vCenter Operations Manager で提供されている他社製品と連携機能のご紹介Blog 第2段です。今回はブロケード製品との連携について、ブロケード コミュニケーションズ システムズ vExpert 中本滋之様に当ブログ用の記事を執筆、ご提供いただきましたので読者の皆さんにご紹介させていただきます。
こんにちは。ブロケード コミュニケーションズ システムズの中本滋之です。大事なことなのでもう一度。ブロケード コミュニケーションズ システムズの中本滋之です。さて今回 VMware Japan Cloud infrastructure blog でご紹介させていただくのは Brocade SAN Analytics Management Pack for vCenter Operations Management Suite という、VMware vCenter Operations Management Suite (vC Ops) のプラグインアダプターです。Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite とちょっぴり長い名前ですが、その名の通り、VMware vCenter Operations Management Suite (vC Ops) にストレージエリアネットワーク(SAN)の診断管理機能を追加します。
Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite 概要
vC Ops は、vCenter からサーバーの CPU やメモリーの使用量など様々な情報を収集してそれらを分析し、仮想環境の健康状態をチェックしてくれたうえで、俯瞰してみることができます。 vSphere 環境の稼働状況やリソースの使用状況などを即座に把握できるので、問題箇所の特定も容易に行えるため効率的な仮想環境の運用管理には欠かせないツールと言えるでしょう。しかし、サー バーの状態は サーバーにインストールされた ESXi を通じて vCenter で情報を集めることができますが、vCenter からの情報だけでは仮想環境全体の健康状態管理に必要な情報として十分とは言えません。その代表がストレージの情報です。そこで、先に紹介のあった HP 3PAR を vC Ops で管理するためのプラグイン HP StoreFront Analytics Pack for vCenter Operations Manager など、ストレージからの情報を得るためのプラグインが提供されています。そして忘れてはならないのがサーバーとストレージを接続しているストレージネットワークである SAN の情報です。そこで、Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite の出番です。Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite を使うことで、vC Ops で管理する仮想環境の把握に SAN からの情報を加えて役立てることができ、より正確に仮想環境の状態を確認できるようになります。
ところで、ブロケードには、Brocade Fabric Vinson という、SAN の診断・監視・管理ソリューションがあります。Brocade Fabric Vision は、Brocade Gen 5 ファイバーチャネルで採用されている技術で、ストレージネットワーク全体を可視化させることで運用時間の最大化、SAN管理の簡素化、アプリケーション性能の最適化を実現させる先進的な診断・監視・管理ソリューションです。Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite は、いわば Fabric Vision を vC Ops に融合させたものと言えます。
機能詳細
Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite を使うと具体的に何が見えるようになるのか簡単にご紹介しましょう。Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite をvC Ops に導入すると Custom ユーザーインターフェースのダッシュボードに4つのタブが加わります。
- Brocade – SAN Troubleshooting
- Brocade – VM Troubleshooting
- Brocade – SAN Utilization
- Brocade – Health Overview
「SAN Troubleshooting」ダッシュボード と「VM Trouble」ダッシュボードは、「Brocade Fabric Resources」に表示されるFabricのリソースから必要な情報を追っていくのか、「Brocade VM Resources」に表示される仮想マシンやホストリソースから追っていくかの違いで、選んだリソースに対する「Health Tree」が表示され、そこで選んだリソースに関連するアラートが「アラート」、選択できるメトリックが「メトリック セレクタ」に表示されます。そして「メトリック セレクタ」 のなかで選んだメトリックのグラフが「メトリック グラフ」に表示されます。このように選んだリソースを取り巻くリソースが「Health Tree」に表示され、関連するアラートやメトリックを確認することで問題箇所の特定を手助けします。
「Brocade – SAN Utilization」ダッシュボードには、使用率の高い上位 25 ポートおよびホストが送信と受信でそれぞれ表示されており、ストレージネットワークの側面からリソースの使用率を確認できます。
「Brocade – Health Overview」ダッシュボードは、「Health Overview」にホストやファブリックなどのリソースの状態が色別に表示されます。ここで選んだリソースのアラートが「アラート」に、健全性のグラフが「マッシュアップ チャート」に表示されます。
もちろん、このアダプタで取得したリソースを含むお好みのダッシュボードを作成することもできます。また、スイッチ などのより詳細な情報を得るために、ブロケードのネットワーク監視ツールである BNA (Brocade Network Advisor) を開くこともできます。
このように SAN の情報も含めて仮想環境全体の状態を把握することができるため、もし問題が起こっていればより正確に問題箇所を特定しやすくなり、また例えばストレージのトラフィックが多いスイッチのポートを容易に把握することができるので、仮想環境の拡張・改善にも役立ちます。
最後にインストールの Tips をご紹介します。アダプターは VMware Solution Exchange からダウンロードでき、ドキュメントも Solution Exchange にあります。
Brocade SAN Analytics Management Pack – Cloud Management Marketplace | Solution Exchange
Brocade SAN Analytics Management Pack for vCOPS User Guide
基本的にガイド通りに行えば導入できますが、ポート番号に悩むかと思いますので、デフォルト設定で BNA を導入している前提でポート番号をまとめます。
- Brocade Network Advisor CIMOM Port : 5989
- CIM Indications Listener Port : 24606
- SNMP Trap Receiver Port : 162
まとめ
Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite を利用することで vC Ops の活用範囲がさらに広がります。また、ブロケードは Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite 以外にも、VMware vCenter Log Insight 2.0 向けのプラグイン、Brocade SAN Content Pack for Log Insight も提供しています。Brocade SAN Content Pack for Log Insight は、発表されたばかりの新しい VMware vCenter Log Insight 2.0 に対して、先に紹介した Brocade Fabric Vision を活用したインテリジェントかつ強力な SAN 分析機能を追加します。
Brocade SAN Analytics Management Pack for VMware vCenter Operations Management Suite ならびに Brocade SAN Content Pack for Log Insight によって VMware の仮想環境に SAN の可視化を追加して、仮想環境の運用管理をより効果的・効率的なものにすることができます。ぜひお試しください。