として、2022年3月よりAzure 西日本リージョンでの AVS料金を見直し、より安価にご利用できるようになっていることを併せてご報告します。
昨年11月にサービス開始したタイミングでは、いくつかの理由からやや高い価格設定になっていましたが、多くのお客様からのフィードバックを受け、現在は東日本リージョン・西日本リージョンどちらも同一価格でご利用いただけます。 最新の価格は 価格 – Azure VMware Solution にてご確認ください。
2. AVS のデータストアとして Azure NetApp Files が利用可能に [Public Preview]
AVS のデータストアとして、Azure NetApp Files (ANF) を利用する機能が Public Preview になりました。 ANF は NetApp ストレージを Azure 上で提供するストレージサービスであり、AVS 同様に Microsoft のファーストパーティサービスとして一貫したサポートを提供します。
AVS 標準ストレージである vSAN では容量が不足するお客様にとって、より安価かつ柔軟にストレージ容量を拡張できる手段になります。 詳細は Azure NetApp Files データストアを Azure VMware Solution ホストにアタッチする (プレビュー) – Azure VMware Solution をご参照ください。
なお本記事執筆現在、西日本リージョンでは本機能をご利用いただけますが、東日本リージョンに関しては最終準備中となっており、近日中に開始する見込みです。
3. AVS 上の仮想マシンに Public IP を付与する機能が一般提供開始
AVS の NSX エッジでパブリックIPを有効にする機能が GA しました。
AVS では従来より “VMware 仮想マシンがインターネットに接続する方法” を複数提供していましたが、本機能により、よりシンプルかつ大規模 (1,000 IP 以上) にパブリックIPを付与することができるようになります。 また、本機能を活用して VMware HCX に直接 Public IP を付与することで、インターネット越しに直接オンプレミスから仮想マシンを移行するシナリオも実現可能になります。
AVS でパブリックIPアドレスの付与もしくはインターネット接続を検討される際は、最初に Azure VMware Solution の NSX Edge へのパブリック IP を有効にする – Azure VMware Solution をご参照いただき、そのうえで本機能を含む選択肢の中から最適な方法を選んでいただければと思います。
4. VMware Cloud Director サービスが AVS をサポート [Public Preview]
VMware SDDC をマルチテナント型で利用可能にする VMware Cloud Director サービスが、AVS 環境をサポートするようになりました。現時点では Public Preview となります。
本機能を利用することにより、一つの SDDC を論理的に分離し、セキュリティ等を確保したマルチテナント環境として AVS をご利用いただけるようになります。
なお本サービスは VMwareが販売・サポートする仕組みとなります。 また注意点として、現在のところ弊社エンタープライズ契約を持つお客様環境内でのみ利用可能です。マルチテナント型としてサービスプロバイダー様が利用するシナリオについては、サービス規約上まだ認められていませんのでご留意ください。
詳細は Azure VMware Solution を使用した VMware Cloud Director サービスを有効にする (パブリック プレビュー) – Azure VMware Solution にまとめられています。
5. VMware vRealize Log Insight Cloud が AVS を正式サポート
VMwareが提供するサービスとの連携強化が、もう一つ行われています。 クラウド管理プラットフォームである VMware vRealize では従来より AVS も管理対象としてサポートしていましたが、vRealize Log Insight Cloud に関しては権限等の問題によりサポート外となっていました。
今回の発表により、Operations Cloud や Automation Cloud などの他の vRealize サービス同様に、vRealize Log Insight Cloud が AVS をサポートし、AVS のログを収集・管理いただけるようになりました。
発表の詳細は Generally available: vRealize Log Insight Cloud with Azure VMware Solution integration をご確認ください。
6. AVS vSphere バージョンアップ (vSphere 7.0化) 完了
これまで AVS では、vSphere や vCenter のバージョンを 6.7 で提供してきましたが、今年5月より順次 7.0 にアップデートする作業を行い、現在は全リージョンで完了しています。
本番環境で AVS をご利用中のお客様に対しても、個々のお客様の希望されるメンテナンス日程変更等に柔軟に対応させていただき、無事にバージョンアップを実施することができました。
プライベートクラウドを利用する上で、ホストのメンテナンスやライフサイクル管理は切っても切り離せない作業ですが、AVS は Microsoft が提供するサービスとしてこれら保守作業も責任をもって実施させていただいており、多くのお客様から高い評価をいただいております。
AVS におけるメンテナンスやライフサイクルの考え方は 概念 – プライベート クラウドとクラスター – Azure VMware Solution をご参照ください。
7. VMware Cloud on AWS と AVS 間での SRM による災害対策構成を正式サポート
最後は VMware Site Recovery Manager (SRM) に関するアップデートです。災害対策を実現する VMware SRM は以前より AVS をサポートしていましたが、この度2つのハイパースケールクラウドである Azure VMware Solution と VMware Cloud on AWS の間でのレプリケーションを正式サポートすることが発表されました。
SRM の販売・サポートは VMwareから行われますが、パッケージの導入作業は Azure ポータルから簡単に行うことができるようになっています。詳細は VMware Site Recovery Manager を使用してディザスター リカバリーをデプロイする – Azure VMware Solution をご参照ください。
本記事では AVS 関連の主な機能アップデートを7つまとめてご紹介させていただきました。 今回はご紹介しきれなかった機能強化や技術情報、事例など様々な情報がまだまだありますので、次回以降の投稿をどうぞお楽しみに!