vSphere

VMware ESXi イメージ管理ベストプラクティス その2

イメージプロファイルの操作
前回、その1でVMware ESXiのイメージをカスタマイズすることの意義や、イメージプロファイル等についてご説明致しました。
今回は、そのイメージプロファイルを操作する手法についてご説明します。
イメージプロファイルの操作にはImage Builderを使います。Image Builderは、vSphere PowerCLIで提供されるコマンドレットの1つで、以下の様な機能を提供します。
 ・既存のイメージプロファイルへのVIBの追加や削除
 ・イメージプロファイルの新規作成
 ・イメージプロファイルを指定したISOイメージ、オフラインバンドルのエクスポート
イメージプロファイルへのVIBの追加
追加作業にはImage Builderのコマンドレットを利用しますが、vSphere PowerCLIをご利用いただいている方であれば特にImage Builderを意識する必要はありません。例えば、既存のイメージプロファイルにダウンロードしてきたドライバ等のVIBを追加するための手順は以下の通りです。
 1. VIBの入手
VMware、サーバベンダー、デバイスベンダー、アプリケーション(vCD/vShieldManager)等からオフラインバンドルに含まれる形で提供
 2. ベースとなるイメージプロファイルとVIBをImage Builderに登録
3. 既存のイメージプロファイルにVIBを追加
4. オフラインバンドルやISOとして書き出す

具体的に、手順2以降は、
2-1. vSphere Power CLIを起動して、VIBを含むオフラインバンドルをImage Builderに登録
 > Add-EsxSoftwareDepot c:\filepath\xxxx-offline_bundle-xxxx.zip
2-2. VIBに定義された名前を確認
 > Get-EsxSoftwarePackage
※Nameの欄に記述されています、この例では、”net-ixgbe” です。

2-3. ベースとなるイメージプロファイルを含むオフラインバンドルをImage Builderに登録
 > Add-EsxSoftwareDepot c:\filepath\VMware-ESXi-5.1.0-xxxxxx-depot.zip
 > $ip = Get-EsxImageProfile
※イメージプロファイルを操作するため、変数に代入しておく。

※イメ-ジプロファイルは通常複数(vmware-toolsを含む物、含まない物の二つ)存在します。上記例では、
 $ip[0]・・・no-tools
 $ip[1]・・・standard (vmware-tools込みのイメージプロファイル)
です。どちらかを選択してVIBを追加することになります。
3-1. 既存のイメージプロファイルを指定して、新しいイメージプロファイルをクローンにて作成
 > New-EsxImageProfile -CloneProfile ($ip[0] or $ip[1]) -Name (New_Profile_name) -v (Vendor_Name)
3-2. 新プロファイル名を指定してVIBを追加
 > Add-EsxSoftwarePackage -ImageProfile (New_Profile_name) -SoftwarePackage (VIB-name)
※VIB-nameは、Get-EsxSoftwarePackageで調べた名前です。

※この例では、net-ixgbeを追加しています
4. 作成したイメージプロファイルを指定して、ISOファイルもしくはオフラインバンドルとしてエクスポート
  ISOファイルとしてエクスポート
    > Export-EsxImageProfile -ImageProfile (New_Profile_name) -ExportToIso -FilePath (Filename)
  オフラインバンドルとしてエクスポート
    > Export-EsxImageProfile -ImageProfile (New_Profile_name) -ExportToBundle -FilePath (Filename)
エクスポートしたISOファイル、オフラインバンドルには追加したVIBが含まれており、ダウンロードした物同様、AutoDeploy起動用のイメージやESXiのインストーラーとして利用することが可能です。
イメージ同士の結合
上記の応用編となりますが、複数のESXiイメージから新しいVIBのみを抽出して新しいイメージプロファイルを作成することも可能です。
この知識は、OEMカスタムイメージを利用している方に、特に有用です。
例えば、青い波線のイメージを作成する際、VMwareのパッチに含まれる最新のvmkernelやvmware-toolsのVIBと、旧OEMカスタムイメージに含まれるより新しいデバイスドライバやCIMプロバイダ等でイメージプロファイルを作成する事が可能です。

この場合は、以下のように行います。
・利用する複数のESXiのイメージプロファイルをImage Builderに登録
 > Add-EsxSoftwareDepot C:\filepath\VMware-ESXi-5.1.0-xxxxxx-depot.zip.zip
 > Add-EsxSoftwareDepot C:\filepath\VMware-ESXi-5.1.0-yyyyyy-depot.zip.zip
・新しいイメージプロファイルを選択して変数へ代入
 > $sp = Get-EsxSoftwarePackage -newest
・$spを指定してイメージプロファイルを新規作成
 > New-EsxImageProfile -NewProfile -SoftwarePackage $sp -Vendor -AcceptanceLevel
あとは、上記4.同様、ISOやオフラインバンドルとしてエクスポートが可能です。
まとめ
今回は、ESXiイメージ管理に関するベストプラクティスについてご紹介いたしました。
この知識を活用することにより、以下のことが可能となります。
 ・最新のドライバを含んだインストールイメージの作成が可能
・ESXi導入時間や障害時のリカバリ時間の短縮
・ドライバが無いことによるインストールの不具合を解消
・Auto Deploy環境におけるイメージ作成・管理が可能

是非ご利用下さい!