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[TAM Blog] VMware Cloud Foundation® 9.1.1 で始める Agentic AI 運用 – AI Assistant for VCF

こんにちは。Broadcom® VCF TAM の中村です。

2026年9月3日、VMware Cloud Foundation® 9.1.1 がリリースされました。

VCF 9.1.1 ではさまざまな機能強化が行われていますが、特に注目いただきたいのが VMware Cloud Foundation® Operations に追加された AI アシスタント機能 AI Assistant for VCF です。

LLM Provider として Google Gemini™ または VMware Cloud Foundation® Private AI Services を指定し、VCF Operations の画面から自然言語で質問すると、必要な Tool を利用しながら実際の VCF 環境を調査し回答してくれます。

VMware vSphere® および VCF Management Services の Health 情報、Alert、Configuration、Log などを組み合わせた診断がユースケースとして挙げられます。

本記事では、実際に AI Assistant for VCF を設定し、自然言語による VCF 環境のトラブルシューティングを試してみます。

なお、今回確認した VCF 9.1.1 の製品 UI 上では「VMware Intelligence Assist」と表示されています。本記事では、Broadcom の公式ブログで使用されている名称に合わせて「AI Assistant for VCF」と表記します。

また AI Assistant for VCF を含む「拡張機能」を利用する際は弊社営業 もしくは TAM へお問い合わせください。
ご参考:Extensions Management

* Google、Gemini は、Google LLC の商標です。

Contents

1. VCF 9.1.1 で登場した AI Assistant for VCF

これまで VMware® で AI というと、VMware® Private AI Foundation with NVIDIA など「VCF の上で AI Workload を動かす」というユースケースを思い浮かべることが多かったのではないでしょうか。

VCF 9.1.1 では、そこにもう一つ面白い方向性が加わりました。

AI を使って VCF そのものを運用するという使い方です。

VCF 9.1.1 の新機能として、VCF Operations へ対話型 AI Interface を統合した「AI Assistant for VCF」が発表されました

従来の生成 AI であれば、ユーザーの Prompt と LLM が持っている知識を基に回答するのが基本でした。

一方、AI Assistant for VCF では、必要に応じて用意された Tool を利用し、実際の VCF 環境から情報を取得したうえで回答します。

これは、単なる Chatbot とは少し性格が異なります。

「現在の環境で問題が発生していないか確認してください。」という依頼に対して、AI 自身が必要な情報を判断し、VCF Operations から環境の状態を取得しながら回答を組み立てていきます。

LLM が回答を生成するだけではなく、外部の Tool を利用して必要な Context を取得しながらタスクを進めることで、VCF Operations 上で実環境に即した調査やトラブルシューティングを支援します。

これは、Agentic AI の考え方を実際の運用機能として取り込んだものと言えるでしょう。

2. AI Assistant for VCF を実際に使ってみる

それでは実際に VCF 9.1.1 環境で AI Assistant for VCF を使ってみます。

2-1. AI Assistant for VCF を利用するための準備

AI Assistant for VCF を利用するには、LLM Provider を設定する前にいくつかの準備が必要です。
今回の VCF 9.1.1 環境では、次の流れで設定しました。

  1. Log Management をデプロイする
  2. VCF Operations の拡張機能から必要な機能をインストールする
  3. AI Assistant for VCF で利用する LLM Provider を設定する

2-1-1. Log Management をデプロイする

まず前提として、VCF Operations の Log Management をデプロイします。

AI Assistant for VCF では、VCF Operations が持つ Health 情報や Configuration に加え、Log を相関した診断も可能です。

Log Management は VCF Operations ビルド – ライフサイクル 画面の「コンポーネントの追加」からデプロイできます。

2-1-2. 「詳細設定」と「VMware Intelligent Assist」をインストールする

続いて、VCF Operationsの「拡張機能」タブを開きます。

VCF 9.1.1 では、ここから追加機能をインストールできるようになっており、今回の環境では次の2つをインストールしました。

  • 詳細設定
  • VMware Intelligent Assist

2-1-3. LLM Provider と Model を設定する

最後に、AI Assistance for VCF が推論に利用する LLM Provider と Model を設定します。

今回実機で確認した VCF 9.1.1 では、LLM Provider として次の選択肢が用意されています。

  • Google Gemini
  • VCF Private AI

今回は、検証環境で比較的準備しやすい Google Gemini を LLM Provider として設定しました。

なお、Gemini の API キーは無料アカウントでも Google AI Studio から発行できます。

LLM Provider を設定すると Model タブでは利用するモデルを一覧から選択できます。

設定が完了すると「VMware Intelligent Assist」画面から自然言語で質問でき、AI Assistant for VCF が必要に応じて Agent Tools を利用しながら実際の VCF 環境を調査できるようになります。

