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機能だけではない! Azure VMware Solutionの進化 【後編】

みなさま、こんにちは!マイクロソフトの前島です。
今回は「機能だけではない! Azure VMware Solutionの進化 【前編】」の後編として、さらに3つの Azure VMware Solution (AVS) 関連アップデートをご紹介していきます。(No.1~3は前回記事を参照ください)

  1. 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) の追加施策
  2. 技術情報の拡充
  3. AVS ハンズオン・学習コンテンツの追加

4. 拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) の追加施策

マイクロソフトでは、サポート期限 (EOS) を迎えたシステムを継続利用する必要のあるお客様に対して、サポート終了後もセキュリティ更新プログラムを受け取ることができる「拡張セキュリティ更新プログラム (ESU, Extended Security Updates)」を提供しています。日本でも多くのお客様が、この ESU を活用して当面のセキュリティを確保しつつ、ゆとりを持ったスケジュールで新システムへの移行等を行っています。

従来から提供されている ESU のポイントをまとめると、下記の通りです。

  • EOS を迎えた Windows Server 2008/2008 R2 および SQL Server 2008/2008 R2 に対して、それぞれのサポート終了日から3年間 ESU を提供する
  • ESU は有償のプログラムであり、稼働中のサーバー台数に応じて毎年購入する必要がある
  • ただし Azure 環境 (*)で稼働する場合は、ESU の権利が無償提供される
    (* Azure 環境: Azure IaaS の他、Azure VMware Solution 上や Azure Stack 上の仮想マシンも対象に含む)

今年7月、マイクロソフトはこの ESU を拡充する追加の発表を行いました。主な発表内容は下記の通りです。

  • 今後 EOS を迎える Windows Server 2012/2012 R2 および SQL Server 2012/2012 R2 に対しても、それぞれのサポート終了日から3年間 ESU を提供する。Azure 環境では無償、Azure 以外では有償購入という考え方は、これまでと同様。
  • 加えて Azure 環境に限り、Windows Server 2008/2008 R2 および SQL Server 2008/2008 R2 に対する ESU (無償) を1年延長提供する。

”あるべき論” でいえば、サポート終了日を過ぎたシステムはできるだけ速やかに移行や廃止すべきですが、現実的にはビジネス/技術/コスト等の様々な理由で、継続利用が最適解となるケースもあります。そのような場合、セキュリティを守るためにぜひ ESU をご活用ください。

ここまでの話は AVS に特化したものではないのですが、この ESU は AVS との相性がとても良いプログラムになっています。

AVS では、オンプレミスの VMware製品による 仮想マシンの中身を一切変更することなく、かつ無停止で簡単に移行できます。そのため EOS を迎えるサーバーをお持ちの場合、対象システムを AVS に”移動”だけして無償 ESU によるセキュリティの確保をしつつ、ゆっくりと時間をかけて新しいシステムにリプレイスしていくことができます。その際、新しいシステムを AVS 上の VMware製品による 仮想マシンとして作り直すこともできますし、システムの特性によっては同じ Azure 内で稼働する各種 PaaS/IaaS を活用することも容易になるでしょう。

図1: Azure での拡張セキュリティ更新プログラム (ESU) の無償提供

ESU に関する情報は、製品ライフサイクルに関する FAQ – 拡張セキュリティ更新プログラムもご参照ください。

5. 技術情報の拡充

技術情報の拡充も、AVS の強化点としてご紹介したいポイントです。サービス開始当初は情報が不足がちだった AVS ですが、日々皆様からのフィードバックを受けながら公開情報の拡充を図っています。

AVS はマイクロソフトが Azure 上で提供するサービスであるため、技術情報の管理も、他の Azure サービスと同様の枠組みや考え方で行われています。

たとえば Azure で提供される数百のサービスの関する技術情報は、 docs.microsoft.com というポータルに集約されており、AVS も例外ではありません。AVS は https://docs.microsoft.com/azure/azure-vmware/ がトップページになり、ここから具体的な技術情報をたどっていくことができます。

本サイトの特徴の一つは、オープンな GitHub によってドキュメント管理されているという点です。これにより次のようなメリットがあります。

高い透明性

目まぐるしく進化する IT の世界において、情報も絶え間なくアップデートされていくことは避けられません。とはいえ、私自身も以前はシステムを設計・構築する立場として、いつの間にか “こっそり” 更新されている技術情報や文言(特にシステム要件など)に悩まされることは珍しくありませんでした。

docs.microsoft.com では過去の変更履歴がすべてログとして参照可能であり、高い透明性が確保されています。

活用方法の一例として、特定のサービスやページの単位でフィードできるため、特に利用頻度の高いサービスがある場合は、いち早く更新内容を把握できます。

図2: GitHub によるドキュメント管理

誰でもフィードバック可能

こちらも GitHub の基本機能になりますが、もしドキュメントの記載内容がおかしいと思ったときに、誰でもいつでも、プルリクエストやコメントを送ることができます。マイクロソフトでは、これらドキュメントの管理を専任で行うメンバーもいますので、随時リクエスト内容のレビューが行われ、早ければ当日中に更新(マージ)まで完了します。

プルリクエストやコメントに対する直接的なリターン(報酬)はありませんが、ドキュメントを参照していて気になる点があった場合は、ぜひお気軽にコメント頂けると幸いです。みなさまと一緒に協力しながら、より安心してサービスをご利用いただける環境を作っていきたいと考えています。

なお一点だけ留意点として、AVS を含む Azure サービスはグローバル展開されるため、本サイトで管理されるドキュメントは常に英語版がマスターになります。多くのコンテンツはローカライズも行われますが、タイムラグがあったり、細かなニュアンスが伝わりにくいケースもありますので、英語版も参照する習慣をつけていただくと安心です。

Tips
話が脱線しますが、docs.microsoft.com をはじめとするマイクロソフトの Web サイトの多くは、URL でロケールを切り替えられるようになっています。たとえば英語版で en-us となっている箇所を ja-jp にすると日本語ページに切り替わります。

この切り替えをワンクリックで行うブラウザ拡張ツールなどもあり、私も日ごろ愛用しています。ぜひ作業効率向上にお役立てください(例:URL Locale Switcher, en-us ページから ja-jp ページに素早くジャンプ  #いずれもマイクロソフトが提供するツールではありません

図3: 表示言語の切り替え

6. AVS ハンズオン・学習コンテンツの追加

前述の通り AVS に関する技術情報は docs.microsoft.com に集約されていますが、特に技術者の方は「ドキュメントだけではなく実際に手を動かしてみたい」という方も多いかと思います。

AVS はそんなご要望にお応えする形で、下記コンテンツを提供しています。いずれも完全無償で、何度でもアクセスいただけます。

■ Azure VMware Solution Hands-on Lab

http://hol.pub/avs

VMware と Microsoft が共同開発している AVS 関連のハンズオンラボ環境です。2021年10月現在、下記4つのコースが用意されています。

  • Azure VMware Solution Private Cloud Deployment and Connectivity
  • Azure VMware Solution Workload Migration with VMware HCX
  • Disaster Protection with Azure VMware Solution and VMware Site Recovery
  • VMware SD-WAN for Azure VMware Solution

以前から提供されている “AVS プライベートクラウドの構築” や “移行のカギとなる HCX の導入・設定” に加えて、新たに “SRM による災害対策”、”両社のネットワークサービスである VMware SD-WAN/Azure Virtual WAN を AVS と連携するシナリオ” といったコンテンツが追加されています。AVS がどのようなものなのかをイメージいただくうえで、ハンズオンラボは最も効率的な方法ですので、ぜひ体感してみてください。

なおハンズオン環境ですので言語の壁は比較的低いと考えていますが、コンテンツは英語での提供となります。

■ AVS ラーニングパス (MS Learn)

https://docs.microsoft.com/ja-jp/learn/paths/run-vmware-workloads-azure-vmware-solution/

体系的に AVS を学習したいという方には、ラーニングパスもおすすめです。こちらは Microsoft が提供する MS Learn というe-learning サイトで公開されています。ハンズオン環境は含まれませんが、解説が日本語化されていますので、上記ハンズオンラボと並行してご利用いただくことで、より理解を深めていただけるかと思います。

図4: AVS ハンズオンラボとラーニングパス

ちなみに MS Learn では、Azure 関連だけでも1,200 以上のモジュールが公開されています。
AVS のみ利用される場合であっても、Azure のネットワークやセキュリティサービスなどの関連技術を習得することで、より効果的に AVS を利用できるようになりますので、その他モジュールも活用いただければ幸いです。

まとめ

今回までの4回に渡って、Azure VMware Solution のさまざまなアップデートをご紹介させていただきました。

AVS のアップデートはここで留まることはありません。今後も皆様からのフィードバックをいただきながら常に改良を加えていきますので、ぜひこれからの進化にご期待いただくとともに、具体的なご要望がありましたら遠慮なく弊社担当までご相談ください。皆様の声が、次世代の AVS を作っていく礎になります!

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