2015年3月12日に、vSphereの次バージョンとなる、VMware vSphere 6.0(以下vSphere 6.0)が公開されましたので、こちらのバージョンで追加された新機能・特徴の概要をご紹介します。
ただしこのBlogは、製品出荷前のバイナリ及びマニュアルを参照して記載しています。出来る限り正確な情報をお伝えするよう努めておりますが、実際に製品に搭載される機能や表示とは異なる可能性があります。あらかじめご了承の上、ご利用下さい。
1.スケーラビリティ
以前のバージョンに比較して、ESXiホスト/仮想マシンのスケーラビリティが大きく拡張しております。
vCenterに関してもWindows版/アプライアンス版ともに下記の通り、管理可能なホスト数や仮想マシン数が拡張しております。
詳細な「構成の上限」に関する情報は、弊社ドキュメントを参照下さい。
2.プラットフォーム機能
- ローカルの ESXi アカウントおよびパスワード管理の強化・・・ユーザーのアカウントのロックアウトや詳細設定による、複雑なルールが設定可能になり、ESXi の管理操作の監査性が向上しました。
- Microsoft Cluster Service (MSCS) の機能拡張・・・MSCS 仮想マシンの vMotion をサポート。
3.vCenter Server
- Platform Services Controller の導入・・・Platform Services Controller (以下 PSC)が導入され、単なるシングル サインオンの機能に加えてライセンス、証明機関の役割を持ちます。これにより柔軟な構成が可能になります。
- 拡張リンク モードの使用・・・拡張リンク モードを使用することにより、すべてのリンクされた vCenter Server システムを表示し、まとめて検索することができます。
- vCenter Server と ESXi の証明書ライフサイクル管理・・・vSphere 6.0 以降では、VVMware 認証局 (VMCA) が証明書を使用して環境のプロビジョニングを行います。これには、安全な接続用のマシン SSL 証明書、vCenter Single Sign-On への認証用のソリューション ユーザー証明書、vCenter Server に追加された ESXi ホスト用の証明書が含まれます
4.コア機能の強化
- VMware vSphere vMotion(以下 vMotion)
vMotionについては、主に下記点で機能強化・改善が行われております。
・Cross vSwitch vMotion(別の仮想スイッチへの移行)・・・異なるタイプの仮想スイッチ間で仮想マシンを移行が可能です、但しDistributed Switch から標準スイッチへの vMotionは不可となります。(標準から標準または Distributed Switch に、および Distributed Switch から別の Distributed Switch に仮想マシンを移動することができます。)
・Cross vCenter vMotion(別のvCenter Server システムへの移行)・・・異なる vCenter Server インスタンス間で仮想マシンを移行。
・Long Distance vMotion(長距離 vMotion 移行)・・・ネットワークの最大往復待ち時間は 100 ミリ秒までの環境下で仮想マシンを移行。
・vMotion ネットワークの柔軟性の向上・・・vMotion TCP/IP スタックを使用して、vMotion のトラフィックを隔離し、このトラフィックの専用デフォルト ゲートウェイ、ルーティング テーブル、および DNS 構成を割り当て可能。
- コンテンツライブラリの導入・・・仮想マシン テンプレートと vApp を簡単かつ効率的に管理が可能になります。
- vSphere Fault Tolerance (FT)・・・vSphere Fault Tolerance は、最大で 4 つの vCPU を持つ対称型マルチプロセッサ (SMP) 仮想マシンに対応できます。以前のバージョンの vSphere(vSphere5.5以前) とは、Fault Tolerance に異なる技術が使用されております。
- vSphere HA・・・仮想マシンのコンポーネント保護 (VMCP) の導入により、vSphere HA はデータストアのアクセス障害を検出して、影響を受ける仮想マシンの自動リカバリを実行できます。
5.仮想マシン
- サポートゲストOSの拡張(詳細は互換性ガイドを参照ください)
- ハードウェアバージョンのアップデート(ESXi 6.0以降:Virtual Hardware version 11)
- 仮想マシンは、最大128個の仮想CPUと、4 TBの仮想メモリをサポート
6. Client
-
Web Clientの応答性が向上
7.ネットワーク
- Network I/O Control バージョン 3・・・ホスト上の物理アダプタのキャパシティに基づいて、システム トラフィックのバンド幅を予約するメカニズムを導入しています。これにより、CPU およびメモリ リソースの割り当てに使用するモデルと同様に、仮想マシン ネットワーク アダプタ レベルでリソースを詳細に制御できます。
8.ストレージ
- vSphere Virtual Volumes・・・外部ストレージアレイを仮想マシン単位で管理することができます。
- 仮想マシン ストレージ ポリシー・・・ストレージ情報およびデータストアの特性を、特定のデータストアタイプ共通の管理機能を提供します。これにより、仮想マシンの配置について適切に決定し、ストレージ環境を監視することができます。
- VMware Virtual SAN 6.0
9.その他
- VMware vSphere Replication
・End-to-End でのネットワークの圧縮・・・帯域幅の要件をさらに削減
・ネットワーク トラフィックを管理ネットワークから分離・・・帯域幅を制御し、パフォーマンスとセキュリティを向上
・Linux ファイル システムの静止機能 (quiescing)・・・Linux 仮想マシンをリカバリする際の信頼性を向上
次回から、各機能の詳細な情報をご紹介していきます。