みなさま、こんにちは。VMwareの児島です。
今日ご紹介する機能は昨年末ついにGA(General Availability)となったWorkspace ONE Intelligent Hubの仮想アシスタント機能(以下、Hub Assistant)です。既にYoutubeなどの動画やニュースで存知かもしれませんが、今回の記事ではより詳細な内容を日本語でお届けします。
従業員の働き方を支援することが今後も重要に
昨今、取り組まれている企業も多いデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現ですが、その中心となる重要な要素として従業員体験(Employee Experience = EX)向上は欠かせません。従業員体験の向上は企業成長のカギとも言われ、我々VMwareでもWorkspace ONEを中心にテクノロジーで従業員体験向上のご支援を皆様にお届けしております。今日ご紹介する機能もまさに従業員体験向上を実現するための機能です。
このたびのパンデミック拡大により在宅勤務(テレワーク)が増えた現状では、従業員の方同士の軽いコミュニケーションや近くの席同士で完結していた「ちょっとした疑問」を解消することが難しくなってしまうため、ヘルプデスクへの問い合わせが増加傾向にあります。また、同僚にメールやコミュニケーションツールで連絡しようにも、相手の状況が見えないため遠慮しがちになる場合も見受けられます。
Hub Assistantを活用することにより、現在のようなテレワーク主体の状況下であってもパンデミックが終息した後の世界であっても、従業員が働きやすい職場の実現や企業の再成長を見据えた業務の効率化をVMwareのテクノロジーで支えることができます。組織にとっては従業員体験の向上を得られ、デジタルトランスフォーメーションの実現へと繋がると言えます。
仮想アシスタントが従業員の働き方を強く支援
一般的な仮想アシスタント(※1)として想像しやすいのがチャットボット(※2)です。既に導入されている企業も多いのではないでしょうか。ただ、チャットボットを導入しても従業員に周知しきれず活用されない、案内される内容によっては複数のアプリやサイトをたらい回しにされる、イントラネット内に接続したパソコンからしか使えない、会話の一語一句が一致しないと応答がないという声を良く聞きます。
仮想アシスタントは従業員の方を支援するコンシェルジュのようなソリューションです。つまり、より従業員の方が利用しやすい環境を整えることが、導入を成功させるために重要な第一歩となります。
※1 本記事では仮想アシスタントを「利用者からの質問に答え、支援を行うことを目的としたコンピュータープログラムの総称」としています。
※2 本記事では「主にテキストを用いて会話をシミュレートするコンピュータープログラムの総称」としています。
Hub Assistantについて
Hub AssistantはVMwareのテクノロジーと、他社テクノロジーを組み合わせて(※3)実現します。下記図にある青色の部分がWorkspace ONEプラットフォームの範囲で、緑色の部分がIBM Watson™ Assistant(以下、Watson Assistant)で実現する範囲となります。(※4)
Workspace ONE Intelligent Hubをユーザーインターフェイスとして、Watson Assistantのテクノロジーが従業員に対して自然言語による会話ベースの応答を実現します。Workspace ONE Intelligent Hubは組織が管理しているデバイス上でアプリケーションカタログや社員情報検索、メッセージ受信など普段の仕事で欠かせない機能を集約したアプリです。従業員は普段から活用しているWorkspace ONE Intelligent Hubアプリ上でHub Assistantによって様々な支援を受けることが可能になります。Hub AssistantはWorkspace ONE Standard Editionからご利用いただけます。
製品ドキュメント
・Intelligent Hub 仮想アシスタントのセットアップ
・VMware Workspace ONE Edition comparison table
※3 2020.5現在、Hub Assistantで利用できるテクノロジーは「Watson Assistant」となります。
※4 Watson Assistantをご利用する際にはIBM Cloudサービスを別途ご利用いただく必要があります。
Hub Assistantが支える新しい働き方
この動画では入社前の方が、直接的に人の介入が無くても必要な様々な手続きをスムーズに行っています。
こちらの動画は入社して一定期間経過した後のイメージです。
従業員は普段の業務でワークフローによる申請や、企業内で公開している様々なお知らせを始めとした情報やナレッジの確認を、電子メールやブラウザなど複数のアプリケーションを横断して活用し業務にあたっていると思います。このような何気ない通常業務をWorkspace ONE Intelligent Hub上の操作に集約することにより社内にバラバラに散らばった情報や、せっかく公開したのに閲覧されない重要な情報を従業員に閲覧させるように誘導することも可能で、複数アプリケーション利用によるストレスの軽減も期待できます。
Hub Assistant ユースケース例
・社内規定や申請ワークフローについての質問を対話の中で回答として案内する。
・Service Nowと連携し、対話を通してリクエストしたサービスチケットの進捗を従業員自身により確認する。(Workspace ONE Mobile Flowsが必要です。※5)
※5 Workspace ONE Mobile FlowsはWorkspace ONE Enterprise Editionよりご利用いただけます。
製品ドキュメント
・Workspace ONE Mobile Flowsの概要
Watson Assistantについての注意点
Workspace ONE Intelligent HubとWatson Assistantの連携作業はとても簡単に行うことが可能ですが、組織に最適な形でHub Assistantが従業員からの質問に的確に回答するなど、運用を見据えて活用するためにはWatson Assistant内のチューニングやその他アプリケーションの開発が別途必要な場合があります。Watson Assistantについての詳細はご提供されているベンダー様、ベンダーのパートナー企業様までお問合せください。
最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございました。