引き続きソフトバンクC&Sの幸田さまより、機能強化された VMware vCloud Air のDisaster Recoveryサービスについて2回目の寄稿していただきます。それでは幸田さま、よろしくお願いします!!
みなさまこんにちは、ソフトバンクC&Sの幸田です。
一般的にDR環境は、オンプレと同等の環境を用意する必要があり、構築と運用の観点から敷居の高い代物となってしまいます。オンプレにある仮想マシンの退避先としてvCloud Airを使用していただくことによって、災害対策をより身近にご使用いただけることを目指しております。
今回は、そのvCloud Air DRサービスをご使用いただくための手順(前半)をご紹介します。
vCloud Air DR 2.0 の構築は3つのステップを踏みます。(オンプレミス側にはvSphere環境がある前提で話をすすめます。)
・vSphere Replication のデプロイ
・vCloud Air を退避先として登録
・仮想マシンの保護設定
本記事ではまずオンプレミス側での作業 vSphere Replicationの構築から実施していきます。できるだけ実作業に沿った画面付の手順のため、記事が長くなってしまいますが…最後までお付き合いください。
vSphere Replication のインストール
仮想マシンをvCloud Airへ退避させるためには、オンプレミス環境にvSphere Replicationをデプロイします。
vSphere ReplicationはVMwareよりOVFテンプレートが提供されている仮想アプライアンスです。デプロイ作業は短時間で完了します。まずはMy VMwareからvSphere Replicationをダウンロードします。
※バージョンの表記は当記事の作成時点のものです。最新版をダウンロードしてください。
ダウンロードしたデータの中にOVFファイルが含まれていることを確認しておきます。
vSphere 環境の管理画面から「OVFテンプレートのデプロイ」を選択し、vSphere Replicationのデプロイを開始します。
My VMwareからダウンロードしたOVFファイルを選択します。
詳細の確認画面では「次へ」を、利用規約の同意画面では「承諾」を選択したうえで「次へ」をクリックします。
vSphere Replicationの仮想マシン名とデプロイ先リソース(データセンタやフォルダ)を選択して「次へ」をクリックします。
割り当てる仮想CPU数(2または4)を指定して「次へ」をクリックします。
仮想ディスクを配置するデータストアおよび配置フォーマット(Thin Provisioning, Thick ProvisioningのLazy Zeroed またはEager Zeroed)を選択し、「次へ」をクリックします。
接続する仮想ネットワークを選択します。vCenter ServerおよびESXiの管理ポートが所属するネットワークとします。
IPアドレスの割り当てはDHCPまたは静的-手動から選択します。ここでは静的-手動を選択し、設定できる各IPアドレスを入力して「次へ」をクリックします。
任意の管理パスワードを入力します。また、デフォルトで組み込まれているデータベースを使用するか否かの選択(今回は使用することを選択)、およびvSphere Replicationが接続する管理ネットワークに持つIPアドレスの入力を行い、「次へ」をクリックします。
vCenter Server に対して、適切な連携が出来るか否かの診断が行われます。「バインドのステータス」に緑色のチェックが表示されていることを確認し、「次へ」をクリックします。
各設定の一覧が表示されるので、設定が正しいことを確認します。デプロイ後にパワーオンするか否かを選択して(今回はパワーオンを選択)、「終了」をクリックします。
以上でオンプレ環境における作業(vSphere Replicationの展開)は完了です。
次回はDR先である、vCloud Airの登録や、DRする仮想マシンの設定をみていきます!
第1回:vCloud Air DR 2.0 概要編
第2回:vCloud Air DR 2.0 構築編
・(前半) vSphere Replication のデプロイ 本記事
・(後半) vCloud Air を退避先として登録/・仮想マシンの保護設定
第3回:vCloud Air DR 2.0 活用編
・(前半) フェイルオーバー試験テスト/フェイルオーバー
・(後半)フェイルバック