VMware Cloud VMware Cloud Foundation クラウド クラウド運用・管理 パートナー

#1 Oracle Cloud VMware Solution のご紹介

はじめに

データベースへの負荷が高いエンタープライズ・システムをクラウドでもセキュアに、安定して高いパフォーマンス稼働でき、そしてクラウドの特徴であるエラスティックなインフラのメリットが得られるように、一から設計・構築されたのがOracle Cloud Infrastructure(OCI)です。そして、そのOCI上でVMware製品で構築された環境を提供するサービスが、Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)になります。

このOCVSを活用することで、負荷の高いアプリケーションであっても、容易に、安全にクラウドに移行でき、さらにインフラのHWコスト最適化や、管理コスト削減が可能になります。

またOracle Cloudは、IaaSからPaaS、SaaSまで幅広くサービスを提供しています。コンテナやサーバーレスなどのクラウド・ネイティブ・サービス、Oracle DatabaseやMySQL、チャット・ボットのようなPaaS、ERPやCX(Customer Experience)のようなSaaSまで、様々なサービスを活用して迅速に既存アプリケーションを拡張できます。

 

Oracle Cloud VMware Solution(OCVS)の構成例

オンプレミスで、Oracle DatabaseとVMware製品を活用しているケースは多いのではないでしょうか?OCVSを利用して、そのようなシステムをOracle Cloudに移行する場合、Oracle DatabaseのPaaSサービスを活用して、以下の図のような構成が考えられます。

この図の中で、Virtual Cloud Network(VCN)は仮想クラウド・ネットワークで、ユーザーのプライベート・ネットワークになります。OCVSの特徴として、このユーザーのプライベート・ネットワークの中に、他のクラウド・サービスと同居して配置できることがあります。そのため、オンプレミスと同様にデータベースとの接続が容易で、遅延も少なく、システムを高いパフォーマンスで安定して稼働できます。実際の環境で測定してみたところ、VMware製品とデータベースのクラウド・サービス間の遅延は、0.4msec未満でした。

 

概要と特徴

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の他のクラウドに無い特徴として、クラウド上でレイヤー2 ネットワーク(VLAN)を提供していることがあります。また、サービス開始当初よりベアメタル・サーバーが使用可能です。これにより、OCIではVMware製品で構築された環境をOCIネイティブなサービスとして、強固に分離されたお客様のテナント、仮想ネットワーク内に提供することが可能になっています。

このOCIならではのアーキテクチャにより、お客様が完全に自由に操作・制御できるVMware製品で構築された環境を提供でき、また様々なクラウド・サービスと同じネットワーク内に同居して低遅延な接続を行うことが可能になっているのです。

VMware製品で構築された環境に加え、L2を含めたネットワークからサーバーまで完全に制御できるので、オンプレミスで使用しているあらゆるツールがそのままOCVSで使用でき、バックアップや監視ツールなども制限無く使用できます。パッチやアップグレードもお客様が任意のタイミングで実施できます。また、クラウド・サービスとの連携もルーティング・テーブルを設定することで容易に設定でき、低遅延で接続できるので、安定した高いパフォーマンスでシステムを稼働できます。

 

OCVSで提供しているVMware ソフトウェア、サーバーのスペック

OCVSでは、VMware Cloud FoundationをベースにVMware製品による環境を提供しています。
OCVSのVMwareのソフトウェアで構築された環境の特徴として、VMware製品のバージョンを選択できる点があります。これにより、オンプレミスとバージョンを合わせたり、オンプレミスで使用する予定の新しいバージョンをクラウドでテストしたりできます。

インフラは最小3ノード構成から最大64ノード構成までスケール可能です。初期SDDC構築は2時間強でオンデマンドで行え、ノード追加・削除は数十分程度で完了します。

 

提供リージョン

OCVSは、クラウド・ネイティブなサービスとして実装されているため、あらゆるリージョンで使用可能となっています。

2021年7月時点では、グローバルで30のリージョン、そして日本でも東京と大阪の2リージョンが使用可能なため、日本国内で災害対策サイト(DR)を構成して、可用性を確保することが可能です。さらに、Dedicated RegionとよばれるOracle Cloudをお客様のデータセンターで提供する形式の場合でもOCVSの提供が可能です。

また、Oracle CloudとMicrosoft Azureは現在8つのリージョンで専用線で相互接続しています。日本では東京のOracle CloudのデータセンターとAzureのデータセンターが接続されていて、簡単な設定で20分程度でセキュアで高速な専用線接続が行えます。これにより、OCVSとMicrosoft Azureのサービスの連携までも可能になります。

 

オンプレミスからの移行、ハイブリッド、DR(災害対策)構成

オンプレミスからOCVSへの移行、またはオンプレミスとのハイブリッドやDR構成の場合、オンプレミスと同様に拡張リンク・モードを使用することもできますが、Hybrid Cloud Extension(HCX)を使用することが可能です。

HCX AdvancedはOCVSの価格に含まれていますが、別途Enterpriseを購入/使用することも可能です。VMware製品による環境とOracle Databaseの両方を使用してDR構成を行う場合などには、HCX Enterpriseを使用することで、VMware製品とOracle Databaseを連携して自動的にフェイルオーバーを行うことが可能になります。

OCVSの特徴は、オンプレミスと同じ環境がクラウドで使用できることです。オンプレミスと同じ使い勝手で移行、運用ができるため、VMware製品による環境についてはクラウド特有の操作を新たに導入したり覚える必要が無く、コスト少なく導入できます。それでいて、インフラの部分はワークロードに対してエラスティックに対応でき、サーバーやネットワーク構築・設定・運用のコストは大きく削減することが可能です。

 

Oracle Cloudのその他のサービス

冒頭で触れましたが、Oracle CloudはIaaSからPaaS、SaaSまで提供しています。IaaS、PaaSだけではなく、業界でも非常に多くのお客様に使用いただいているSaaSまで、包括的に提供しているクラウドは他には無いのではないでしょうか。このSaaSもOCVSと同じOracle Cloud Infrastructure(OCI)上で稼働しているため、OCVSから低遅延でアクセスが可能です。

Oracle Cloudで提供している代表的なサービス(大きなカテゴリ)は、以下の図のようになります。もちろんOracle DatabaseやMySQLなどもPaaSサービスとして提供していますが、非常に多くのサービスが既に展開されています。OCVS上で稼働しているアプリケーションから容易に連携でき、迅速な機能拡張や新規サービス開発に役立てることができます。

 

参考情報はこちら

OCVSの詳しい情報やチュートリアルは以下になります。ぜひ合わせて参照ください。

 

最後に

今回ご紹介しました内容は日本オラクル様に寄稿頂きました。日本オラクル様ありがとうございます。