みなさま、こんにちは。VMware でエンドユーザー コンピューティングのプロダクト マーケティングを担当している本田と申します。
本日のブログでは、2015年5月11日(US時間)に発表されたVMware Project Enzo についてご紹介したいと思います。Project Enzoは、VMware の次世代ハイブリッド アーキテクチャで、仮想デスクトップやアプリケーションの設定、展開、そして管理を刷新する革新的なテクノロジーです。詳細については、エンドユーザー コンピューティング デスクトップ製品担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのSumit Dhawan のブログに詳しく記されています。今回、Sumit のブログを日本語化しましたので、ぜひご一読ください。以下、Sumit のブログの日本語訳です。
By Sumit Dhawan(VMware, Inc. エンドユーザ コンピューティング デスクトップ製品担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー)
コスト削減とよりスピーディかつ柔軟な仮想ワークスペースの導入・管理の実現を両立できる可能性を秘めた、革新的で型破りなソリューションをゼロから開発できるとしたら、それはどのような方法でしょうか。
本日のブログで特集するProject Enzoと名付けられた技術プレビューの開発の過程で、VMwareエンドユーザ コンピューティング チームで最新の技術開発をリードするチーム内でも自問してきたものです。
Project Enzoは、これまでのITのあり方を刷新する目的で、VMwareのクラウドベースの仮想デスクトップとアプリケーションの技術がもたらす経済的なメリットを、シンプルなハイパーコンバージド インフラと組み合わせた新しいハイブリッド クラウド アーキテクチャです。
今日、企業が適切なツールを使用しない場合、仮想デスクトップとアプリケーションの導入は、厳しいプロセスになり得ます。ITを効率的に運用している企業であっても、完全なVDI環境を導入するには、数日あるいは数週間の時間を要することがあります。これは、複数のサーバやVM(仮想マシン)をインストール・設定し、ネットワークポリシーを適用しながら、アプリケーションやデスクトップを正しく管理するための作業が伴うためです。また、この煩雑な作業は一度だけではありません。稼働中の複数のシステムを継続的に管理するには、メンテナンスに多くの時間を要しますし、環境の設計や拡張のためにも多くの時間を確保しておく必要があります。また、これらの環境のほとんどはオーバープロビジョニングになっているため、コストの増加にもつながっています。
VMware Project Enzoは、仮想ワークスペースの構築、提供、管理に対する新しいアプローチです。Project Enzoは、VMware vCloud® Air™上のクラウドサービスとして提供される単一のWebベースのポータルを通して、オンプレミスおよびクラウド上に構築された仮想ワークスペース サービス(デスクトップとアプリケーション)の統合管理を可能にします。また、今回の技術プレビューには、VMwareのパートナ エコシステムが提供するハイパーコンバージド インフラ ソリューションと強固に連携した新たなVMware Smart Nodeテクノロジも導入されています。Smart Nodeテクノロジは、インテリジェントなオーケストレーションはもちろん、ハイブリッドクラウド環境での仮想ワークスペース サービス タスクの一般的な設定、提供、管理の自動化も可能になります。
VMwareのProject Enzoの目的はデスクトップ コンピューティングの変革であり、顧客に次のようなメリットをもたらします。
- シンプルかつすぐに使える設定– Project Enzoは、ハイパーコンバージド アプライアンスでシンプルなプラグ & プレイを可能にします。これにより、仮想デスクトップとアプリケーションを1時間弱で設定、稼働することができます。
- クラウドのスピード感でデスクトップを構築、拡張可能 – VMware App VolumesとVMware User Environment Managementと統合されたVMware Instant Cloneテクノロジにより、最大2,000台の仮想デスクトップを20分足らずで構築できるなど[i]、IT管理者はクラウドのスピード感でデスクトップを構築、拡張できます。
- シームレスなアップデートでメンテナンス ウィンドウが不要に - Windowsイメージやアプリケーションにすぐに適用できるシームレスなアップデートにより、メンテナンス ウィンドウが不要となります。
- ハイブリッド クラウドの柔軟性 - オンプレミスのデータセンタとクラウド間でデスクトップとアプリケーションを移動できます。さらに、日々の生産性向上のためのプライマリ ユースケースとして、あるいはデスクトップの利用ピーク時や災害復旧のためのセカンダリ ユースケースとして柔軟なクラウド活用を実現します。
- 最適規模のインフラへのニーズ - より効率的なアセスメントと運用コストおよびハードウェア コストの削減を組み合わせ、リソースのオーバープロビジョニングを防ぐことで、Project Enzoは企業向けデスクトップの経済性に変革をもたらします。
Project Enzoで採用されているクラウドスケールのアーキテクチャは、Cloud-Control PlaneとSmart Nodeテクノロジという2つの主要コンポーネントで構成されています。Smart Nodeテクノロジは、ハイパーコンバージド インフラソリューションとも連携します。
VMware vCloud Air上にホストされたクラウドベースの管理レイヤーである、新しいVMware Enzo Cloud-Control Planeは、オンプレミスとオフプレミスの仮想ワークスペースの管理の統合を可能にする単一画面をIT管理者向けに提供するために設計されました。これは、仮想デスクトップとアプリケーションの設定、提供、監視の簡易化に貢献します。ホストされている場所がオンプレミスかクラウドかにかかわらず、ユーザはVMware Enzo Cloud-Control Planeを使用して、ユーザ グループのデスクトップ、アプリケーション、ポリシーを設定できるようになります。
VMware SmartNodeテクノロジは、ハイパーコンバージド インフラ内に配置され、Cloud-Control Planeと接続されています。Smart NodeテクノロジはすべてCloud-Control Planeで管理、制御され、ハイパーコンバージド インフラ アプライアンスおよびラック上で稼働しているワークロードのインテリジェントなオーケストレーション、提供、管理が可能になります。Smart Nodeテクノロジの主要素の1つが、仮想デスクトップとアプリケーションのジャストインタイム(JIT)の プロビジョニングです。Smart NodeはCloud-Control Planeで設定された構成を使用して、組込みのVMware AppVolumes、User Environment Management、VMware Instant Cloningテクノロジを活用し、エンド ユーザがログインした際にエンドユーザ向けにカスタマイズされた仮想デスクトップとアプリケーション環境を作成することで、IT管理者のインフラ活用に対して高い柔軟性を提供できるようになります。
Smart Nodeテクノロジは、VMwareの次世代 EVO:RAIL™と今後リリース予定のEVO:RACKソリューションに完全に統合された形で提供される予定です。これにより、VMwareのすべてのEVOパートナがProject Enzoと互換性のあるアプライアンスとラックを提供できるようになります。さらに、VMware vSphere® 6を活用してアプライアンスを設計しているその他のパートナも、Smart Nodeテクノロジが利用できるようになる予定です。つまり、VMwareの顧客は、Project Enzoをサポートするインフラ ハードウェアを扱う希望のプロバイダを選択することができるようになります。
Project Enzoのこれまでの成果に誇りを持っています。Citrix Synergyに来場いただけない場合も、動画でProject Enzoのデモをご覧いただけます。また、いつも通り、以下のコメント欄でご意見をご提供いただければ幸いです。
[i] VMwareの社内テストの結果に基づく