2-2. AI Assistance for VCF が利用する Tool を確認する

設定が完了すると、VCF Operations の画面から Chat 形式で AI Assistance for VCFを利用できます。

ここで注目したいのが、AI Assistance for VCF に用意されている Tool です。

LLM は質問に対して直接回答するだけではなく、必要に応じてこれらの Tool を呼び出し、VCF Operations から実際の環境情報を取得します。

この仕組みによって、実際の環境情報を参照しながら自然言語でトラブルシューティングを進められます。

2-3. 自然言語で VCF 環境を調査してみる

まずはシンプルな質問から試してみます。

環境下の ESX Host と各ホストのスペックを一覧表示してください。

すると、AI Assistance for VCF は質問の内容を解釈し、必要な Tool を利用して VCF Operations から情報を取得します。

その結果を基に、現在発生している問題や確認すべきポイントが自然言語でまとめられます。

2-4. トラブルシューティングを試してみる

もう少し具体的に、現在の環境で発生している問題を確認してみます。

例えば、次のように質問しました。

現在発生しているAlertを確認して、対応が必要そうなものを分かりやすく説明してください。

従来であれば、管理者が VCF Operations 上の Alert 一覧を開き、Severity や対象 Object を確認しながら、どの問題から調査すべきか判断する必要があります。

AI Assistant for VCF を利用すると、こうした初動調査を自然言語から開始し、現在の環境で何が起きているのかを素早く把握できます。

まずは Alert の確認や要約といったシンプルな使い方から始め、必要に応じて対象 Host や VM について追加で質問していく使い方が現実的でしょう。

もちろん、AI の回答をそのまま正解として扱うのではなく、最終的には管理者がMetric や Log など、根拠となった情報を確認することが重要です。

3. 本番環境で AI を利用する際に考えておきたいこと

Lab 環境で AI Assistance for VCF を使ってみるだけであれば、LLM Provider を設定して実際に質問してみるところから始められます。

しかし、本番環境で継続的に利用する場合には、AI の回答精度以外にも考えるべきことがあります。

今回試したようなトラブルシューティング用途であっても、AI へ渡される Context には Configuration、Alert、Log など、Infrastructure に関するさまざまな情報が含まれる可能性があります。

そのため、本番導入時には利用する LLM Provider だけを見るのではなく、実際の Data Flow や Data Retention、アクセス制御なども含めて確認する必要があります。

また、Agentic AI では LLM が一度回答して終わるとは限りません。

複数の Tool Call や Reasoning を繰り返すことでタスクを進めるため、従来の単純な推論と比較して、Governance や Cost Management の重要性も高くなります。

Explore 2026 で発表された VMware Private AI Cloud でも、こうした Agentic AI の Production 利用を大きなテーマとしており、Token Monitoring、Multi-tenant Model Sharing、GPU / vGPU Trackingなどを紹介しています。

また、今後の機能として AI Gateway による Intelligent Prompt Routing、Usage and Token Limiting、Application Authorization に加え、Agent を隔離環境で実行する Sandboxing や、Agent が利用できるTool や Agent 間通信などを制御する Agent Harness を含む「Secure Agent Framework」も発表されています。

AI を動かすこと自体は比較的簡単でも、AI を安全に本番運用するためには、Model、Data、Identity、Tools、Infrastructure を含めたプラットフォームとしての管理が必要になるからです。

4. おわりに

VCF 9.1.1 で追加された AI Assistant for VCF を実際に使ってみました。

ついに VCF 環境の Administration にも AI がやってきました。これまでの VCF Operations とはかなり違った使い方になりそうです。

一方で、本番環境で利用することを考えると、LLM Provider の選択、Data Sovereignty、Identity、Tool Permission、Audit、Cost など、検討すべきポイントも多くあります。

VCF 9.1.1 の AI Assistant for VCF は、Agentic AI が「将来の構想」ではなく、実際のプライベートクラウド運用で利用できる機能になってきたことを示すアップデートです。

そして、その利用を PoC や限定的な検証から本番環境へ広げていく際には、VMware Private AI Cloud が今後ますます重要な基盤になっていくでしょう。

以上、AI Assistant for VCF のご紹介でした。

VCF に関するアーキテクチャ検討や運用支援については、ぜひ担当 TAM にご相談ください。

 

参考 URL

VMware Explore

Google AI Studio

TechDocs

VMware Cloud Foundation 9.1.1.0 Release Notes

VMware Cloud Foundation (VCF) Blog

Announcing General Availability of VMware Cloud Foundation 9.1.1

New AI and Kubernetes Private Cloud Operations Capabilities in VMware Cloud Foundation 9.1.1

Explore 2026: VMware AI Factory and other new AI innovations in VCF

Financial News

Broadcom Introduces VMware Private AI Cloud, Enabling Enterprises to Scale AI Cost-Effectively, Operate More Securely, and Innovate Rapidly

Broadcom Delivers End-to-End Security, Identity, and Observability for Agentic AI