vSphere

vSphere App HA 1.1について

vSphere App HA (以下App HA)を使用すると、環境内の仮想マシンで実行中のアプリケーションの高可用性を定義できます。
先日、App HA 1.1がリリースされましたので、今バージョンで強化されたポイントについてご紹介します。

  • vSphere App HA には vSphere Web Client 5.1 U2 との下位互換性があります。
  • デフォルト以外のプラグインを管理するカスタムのサービスを作成することができます。
  • ポリシーを編集することができます。サービスに割り当て済みのポリシーでも編集可能です。
  • 監視対象として、OracleとPostgreSQLが追加されました(監視可能なバージョンはドキュメトを参照下さい)
  • App HA 1.1で利用するVMware® vFabric™ Hyperic®(以下 Hyperic  Server)のバージョンは5.8.1となります。(App HA 1.0ではVMware® vFabric™ Hyperic®の対応バージョンは5.7.xとなっております。) その他のソフトウェア要件につきましては、インストールマニュアルを参照下さい。

1.カスタムのサービスの作成と、登録について
・・・App HAで標準としてサポートされていないプラグインを使用するための、カスタムサービスを定義することができます。
カスタムサービスの設定手順について、ご紹介します。

1-1. App HA仮想マシンにログインします、認証情報はインストール中に設定した「root」認証情報を使用します。
AppHA-1
※vSphere App HA へのリモート アクセス
SSH プロトコルを使用して vSphere App HA VM へリモートでアクセスすることができます。SSH を有効にするには、VM 上でコンソールを開き、 sshdサービスを開始します。
デフォルトでは、 root認証情報を使用してリモートでログインすることはできません。 root認証情報によるログインを有効にするには、VM 上でコンソールを開き、 sshd_configファイルの permitRootLoginエントリを yes に変更した後、 sshdサービスを再開します。
AppHA-2
1-2. /opt/vadm-engine/bin/custom_service.sh addを実行します。
プロンプトが表示されたら、追加するサービスの名前を指定します。
サービス名は、 2~128 文字の ASCII 文字である必要があります。
# /opt/vadm-engine/bin/custom_service.sh add
Enter service name: JBoss7.1

サービス名(Enter service name:)は、Hyperic Server側の「Server Type」で定義されている名前と同じ名前を指定する必要があります。

1-3. サービスが追加されたら、App HA サービスが自動的に再起動します。
サービスの再起動には 1~2 分かかります。


Adding custom service 'JBoss7.1'
2014-04-16 15:51:03,260 [main] INFO  c.v.v.d.service.ConfigurationService - Configuration:
        DB Host:        127.0.0.1
        DB Port:        5432
        DB Name:        apphadb
        DB Username:    appha
        Config schema:  dbconfig
        Postgres bin:   /var/lib/pgsql/bin
2014-04-16 15:51:03,264 [main] INFO  c.v.v.dbconfig.service.FacadeService - Validating configuration
Operation succeeded.
Restarting vSphere App HA ...
1-4. App HAの再起動後、vSphere Web Clientから[管理]-[vSphere App HA]-[ポリシー]より「構成詳細>サービスの選択」で追加したサービスが表示されます。
AppHA-5
1-5. vCentre Hyperic Serverにログイン後、カスタム定義されたサービスと関連付ける「サーバ」を登録します(監視対象のプラットフォームに既にサーバが登録されている場合は、こちらの手順は必要ありません)

  • vSphere App HA で使用される用語の “仮想マシン” は、vCenter Hyperic ではプラットフォームと呼ばれます。
  • vSphere App HA で使用される用語の “サービス” は、vCenter Hyperic ではサーバと呼ばれます

1-6. 「プラットフォーム」に対して、[Tools Menu]-[New Server]を選択して、「サーバ」を追加します。
設定の詳細についてはマニュアル(About vCenter Hyperic 5.8 Configuration and Metrics Guide)を参照ください。
AppHA-6
1-7. 「プラットフォーム」に「サーバ」を追加後、Hypericエージェントからのメトリックの収集が実行されるとvCenter側でクラスタ-[監視]-[アプリケーション可用性]にカスタム定義された「サーバ」が表示されます。
AppHA-9

1-9. vCenter側でポリシーの割り当てすると、監視している「サーバ」が停止した場合、ポリシーで定義したアクショに従い、処理が実行されます。下図の例ではvCenter側にアラートが表示されています。

2. Oracleの監視について
2-1.   vCentre HypericServerにログイン後、監視対象となる「プラットフォーム」に対して、[Tools Menu]-[New Server]を選択して、「サーバ」を追加します。(監視対象のプラットフォームに既にサーバが登録されている場合は、こちらの手順は必要ありません)
AppHA-6
2-2. 「プラットフォーム」に「サーバ」を追加後、Hypericエージェントからのメトリックの収集が成功するとvCenter側でクラスタ-[監視]-[アプリケーション可用性]にカスタム定義された「サーバ」が表示されます。
AppHA-12   AppHA-11
2-3. 登録が完了後、Hypericエージェントからメトリックが収集されると、vCenterの[アプリケーション可用性]画面のサービス一覧に表示されます。
2-4.  vCenter側でポリシーの割り当てすると、「サーバ」が停止した場合、ポリシーで定義したアクショに従い、処理が実行されます。下図の例ではvCenter側にアラートが表示されています。
App HAを利用するには、Hyperic Server側でも設定が必要になりますが、是非活用して仮想環境の効率的な運用にお役に立ててください。
以前、本Blogで紹介したハンズオンラボを利用すると、App HAを体感することが出来ますのでご利用下さい。
(ラボ名:HOL-SDC-1317 – vCloud Suite Use Cases – Business Critical Applications)