こんにちは!VMwareの中村です。
突然ですが、皆様お使いのVMware vSphereですがどのバージョンをお使いでしょうか?
現在(執筆時点)VMware vSphereの最新バージョンは5.5 u2ですが、VMware vSphere 4.x をお使いのユーザ様も多いのではないのでしょうか?HWとして実装するとコスト高になってしまう機能も、VMware vSphere 5.5 環境では、その機能をVMware vSphereで実装することにより、コスト的に敷居が下がるかもしれません。とはいいつつも移行するのは大変ですよね。本記事ではまずVMware vSphere 5.5 においてどのようなことができるのか?をご紹介し、シリーズ2回目以降に簡単な移行方法をご紹介していきます。
〜第1回ブログの内容〜
★vCPU数の制限緩和について
★VMware vSphere 4.x をお持ちの方は…(特にstandard エディションをお持ちの方)
★サポート期間について
★主な新機能やエンハンス機能について
★データ保護機能
★消費電力の違い…
では、改めて….になりますが、VMware vSphere 5.5 で何ができるようになったのか?等ご紹介していきます。
★vCPU数の制限緩和について
まずVMware vSphere 5.5ではvCPU数の制限が緩和された事をご紹介します。
VMware vSphere 5.5 からvCPU数(仮想マシンで認識できるCPU数)の制限がなくなっております。
古いバージョンですと、ライセンスのエディションに依存したvCPU数制限がありましたが、
VMware vSphere 5.5ではエディションに依存した制限がなくなっております。
kb.vmware.com/kb/2001113
図1 vCPU数について
★VMware vSphere 4.x Standard をお持ちのお客様は….
VMware vSphere 5.x に移行していただくと、Storage vMotionの機能が使用できます。VMware vSphere 4.x ですと
Storage vMotionの機能はStandardエディションでは使用できませんでしたが、VMware vSphere 5.x 以上では使用できます♪
この機能は仮想マシンをストレージ間(データストア間)で無停止移行することができる便利な機能です。VMware vSphereで
よく使用されている機能の一つとなっております。
また VMware vSphere 5.1 からクロスホストvMotionといって、共有ストレージがない環境でもvMotionをすることが可能です。
★サポート期間について
vSphere 5.5 に移行することによって、サポート期間が更新されます。このサポート期間についても少しみていきましょう。
ジェネラルサポートはメジャーリリースの一般発売日から指定された期日で終了します。
vSphereの場合、このジェネラルサポートは5年となっておりvSphere 5.0 / 5.1 のお客様において、ジェネラルサポートの終了が
2016年8月24日となっておりますが、vSphere 5.5 においてはメジャーリリース扱いとなっておりますので、ジェネラルサポートの終了が2018年9月19日までとなっております。
サポートポリシーのフェーズについて
製品ライフサイクルマトリックス
図2 vSphere 5.5 のサポート期間
★主な新機能やエンハンス機能について
ここではvSphere 5.5 から加わった新機能3つをご紹介します。
-パフォーマンスの向上:vFlash Read Cache (vFRC)
-アプリケーションまで監視: App HA
-ESXiのメモリ信頼性の向上: Reliable Memory
VMware vSphere 5.5から新しい機能として主に上記の機能が加わっております。
vFRC についてはホストでキャッシュしパフォーマンス向上をはかる仕組みです。
また可用性の向上としてアプリケーションの状態まで監視できる App HA という機能も加わっております。
インフラレベルではPSOD (Purple Screen of Death) の予防として Reliable Memory の機能が追加されております。
パフォーマンスの向上や信頼性の向上、という意味では他の方法で実装することもできますが、vFRC や App HA 等
vSphere = ソフトウエアで実現することによって、よりコスト的に敷居が下がるかもしれません。
是非VMware vSphere 5.5 で実装できる機能をご活用ください。
vSphere 5.5 の機能概要過去ブログ
★エンハンスされたデータ保護機能概要
vSphereにはデータ保護機能がありますが、vSphere 5.5からエンハンスされた内容をみてみましょう。
-管理DRの実現: vSphere Replication (vR)
-データ保護の実現: vSphere Data Protection (vDP)
大分おなじみになってきた vSphere Replication。
仮想マシン単位に遠隔地へデータをコピーし、システムに何かしら不測の事態が起きた際等に
瞬時に切り替える機能です。こちらはvSphere 5.5 から複数の復帰ポイントが保持できるようになっております。
これにより、どの時点のイメージで切り替えたい等、柔軟なオペレーションができるようになっております。
またvSphereに盛り込まれているバックアップ機能vSphere Data Protection (vDP) では
バックアップ開始時間のスケジューリングが分単位で設定できるようになっております。
–簡易DRを実現する、vSphere Replicationの概要
–データ保護を実現するvSphere Data Protectionの概要
★VMware vCenter Server Appliance (vCSA) のエンハンス
vCenter Appliance (vCSA) も5.5からパワーアップしております。vCSA 5.1 まではあくまでも小規模向けでしたが
vCSA 5.5はそこそこの規模 (ESXi 100台/仮想マシン規模3000台)をカバーできる仕様になっております。
もちろん、データベース、AutoDeploy Server やSyslog Collecter もはインストールされております。また Windows 版の vCenter に関しては、OS部分に関するパッチ適用作業も必要になるかと思いますが、その作業も減らすこともできますので、運用にもやさしいです。VMware vSphere 5.5 になってから、この vCSA を使用されるお客様が増えてきております。
★注目の VMware NSX の機能を使うためには?
また、いま注目度No1のネットワーク仮想化におけるNSXですが、NSXをご使用するには vCenter のバージョン 5.5が必須です。
また推奨としては分散仮想スイッチバージョン (vDS) も5.5となりますのでNSXが気になる…という方は是非こちらもご検討ください。
★最後に
あまり話しにでることが多くはないのですが、vSphere 5.5 は消費電力にも優しいです。負荷によっては、節電効果も大きくなってきております。台数が多くなればこちらの効果も大きくなってきておりますので、こちらもぜひご参照ください。
図3 各vSphereにおいて負荷と消費電力の関係
参照:http://www.vmware.com/files/pdf/techpaper/hpm-perf-vsphere55.pdf
vSphere 5.5 にするとどのようなことができるようになったのか?を簡単にご紹介してまいりました。
では次回からは実際にどのように5.5 環境へ移行するかをご紹介してまいりますのでお楽しみに!!
〜本シリーズの流れ〜
-第1回 vSphere 最新バージョンを使おう!~簡単移行方法のご案内~ メリット編 本記事
–第2回 vSphere 最新バージョンを使おう!~簡単移行方法のご案内~ vCenter Server 編
-第3回 vSphere 最新バージョンを使おう!~簡単移行方法のご案内~ 便利ツール vSphere Update Manager 編 Coming soon!
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